第80話 2人乗りじゃ無かった。
「石が動いてる。」
「アイツがゴーレムか。グラス、一応聞くけど鑑定出来ないの?」
「ざっくりとしか、属性まではわからない。ウルゴーレム、うっ、ウルゴーレム!?!!やばいぞ勝てるのか!!」
まさかのウル系かぁ。僕らは遠目に見てもでかい岩の塊ゴーレムがドスドスと通路を歩いている姿を見つけた。
「流石に戦わないとわからないよぉ。初めてだもん。ちょっと質問だけど上位種並みに強いのにスパとかウルとかつかない魔物は更に上がいるってこと?」
「いや、ヌーラや君たちの倒したクロコシャークなんかはユニークモンスターじゃ無いかと言われているな。それ単体でウル並みの脅威を持つ魔物だ。
ピスタ君、怖く無いのか?」
「いや、怖いっちゃ怖いですが、」
「その割には落ち着いてますね。」ヒマワリさんはちょっと機嫌が悪い。胸を触られたからだろう。
「まぁまだあちらに見つかってないし、作戦を練る余裕があるからさ。昔の人はこう言いました。
『勝敗は始まる前に決まる』ってね。」
「どう言う意味なんだ?」
「さぁ?昔の誰?」
僕も詳しく知らない。
「まずみんなの一番使えるスキルを言い合おう。じゃあミアちゃんから。」
「はいっ!ウルウォーターとウォーターアロー!」
「次、グラス元陛下!」
「ええー!!そうなんですか!?ほんとに?!?」
ヒマワリさんが騒いでいる。
「鑑定と怪力あとはちょっと性能の良い武器。」
「はい。ヒマワリさん。」
「あ、えっとツララを覚えました。使った事ないです。あと2乗っていうユニークスキルでしょうか?」
「えっ?ヒマワリさん2人乗りっていう、なんか乗り物系の変わったスキルじゃなかったの?数字の2と乗一文字?」
「うむ。まちがいない。知っているのか?」
グラス、あんたの情報伝達ミスだぞ!
「それってニジョウって読むんだよ。合ってたらえげつない効果が期待できる!あっ!だから4倍の食べ物になるのか!あっ!POW+25のナイフが+625!!」
「意味わかんない。説明してよ。」
ミアちゃんややおこ。
「2乗ってのは2人乗りじゃ無くて同じ数字を2回掛け算する事だよ!例えば僕が投石で5個の石を投げるでしょ?それをヒマワリさんがしたら何個?」
「5個でしょ?」
「25個だよ!とりあえずやってもらおう!」
しかし、すぐに実験するも
「あれ?5個だよ?」
「スキルじゃないと発揮しないのか?確かにバイノホルンもスキルを閉じ込めただけの魔導具だしな。」
グラスさんの説明は的を得ている。
「じゃあツララを使ってみたら?」
「そうしよう。」
「ヒマワリさん壁に向かってツララを唱えてみて!」
「わかりました。ツララ!う、うぅ。」
ごっそりMPを持ってかれてふにゃんとへたり込むヒマワリさん。
すると次の瞬間壁一面にすぐには数えきれない多量のツララがぶっ刺さっていたんだ。
全員で顔を見合わせる。
「通常10本が10×10の100本になったって事で良いかな?」
冷や汗をかきながらグラスがそう質問してきた。




