表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/40

エンジェリック・ギフト・2

事務所前にポタージュイエローの日産エスカルゴが停まっている。

降りて行くと窓が開いて長内さんと大石くんが顔を出す。

『おはようございます!』

「おはよう、珍しい車だなぁ」

「えぇ、ウチの実家の商店で配達に使ってたんですけど、廃業してもう使わないって言うんでもらったんですよ」

「あたしが気に入っちゃって頂いちゃいました」

「修理・・・いや、もうレストア?ってぐらい金かかりました」

「おかげ様で完璧です!」

「1500ccだからそこそこ走ります。そこそこですけどw」

ワゴンRの隣に停めてもらい上野のアパートに向かう。


******


玄関から始まりキッチンと風呂場トイレが終わり、やっと半分過ぎたくらいになった。

「人見さんこれはなんか洞窟堀りですねー」

「ほんとだな、参っちゃうよなあー」

「どうしたらこうなるのかが、理解出来ないですねぇ」

「リサイクルと言うより産廃業者ですよね」


ここで左のリビングに行くか右の寝室?を掘るか考える。

「どっちも同じか?」

「そうですね。どうせ両方やるのですからね」

「じゃあこの箒が倒れた方で!」

長内さんが箒を立て手を離す。


パタッ・・・


「寝室ですね」

右手の寝室からやっつける事にした。


******


大石がベッドをずらした。

「あっ!」

その場でかがみ込む。

人見さんちょっと良いですか!」

大石が俺を呼んだ。


大石の前には番号が書かれた袋がある。

4が2枚と5が5枚。


あとは5センチ程のフラスコ状の透明なプラ容器が7個。


「これはポーションか?」

「たぶんそうですね」

「んー俺が依頼されたのはこう言う事か?」

「たぶん警察庁経由ですね」

「この薬のせいで汚部屋状態か・・・」


最近若者を中心にポーションと呼ばれるドラッグが蔓延している。

四十七国覇者之路(よんじゅうななこくはしゃのみち)”と言うモバイルゲームがある。

日本の47箇所に行き英雄を倒すと宝箱が出る。

その箱を開けると、ごくごくたまーに天使が出て数字がもらえるのだ。

その数字でポーションを入手出来るらしいのだが・・・


何を意味するのか?

どこからどうやって手に入れて居るのか?が現時点で全く判明していない。


そもそもそのモバイルゲームの会社もかなり怪しい。

覇者之路だが日本語なら“路”ではなく“道”を使う。

お前らオソロ国だろ?っと想像が付くが・・・


「人見さん室長に連絡取ります」

「あぁ、よろしく」

大石くんが室長に連絡しているあいだ長内さんと俺は掃除を進めた。


スマホも発見したので、ポーションの入れ物達と一緒にダンボールに入れておいた。


しばらくすると紺のツナギを着た2人が部屋に入って来た。

警察庁から依頼された警視庁の者だった。

手帳を提示したので室長に確認をしたところ、本物だったので証拠品を渡す。


結構片付いたので今日は終わりにする。

今日の夕飯は長内さんの強い希望により、チーズ祭りをやっているファミレスにする事にした。


******


長内さんは超チーズハンバーグを頬張って嬉しそうだ。

大石くんと俺はサーロインステーキにした。

久しぶりのファミレスだけどなかなかうまい!


「しかしポーション絡みとは思いませんでしたね」

「薬物界隈ではあのゲームは話題らしいです」

「あの天使の贈り物?数字をくれるんだっけ?」

「はい、それが何を意味するの不明ですね。

解読出来た奴はポーション独り占めですから、その手の連中は血眼になってますよ」

「半グレだけじゃ無くて893業界もピリピリしてますね」


食後のコーヒーとケーキを食べながら天使の贈り物の話しをする。

「資料屋さんではそれ調べてるの?」

「はい」

「何で?それはマトリの仕事でしょ?」

「もちろん厚生労働省の麻薬取締部も動いています」

「じゃあなんで?あっ、言っちゃまずいのか?」

「いえ、室長から許可出てます。図書館の方は問題ありません。実は悪意の残り香、残滓(ざんし)が見られるのです」


「どこに残ってる?数字のメモ?容器?」

「ゲームです」

「はぁ?、いや昔さぁ呪いのビデオとか手紙もあったけど・・・それはさぁ・・・」

「そうです、ビデオ・手紙の本体に穢れや未練を付けてました」

「“物”に付けたんだよね」

「物ですね」


「ゲームソフトじゃなくてダウンロードデータになんて可能なのか?」

「完璧では無いようですが・・・考え的にはウイルスみたいなものらしいです」

「それは一種の細菌兵器では無いのか?」

「はっきりと認識されていませんがそうだと思います」


「核兵器と同等かそれ以上だ・・・これはかなりヤバい案件じゃないのか?」

「です、ただ現時点ではかなり弱いのです。その残滓がプレイヤーに直接的に強い攻撃をするのでは無く、ごく弱い“執着”程度です。とは言えサブリミナルよりは強く作用します」


「それは?ゲームをやりたいと言う強い執着?」

「強くは無いです。このゲームやってみるか?と購入時に少し影響及ぼす程度です」

「へぇー」


事務所まで帰って車を乗り換えて、「明日は中華でお願いします!」と言い残し2人は帰って行った。


スマホを充電しツナギと下着を洗濯機に放り込み、洗剤を計って居るとスマホが震える。

洗剤を洗濯機に入れ手を拭いて出ようとすると、着信が止み手前にあった事務所の電話が鳴り急いで受話器を取った。



















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ