終焉・2
お付き合い頂き、ありがとうございました。
「雄介!雄介!雄介!」
雄介が苦痛にのたうち回って居る。
結が泣きながらしがみついて居る。
「結ちゃんそのまま押さといて!いい?」
「はい!」
結が馬乗りになり雄介を抑えつける。
「遠見家禁呪・反魂!」
バッ!
「きゃぁ!」
「直美さん!」
直美の木霊が弾けたが、雄介の術は解けた。
「直美・・・遠見の血か・・・さすが最後に生まれ、全ての力に精通すると言われる十見の一族に連なる者だな」
雄介が立ち上がる。
「何だそりゃ」
「知らないのか?貴様は人見、始まりの一族一見の血を強く引いているんだよ」
「関係無いなバカ!そんな事にこだわってるからお前達はダメなんじゃないのか?めちゃ気にしてるよな?」
「言ってくれるじゃないか!のうのうと生きて来たお前には負けない!」
「勝ち負けは生き方で決まるのか?じゃあなんで今まで勝てて無いんだ?バカか?」
「うるさい!黙れ!黙れ!黙れ!」
おちょくりが効いているようだ。
雄介の右手に持った木霊が白く光る。
「おお!おい!おい!それは!貴様それは!!“落涙ノ太刀”か?」
「知らんわバカ!」
「それをどうしたんだ!どこから!」
「知らんと言ってるだろ?人の話を聞け」
「そうか!・・・浄眼か!浄眼の二見の涙で清められたのか!」
「知らねえよ!ポンコツパスタロボット野郎!」
右手でグウを握り頭の横に持って来る、左手で膝の内側を触る。
サッカー選手・自転車の選手がやって問題になった傘のゼスチャーだ。
これはイタリア人に対する侮辱行為だ。
三見の顔がドス黒くなる。怒り心頭のようだ。
右手の木霊の光が消えてゆく・・・
そして雄介の右手には何も無かったが腕がほんのり光っている。
雄介が手を張り上げる。
「葬剣!」
波の様な光が三見の身体に巻きつくと一気に膨らむ。
(ん!奴の身体に仕込んで居る木霊の影響か!?)
光はうねって三見の身体を凄い勢いで駆け巡り始めた。
「俺は!俺はこんな事で死ねるか!ぶっこわすんだ!殺すんだ!全て殺して…」
光の中では何が起こっているのか?眩しくて見えない。
光が弾けた…
そこには肉が削げ落ちた人型の何かが、オイルと樹脂の溶ける匂いをさせながら座っていた。
七見と三見の身体を4班が引き上げ。
吊るし人の戦闘員も連行されて行った。
数百年続いた吊るし人との争いは終わった。
終わってみれば呆気ないものだ。
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オソロ国だが芋蔓により軍のシステムを遮断していたのだが、何故か軍の名簿がネットワークに繋げられそこから侵食した。
(これは逮捕した吊るし人からの情報から、七見の仕業と思われる)
オソロ軍の機能がマヒした所で、これ幸いとA国とR国が侵略し始めたのだか途中で核兵器が崩壊し、オソロ国の国土が放射能汚染されたため両国は大急ぎで撤退した。
プルトニウム239なので、この大地は2万4千年は立ち入り禁止となった。
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「もぉ!副社長早く!」
「誰が副社長だよ!それ聞いて無いから!」
「私だって人見メモリアルの副社長なんだから良いじゃん!そっちは雄介が社長!でも沖縄では私が社長よ!」
「いや、だから何で?」
「お母さんが決めたからよ!夫婦は協力し合うんです!」
「もう!どんどん売れてるのよ!ちゃっちゃと鳥照り焼いてよね!」
「はいはい!わかったよ!」
「はい!は、1回!」
「はい!」
「あら!結ちゃんその人がダンナさんなの!」
「そうでーす!新婚です!」
「ホヤホヤねぇ〜」
「お祝いに買って!照りたまはダーリン考案メニューだから!」
「あら!じゃあ3つ頂いちゃおうかしら!」
「まいどー!4つお買いあげありがとうございますぅー!」
「あらあら、結ちゃんには敵わないわねぇ、じゃ5つ!」
「ひゃー嬉しい!おばちゃん毎度!」
俺と結は結婚した。
いや、していた?らしい?
川上玄山さんの事件の後、人見メモリアルの副社長に何故か結がなったのだが、その時の書類に婚姻届を紛れ込ましていたらしい。
「雄介は私の名前の書いてある上に、名前書くだけでいいから!何枚か書いてね」
その言葉にはめられた。
「はいはい、とっとと今すぐ名前書いて!」
急かされて書いた書類は、婚姻届や副社長就任やらの書類だったようだ。
証人は糸子さんと警察庁長官らしい・・・
(誰だよ頼んだの)
公文書編纂室の室長は糸子さんになった。
人見メモリアルは1班2班で回してもらっている。
俺と結は何かあったら駆けつける感じだが、語見さんと直美さんと糸子さんがリカバリーして居るので大丈夫みたいだ。
3班はまた非常勤になった。
俺は月のほとんど沖縄住みになった。
照り焼き専門スタッフとして頑張っている。
隠し味にオイスターソースを使ったら更に人気になった。
結の父か見つけた塩で“塩とりたま”を新メニューに加えたら、売り上げ倍速してしまって更にてんてこ舞いになってしまった・・・
昨日から秘伝の照り焼きソース作りの担当になり、焼くのは従業員に任せて居る。
めちゃ売り上げが上がり嫁の結は高笑いをして居る。梅ヶ丘の家を大々的に改修する資金が出来て嬉しいそうだ。
まあ、結と一緒ならこれからも楽しい事がありそうだ。
「何!何がおかしいのよ!」
「別に!」
沖縄の心地よい海風と、結の笑い声が店の中を吹き抜けていった。
終




