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第82話 成功は敗北?

「DP交換。恐ろしい。斯様なスキルが簡単に取れるとは。」


「私もドロップを変換したら凄いポイントになっちゃいました!!」ヒマワリさんも嬉しそうだ。


ミアちゃんが嬉しそうにつられて笑顔になって

「それはねヒマワリさんの強化でもスキルにでも使って良いんだよ。みんなが【DP交換】を持ってて好きな事にポイントを注いで楽しい人生を過ごしたら良いのにね。」


「そうだね!」

「いや、これは非常に危険なんだ。ピスタ君、この事を話した者や既に取得している人間は他にいるのかい?」


「?えとね、ここにいる4人とまともに聞いてくれなかった村の人。あと。」

ミアちゃんを見ると目だけ笑いながら少し視線を落とす。

「4人、だけだね。」


「誰か心当たりが?」


「いや、うん。もぅさ、もういないんだ。

もう1人は僕の為に死んだ兄ちゃんだよ。」


グラスは眉を垂れ僕を見る。

「すまない。だが、君たちの様に善良な人間が全てでは無い。

おぞましい悪意が我先にと強いスキルを取り合った結果生まれるのは力による争い、そして勝ったものによる支配だよ。


強い者は弱い立場の者からしたら悪魔でしかなくなる。」


そーなんだけどさ、

「それでもさ、グラスはそれでも、その力を人の幸せに使うと思うよ。この前の言葉が嘘じゃ無かったらね。」


「そうだよ!力が強いとか、頭がいいかとかの前に、ちゃんと人間かどうかだよ!だからブブト様は様付けなの。」


だったらグラスも『さん』ぐらいつけようねミアちゃん。僕の事も呼び捨てだけど。



暫くグラスが下を向く。

「ここまで私を信じてくれた君たちを失うのが、今になって惜しい。

このままだと君たちにとっての成功は単なる敗北になる。」


?どう言う意味だ?僕の言葉はともかく、ミアちゃんの言葉は確かにグラスに届いた様に見えたんだけどなぁ。


オドオドしたヒマワリさんが

「グラス王、このお二人の成功をお知りになったのですか?」


ようやくグラスを元王様だと理解したヒマワリさんはそんな質問を投げかけた。


「あぁ。成功の宝具、ファラで見た

ミアちゃんの成功はピスタ君を守る事。」

そして、

ピスタ君の成功はミアちゃんを守る事。」


「・・・?え? それは別に成功するなら問題では無いよーな。

何かに襲われる事前提の話だけど、良いじゃん、お互い成功するなら、だからこそ宝具ファラの導きに従ってここまで来たんでしょ?」


「ここに来た理由は王都から離れる為だ。」

グラスは下を向いて呟くように話す。


??離れる為?

「なんで離れるの?何に襲われるか知ってるの?私達の成功はどこにあるの?」

と矢継ぎ早にミアちゃんが質問した。


「福音教会最高司祭フレイ。恐らく奴に襲われて君達はその後、殺される可能性が高い。

それを避ける事が2人の今一番直面している成功かあるいは不成功なんだ。


少しでも遠く奴から離れた場所の方が長く生きられる。が、見つかればどのみち。」


「・・・。」


黙りこくってしまった僕らを見兼ねてグラスが話す。

「まずはナーガ大森林に行く事をだけを考えよう。普通なら奴らは同じ道を追ってくるはずだ。」


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