五彩の闇・6
「下田に行く」
「川上さん見つかったんですか!?」
「あぁ、仕事用のスマホで奥さんにかけて来たらしい。様子がかなりおかしかったそうだ」
「おかしいとは?」
「出来た!出来た!っと言って笑っていて、何を言っても答えてくれない川上に狂気を感じたらしい。怖いっと言っていたよ」
「よし、語見、雄介はうちの公用車で先に行け。大石運転してやれ!」
室長から鍵を受け取る。
「それとこれ」
2本の棒を渡される。
「木霊ですか?」
「2型だ、2本だけ完成した」
「ちょっと重いですね、木が違う?」
「20年ものの葛だ」
「へぇー」
「使用後は前回同様レポート必須だ」
「了解です」
五見さんと地下駐車場に降りて公用車のクラウンに乗り込む。
ナビをセットし車を出す。
すぐ高速に乗り六本木を過ぎ渋谷を過ぎて行く。
世田谷を抜け川崎に入る。
横浜、海老名を過ぎ秦野中井インターで休憩する。
お茶とコーヒーとサンドイッチを買う。
大石くんはアメリカンドッグを2本持ってパクついている。
サンドイッチをすぐに食べ走りだす。
長泉沼津から三島の方に向かう。
そのまま下り伊豆の国に入る。
浄蓮の滝・天城・ループ橋と向かう。
河津を越える、もう少しだ。
下田に入った。
海沿いのBホテルに向かう。
駐車場に車を入れホテルのフロントに向かう。
香子さんにホテルに連絡をしておいてもらっておいたが・・・
「こちらに宿泊している川上玄山さんの呼び出しを願いしたい」
「お客様は?」
「警察庁の語見早雲だ」
「人見雄介です」
「大石利夫です」
我々も2つ折りの手帳を見せる。
警察庁職員も警察手帳はある。
職務中は携帯しなければならない。
「はい、奥様からお電話がありました。東京の警察、警視庁の方ですね?」
「いや、け・い・さ・つ・ちょう、警察庁です」
下段の旭日章の下の文字を指す。
「はっ!申し訳ございません。警察組織がよくわから無いもので」
もう1人のフロントが部屋に電話を掛け、川上を呼び出す。
「国家公安委員会の下に警察庁があって、その下に都道府県の警察があります」
「なるほど、ありがとうございます。本来ならご案内は出来ないのですが、川上ご夫妻はこちらの常連なので、本人確認も取れましたので特別にご対応します」
「ご迷惑をお掛け致します」
電話をしていたフロントが首を振る。
「お出にならないようです」
「部屋に案内して下さい」
「すみませんがマスターキーもお願いします。奥さんから聞いた様子ですと、ちょっとおかしかったようなので」
「はい、それは聞いております。ではご案内致します。こちらへ」
エレベーターで7階に行く。
貴賓室の前に来た。
「スイートルームか」
「川上様、お客様がお見えです」
ホテルマンが話しかけても返答は無い。
「鍵を」
「はい」
チャッ”
鍵が開く。
「後ろに下がって下さい。後は我々が引き継ぎます」
ドアを開け中に入る。
『!!』
「これは・・・」
穢れが渦巻いている。




