白磁の皿・5
海がきれいだ。
海風も心地よい。
何よりタコスが美味い!
伸びをし建物の角の人影を認識する。
(やはり間違い無いな)
那覇の空港からずっと付けている者がいる。
バイクのミラーと店の手鏡で確認したがビールメーカーのTシャツを着た男と、かりゆしを着た女のカップルが付かず離れずついて来ている。
(何者だ?)
とりあえず今はそのま無視する。
雨雲が動いて来たので急いでホテルに帰る。
沖縄はピンポイントに雨が降るのだ。
フロントの彼女に手を振ってエレベーターに乗る。
ホテルの部屋に入ると薔薇の香りがする。
(侵入者か?いや、さっきのフロントの子の香水か?)
その場でしゃがみこみ耳を澄ます。
・・・・・・・
(大丈夫だな)
奥に入り荷物を確認する。
微妙に配置が違う気がする。
バルコニーに出て皿が入った桐の箱を確認する。
(無事だったか)
那覇空港からつけて来るやつがいたのでもしかしたら?と思い、ホテルに着いてすぐに海を眺めるフリをして外に置いたのだ。
(でも何故?)
箱を開け調べたが何も無いようだ。
皿も普通にみえる。
(何だ?何を狙ってる?)
手っ取り早く一通り沖縄の料理が食べられるだろうと、夕飯にはホテルのビュッフェを予約しておいた。
まだビュッフェが始まるまで1時間ほどあるので槽に湯を張る。
部屋着のパーカーとadidasのジャージをリュックから引っ張りだす。
衣類の圧縮袋に入っているのでペチャンコになっている。
袋を脱衣所に置き、さっき土産屋で買ったオリオンビールと沖縄バヤリース南国グァバを冷蔵庫に放り込む。
浴室に移動し湯の温度を確認する。
(ちょっとぬるめだがまぁいいか)
服を脱ぎシャワーにを熱目にし、天井に切り替え汗を流す。
サッと洗って湯船に入る。
「ハァ〜〜」
移動だけだがさすがに疲れた。
思わず声が出る。
身体が温まると、さっきタコスを食ったにもかかわらず腹が鳴る。
ゆっくり温まり部屋着に着替え、ビュッフェに向かう。
フロントの彼女にビュッフェの場所を聞くと案内してくれた。
ビュッフェ入り口でレセプショニストにルームNo.と名前を告げると、すぐに中に案内される。
トレーを取りステーキの場所に行きサイコロステーキを焼いてもらう。
ソースは断り手前にある塩をふる。
サラダと沖縄蕎麦、他にも沖縄料理を6皿ぐらい取り取り席に着く。
沖縄蕎麦がなかなかいける。上に乗せたラフテーも美味い。
サイコロステーキも絶品だ。
これは上にかけた塩がうまいのだ。
人類が一番最初に出った麻薬は塩である。っと言われるのも、あながち嘘では無いかもと思わせる。
ちなみにサイコロステーキおかわりしソースをかけてもらったら至って普通だった。
やはり塩の旨さだ。
デザートにフローズンあずきとソフトクリームを頂く。
蓋付きのカップを2つ取り、ホットコーヒーとアールグレイを入れる。
ビュッフェ入り口に居るレセプショニストに、コーヒーを持った手を挙げそのまま部屋に向かう。
カードをドアに当てると部屋のロックを外す。
両手に飲み物を持って居るのでやりにくい。
足でドアを押し中に入ると、すみれの香りと共に人が入って来た。
女は素早くドアを閉めた。
身長は160センチ無いぐらい。
黒髪のハンサムショートの20歳ぐらいだ。




