第92話 大きなキジ
ナーガ視点の話です。
「お前はこのままナーガ大森林の主としてプレータの守護者を続ければ良いだけだ、素直に聞くならば石化はせずに野放しにしてやるぞ?
ぐちゃぐちゃに潰されるわけじゃ無いんだ、石化の方が人道的じゃ無いか?」
そんな甘言に乗る程、我は若造じゃ無い。
「ヘビに向かって人道的とはな。シュウヤの中身はまるで変わっておらんな。
今は福音教会の最高司祭フレイだったか?人を見下す癖まで昔のままとは、お前が不老と不死を選ばなかった理由はサンサーラか?」
「煩わしいヘビだな。最近の周回じゃ強い敵がいなかったから、戦闘系のステ振りは最低限でさぁ。」
たわけが、我とお前の部下が同等の力で拮抗している時点でお前も既に化け物だろうに。
「リュース!!蛇を頼んだ。俺はプレータを取りに行く。
おい!ディスポ!!いつまで動物達と遊んでるんだ!!」
フレイは我の相手をリュースと呼ばれる従者に我を任して宝具を奪いに足を進める。
目の前にはグラスがナイフを抜いて構えていた。
「フレイ様!どうかご助力を!」
ディスポと呼ばれたもう一人の従者はちょこまかと動き石化を避けるピスタ達に足止めを喰らいフレイに助けを求めた。
「あーあ、わかったわかった!まずは、捕縛の鉄鎖!!ほらよ、ニードルレインを詠唱するからさっさと片付けろ。」
フレイは地面から黒い砂の鎖を出してピスタ達の足に絡め足止めした後、すぐさま大きな魔力を練り出した、
「範囲攻撃がくる!!離れろぉ!」
捕縛の鉄鎖は簡単に壊せる【こけおどし】の魔法だが知能の低い魔物には十分利用価値のある拘束魔法だ。
流石に生活魔法のクリーンや物理攻撃で解除できるのは有名なはず。
すぐにでも解いてその場から離れてくれ!
みるみるうちにピスタ達の上に小さな粒が集まりゆっくりと鋭利な形に魔力によって変わっていく
しかしピスタ達は焦ったのか、そもそも解除方法がわからないのか捕縛の鉄鎖から逃れる様子を見せない。
固唾を飲んで空を見上げるピスタの横でミアがヒマワリに何かを必死で話している。
一方リュースと呼ばれた戦士の攻撃が止まない。ピスタ達に拘束解除を伝えねばならん状況で、絶え間なく攻撃を仕掛けてくるかなり手だれの様だ、助けに行けないもどかしさが焦りを産んだ。
「痛っ!」
咄嗟に払い除けた斬撃は尾の先端を奪って切り口から血を吐き出させる。
その瞬間ミア達の方で大きな笛の音が鳴り響きすぐさま視線をやると普通の3〜4倍の大きさのキジがニードルレインから彼らを守る様に羽を広げていた。
フレイが指示を改める
「優秀なパーティだ。まず先にその邪魔な鳥を石化だ!」
「は、はいっ!」
ディスポと呼ばれた魔道具使いはミアの方に石化の目玉を向ける。
「やっと、ピスタ君の役に立てた。」鳥がピスタとヒマワリにそう伝えると同時にミアの形になり、前方に倒れて石化が始まる。
「ゔっ!ピスタ君遠くへ!!逃げて生き延びるの!!早く!!」足から徐々に固まるミアを見てピスタとヒマワリは絶句していた。




