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第87話 祖霊の宝具 プレータ

「いやはや人と話すのは何年ぶりなのだろうか。よくぞ辿り着けたものだ。さて。」

またナーガは尻尾を優しく地面に落とし僕らが降りる準備をしてくれたので、そのままに従う。


「ミアよ、お主からゆこう。プレータの導きのままに。」

大きなヘビのナーガは宝具の木と呼ばれる木に埋め込まれた宝石の様なモノに鼻先をコツン当てた時ナーガさんから澄んだ鼻歌の様な音が聞こえた。


すると当たった先の点から木をくり抜く様に、奥に広がる様に青白い空間を生み出した。


「えっ!何これ!すごーい!!なんだかあったかいね、ナーガちゃん!入っていいの!?」

「うむ。好きなだけ話すといい。」


「話す?ま、とりあえず行って来まーす!」

ミアちゃんは楽しそーに浮かれて空間に消えていく、どのくらい奥行きがあるのか入った瞬間にすりガラスの様なモヤがかかりミアちゃんがボヤけた。


「今更だけど大丈夫なの?あ、僕はピスタ。カワイイ盛りの10歳です!

で、ミアちゃんはどこに行ったの?」

「すぐそこにいる。今は誰かと話してる。」


「誰かって・・・。」

「祖霊の宝具プレータ。その役目は祖先との対話。

ぬしらの必要な知恵や知識を今の時代に繋ぐ。

時を超えた接続の宝具。」

グラスとヒマワリさんはびっくりした目でそれを見つめていた。なるほどこの宝石が宝具なのね。


暫くしてミアちゃんがボヤけて見える様になり、空間から出て来たのだが、

「ピスタ君。」2、3歩歩いて僕にうわーんと言葉にならない声で泣きながら抱きつく。

「えっ?ちょっと待ってミアちゃんあの中で何があったの!?」


「私もっと頑張るね!!ナーガちゃんありがと!!」

ミアちゃんはそれだけ言うと僕から離れて木漏れ日の

あたる木の下で寝転び、空を仰ぎながらニコニコして涙をこぼしていた。


「次はその桃色の髪の女、名は?」

「はっ!はい!ヒマワリといいます!!」

緊張感MAXのヒマワリさんはまだ15歳だが返事は軍隊のようだった。


「中へ。」

キョロキョロとビビりながらも言われるがまま足を進めるヒマワリさんはボヤけて徐々に見えなくなっていく。


「あ、あのナーガ殿。」そう話し出したのはグラスだった。

「どうした?」

「私はグラスと申します。

まずこちらから先に伝えておかねばならない事をお話しさせてください。」

神妙な面持ちのグラスはそうナーガさんに伝えると

「ふーっ。」といいつつ決心の睨みを見せた。


「グラスよ、言え。」


「恐らくここに我々を殺しにくる者が現れます。」

「ふむ。敢えて我に伝える理由は?」

案外落ち着いてるな。


「あっいや、はい。私は先日まで成功の宝具ファラの使い手であり、オムグ商業国家の国王を務めておりました。その宝具の見せた絵がこのナーガ大森林での死闘でございます。相手は」


「勇者か。」

「勇者???申し訳ありません、勇者かどうかは・・・。

私の知る情報では福音教会最高司祭、名をフレイと言います。」


「なるほど、ヒトクの次はフレイか、20度目の転生の先に未だ望む欲は何なのだ!!

名を変え形を変えてたびたび我を呪いにやってくる奴は!!よもや呪われているのは奴のほうぞ!!」


だんだん怒りを露わにするナーガさん。よっぽど嫌いなんだろうか?にしても


「ナーガさん!どう言う意味ですか?さっぱりわからないです!!」僕は言葉の意味の理解に急ぐ。

多分大事な話なんだろう。ナーガの様子がさらに怒りに満ちて来ている。

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