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第86話 ナーガ大森林

ウルオーガを倒したその先、しばらく進むと柔らかい光が見えた。


ついにダンジョンを無事抜けた、その先にあったのは青々と木々が生い茂る森だった。

「これがナーガ大森林。」

グラスが感嘆しながら呟く。


「あの木を目指すの?」ミアちゃんがグラスに問う。

見上げると木の隙間から見える堂々と立つ一本の巨木。


「恐らくは。」

僕らは警戒しながら歩みを進める。


たくさんの生き物がひしめく森で不思議と魔物には出会わなかった。巨木がどんどん大きくなってくる。

「大きすぎて距離感が掴めないなぁ。」

すると急に空気が変わる。

何者かがどこからか大きな声をかけてきた。


「ここに人間が来るのは久しぶりだな。何用だ?」


空から語りかけられる声に目をやると巨木の一部と思っていた幹に巻きつく様な木が、実はものすごく大きなヘビがいたんだ。


「ウルスネーク?!いや、そんなんじゃ効かない大きさだ。ピスタ君、一旦引くか?!」


「いや、話せそうだけど。今まで魔物って会話できたかな?」


「そうだよ!グラス、質問に答えてあげてよ!」

再度見上げると顔が近づいてふたつの目でグラスを見つめてベロを出している。


「う、えっと、すまない。私の名はグラス。宝具プレータを求め外界より参った。そちらはナーガ大森林の主であるか?」


「ナーガ大森林の主?ナーガそのものだが。プレータを求めて来たと?」

ヘビは適当に答えてコチラを注視したままでいた。


「ふむ。攻撃を仕掛けてくるわけでも無く、理性的な会話も可能。お主ら、勇者では無いのか?」


「えっ?勇者?」

??

「勇者なら会話もせずに殺しにかかってくるみたいな言い方ですね?」

僕は恐る恐る質問をしてみた。


「ふふっ。ははははは!!」急に笑い出す大蛇。

顔を見合わせるも純粋に楽しんでいるような笑い声に不思議と敵意を感じない僕ら。


「なんと!では客人だな。背に乗れ。宝具のある木へ向かおう。」

「宝具!!」グラスが声高に反応した。

「目的はそうであろう?」

タラリと尻尾を垂らして僕らを背に招く。


あまりにも理性的なヘビに驚きつつも優しい話し方だからだろうか不思議と嫌悪感は無い。


「そーなの?どんな宝具があるの?あ、みんな!

乗せてくるれるって!!行こうよピスタ君!」

適応力抜群のミアちゃんはノリノリだが、罠かもしれないと警戒を解かないまともな3人は慎重に足を運んだ。


「む、そうだの、振り落とされぬよう鱗を掴めるか?」


「はーい!こうかな?うわぁ!おっきーウロコ!!すごいね!私はミア、あなたのお名前は?」

もはや怖いモノ無しのミアちゃんはグイグイ質問する

「名か、ナーガ。ただのナーガだ。」


「その、まずは挨拶せねば、ナーガ殿!ナーガ殿!!」


「なんだ?」

「急いてすまぬが、何と対価に宝具を使わせてもらえるのだ?」グラスが顔色を窺うようなもの聞きで質問するとナーガは


「対価?そんなものが必要なのか?世は未だ動乱の最中なのか?」

ウロコを掴んだまま口を開けてるグラスに

「よかったじゃんグラス、宝具無料開放デーだってよ!」と言ってあげる。


しばらくすると木が減り草原の中心に聳える様に荘厳と立つ大きな木の前に辿り着いた。



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