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五彩の闇・2

9時・ウチの青いカバーオールタイプのツナギを着て霞ヶ関駅に移動する。


東京メトロ千代田線で大手町まで行き、半蔵門線に乗り換え九段下に行く。

15分程度で着く。


駅の階段を上がると金の玉ねぎが見える。

そのまま靖国方面に向かい左に曲がると、グレーのマンションが出てきた。


「おー!高そうだ!」

「すげぇ!」

「5億ちょいぐらいらしいぞ?」

『おーーー!』

「庶民だから思わず5億って何万円?1万円札何枚よ!って思っちゃうね」

「1万円札5万枚とか想像もつかないな」

「東京ドームで換算とか、ビックマック何個とか言ってくれないとわかんないわよ!」

「それはもっと分からないよwww」


エントランスからインターフォンを押す。

「コレは普通ね?」

扉が開き中に入る。

「凄い!なんか庭よ!」

「小洒落た美術館っぽい!」

大はしゃぎだ。


上品な女性が迎えに来た。

川上玄山さんの奥様の香子さんだ。


「早雲さんごめんなさい、他に相談出来なくて」

「いや、俺も玄山が心配だからな。こっちは知り合いの何でも屋さんだ」


「人見です」「大塚です」「宮本です」

宮本由香を見て女性がいる事にホッとした顔をしている。

男ばかりの集団だと、どうしても圧が発生してしまうのだ。宮本さんと長内さんが、人見メモリアルに入ってくれたのは正直助かっている。


親父とお袋とやってた時もそう言う意味で、お袋の存在は大きかった気がする。


奥にあるアトリエに案内された。

“夢幻の間”と部屋の入り口にある。

自然木に書かれているらしい?


部屋に入ると墨の香りが身体にまとわりつく。

『うっ・・・』


「語見さん・・・これは?」

そこには異様な光景が広がる。


一切有為法 如夢幻泡影 一切有為法 如夢幻泡影

一切有為法 如夢幻泡影 一切有為法 如夢幻泡影

一切有為法 如夢幻泡影 一切有為法 如夢幻泡影

一切有為法 如夢幻泡影 一切有為法 如夢幻泡影

一切有為法 如夢幻泡影 一切有為法 如夢幻泡影

一切有為法 如夢幻泡影 一切有為法 如夢幻泡影

一切有為法 如夢幻泡影 一切有為法 如夢幻泡影

一切有為法 如夢幻泡影 一切有為法 如夢幻泡影



天井、床、壁、机の上部屋のあらゆる場所に字があふれている。

文字の海に(おぼ)れそうだ。

「圧迫感が・・・」「圧があります」

「この部屋全体的に穢れの残滓があります」


「ん!?、揺らいでいる?」

「宮本さん何か視える?」

宮本さんと大塚くんが書を退けながら何かを探す。

「あっ!これ?」

宮本さんが硯と筆を指差す。

「コレだね」

大塚くんも確認する。

語見さんが確認する。


「硯に墨が入ってる?」

「当たり前じゃ無いんですか?」

「いや、固まるし硯が傷むからダブーだ」

「それにしても何で?ちょっとそこの紙取ってくれるかい?」

「はい、これ?」

「ありがとう」


語見さんは紙を置くとその硯と筆を取りさらっと書いた。


“一切有為法 如夢幻泡影”

違う、川上玄山さんの書は何というか、怖いというか不気味?いや病的?と言うのが一番あってるかもしれない。

語見さんのは軽く書いたものなのだが、活力・生命力を感じる。

「はぁ〜同じ字なのに、ここまで違うんですねぇ」

「まさに“感字”!」


「・・・・・・」


「?、どうしました?語見さん?」

「おかしい」

「何が?あぁ墨が固まって居ないんでしたっけ?」

「ん?いや、この墨そのものが何か違う。書いた感覚も何かおかしい」


「残滓があるって大塚くんと宮本さんが言ってませんでした?」

「あれ?穢れ?」

「あぁ、書いた字から穢れが出てきました!」

「これ借りて行くか。あと書を何枚か持って行くか」


他に部屋の中を探す。

硯や筆を保管する場所の下段に、細長い空の瓶が乱雑に入れられていた。

「これ・・・」

「エリクサーか?」

「全部エリクサーですね?」

「マトリ行きだな」

それらを持って川上宅を後にした。










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