黒い折り紙・4
19時・・・まだ動きが無い。
ホテルから出たら確保するように糸子さんから言われている。
20時・・・
「センサー反応!」
「出たわね!」
「行くぞ!」
お堀端通りで追いついた。
周辺を囲う。
「ちょっと良いですか?」
男が顔を上げた。間違いない白と呼ばれる男だと思う。
「何だ?」
男は立ち止まり表情を変えずに答えた。
「ご同行を、」男が話しかけていた大塚くんと、その横にいた宮本さんを殴り国道の方に逃走する。
その後を我々も追う。
男は強引に国道1号線を渡る。
目の錯覚かと思ったのだが男は車を飛び越えている。
信じられない運動能力だ!
横断歩道に回り追いかける。
念のため国道の海側にいた大石くんが追いかける。
男は“御幸の浜”に向かっている。
************
(おいおいおいおい!おかしいだろ!あの運動能力は!)
国道の海側にいた俺は国道を渡って来た白を追いかける。
仲間は国道でストップだ。
階段を降りトイレの脇を進む。
腰からスローイングナイフを4本取る。
直打では届かない距離なので、一か八か思い切り振りかぶって投げた。
刃側を持って2本、グリップ側を持って2本思い切り投げた。
「ぐっ!」
(よし!)
4本とも当たったが、グリップを持って投げた2本が背中と足に刺さった!
男がこっちを振り向く。
無表情だ…
コートから何かを取り出した。
「死ね」
男が白羽のついた棒を振り下ろす。
「うお、やばい!」
穢れの気配を感じ、横に飛んだ。
転がりながら左手で砂を握り、男の顔面に叩きつけた。
同時に右手背中から特殊警棒を振りだし、男の棒を持つ腕に思い切り打ちおろした。
男が羽付棒を手放す。
腕を折ったはずだが感覚がおかしい。
人間の感覚ではなく樹脂プレートを叩いた感覚だ。
そのまま右の脛を叩き折った。
やはり骨を打つ感覚では無い。
大石は何か違和感を感じた。
(クッ!ボディアーマーを着込んでるのか?)
ジャケットのエリを掴まれた。
「一緒に死ねぇ!地獄に連れてってくれるわぁ!!!」
(やばい!)
かなりやばい雰囲気を感じ、男が掴んでいるジャケットのフロントファスナーを外し脱ぎ捨て転がり、砂にまみれながらコンクリート柱の後ろに回り込む。
ボムゥ!!
男が爆発した。
周りがぬるぬるする、たぶん血だらけだ。
「利夫!」
「大石くん!」
みんなが追いついたようだ。
「無事ですー!無傷ですー!」
仲間に返事をした。
************
大石くんが戦っている。
大石くんはリアル戦闘派タイプなのでかなり頼りになる。
俺も時間が空いた時に稽古を付けてもらっている。
(はぁ!?、自爆?自爆かよ!)
「利夫!」
「大石くん!」
「無事ですー!無傷ですー!」
コンクリート柱から姿を見せた。
良かった。奥さんの光子さんも安心した顔をしている。
(それにして血と何だこの匂いは?)
「雄介、何の匂い?」
「オイルか?」
機械部品が転がっている。
うちの4班が来た。
山梨4班も一緒だ。
周辺は小田原署で閉鎖してもらう。
「コイツ・・・間違い無いな」
「ええ、アンチエイジングってこっちもなのね」
「機械化人か?」
「神の領域を侵している気がするよ」
「ほんとね」
「芹澤くん鴨川さんどうした?何かわかった?」
「はい、おれは一回ホテルに引き上げます。二見係長命令です」
「糸子さんの?了解、詳しくはそっちでかな?」
「はい。関係部署も到着しています。鴨川と山梨4班は引き続きこっちを頼む」
「了解!」
「さっきまでいたTホテルでいいのか?」
「いえ、Aホテルにお願いします」
皆でお堀端通りを歩きAホテルに向かった。




