第93話 またね
ヒマワリ 目線の話です
「ヒマワリさん!いーい?私は食べ物の鶏肉よ!食べられる!脂乗り最高のキジ!!めっちゃ美味しい!!だから。。。だから!今からバイノホルンで大きくして!はやく!!」
ミアちゃんからの訳のわからない矢継ぎ早なオーダーに流石に戸惑う。
「えっ?えっ?!どう言う事?」
「早く笛を私に吹きなさい!!」
捕縛の鉄鎖という魔法に縛り付けられた足をそのままに、首から下げたホルンを服の中から取り出す。
キジの着ぐるみを着て焦りながら空を見上げているミアちゃんだったが、今にも降り注ぎそうな尖った石を止める方法を思いついたのかと思い、指示通りにバイノホルンをミアちゃんに向ける。
食べ物にしか有効じゃ無いこの笛では何にも出来ないと思っていたんだけど、
「プオーーーン!!!」
どうも信じれば効いたみたい。瞬く間に大きな翼を持つ怪鳥に変身したミアちゃんは足の鎖が取れるとすぐさま羽のように見える腕を広げて落ちてくる無数の石の傘となり私たちを守る。
「プロテクトオール!鉄壁!!」
ブスブスと背中に尖った石が当たる音がするが、大きな鳥の姿でピスタ君と私は助かっていた。
やがて石の雨は止みミアちゃんの形に戻ってばたりと倒れた後、徐々に体が石化していく。
あの目玉の魔道具だ。あれを直視したミアちゃんは石になっていく。
すぐさま近寄るピスタ君は必死で回復魔法と解呪を唱えて傷を治しているが石化が止まる気配は無く、傷の修復が先か、全身の石化が先かわからない。
コワい。死ぬのが怖い。でも5歳も年下の子供達が必死でもがいてるんだ。何か出来ることは?
「ツララ!!!!」
馬鹿の一つ覚えの魔法を放つ!数えきれないツララがディスポと呼ばれた男に向かって飛ぶが、
「ウルサンダー!」
一番偉そうな敵が遠くからツララを相殺する様な魔法を放ってきた、
相性の問題なのかツララは水蒸気をあげて消え失せる。
するとその敵がこう言った
「ディスポ、しくじったな!手間かけさせんな、猿は石化だ、それ以外は殺せ。」
「フレイ様、申し訳ありません!!今すぐに片付けます!」
「ツララ!」
「??!!ステータス!」あれ?魔法が出てこない、そっかもう魔力が底をついたのね。ステータスを見ながらMP 0 INT(魔力)にポイントを使えばまた魔法が出せる、でもこの魔法は相手には効かないよね。
だから、残る希望は君だけ。
私のすべき選択はピスタ君を守る事。
石化の身代わりにならなきゃね。
咄嗟に動かした足がもつれない様に気を付けながら目的地まで走る
ピスタ君に向かってディスポって人が向けて来たメデューサの瞳と呼ばれる魔道具を凝視する。
途端、体が鉛の様に重くなるのを感じた。彼の方を向く為無理矢理体を捻り口を開く。
声を、ミアちゃんの様に声で伝えなきゃ。お姉さんらしく笑顔で。
ピスタ君、いつか助けて欲しいな。
「またね。」




