第78話 イモタロウ
「やっと凍え山ダンジョンに行けるね。あんな敵がゾロゾロいたらダンジョン入るほうが難しくない?」
と質問するとグラスは
「あぁ、ヌーラは今の時期山頂からここ入り口を徘徊する魔物で、数年に一度、麓あたりまで攻めて来る習性だ。
なぜかダンジョン内部までは追ってこないから、入ってしまえば戦わずに済む。
なのでヌーラの目を掻い潜った冒険者達にある程度攻略もされていると言う報告も受けている。」
「そうかぁ、洞窟は嫌だから山登りしてナーガ大森林だっけ?そこにいく方法があればなぁと思ってたけど。むずかしいかな?」
「実際ヌーラを倒したから無理ではないが、あと何匹いるのか見当もつかない。
そして上の方の吹雪が止まないのを見ると登るだけでもかなり厳しいと思う。」
「中の敵はヌーラより弱いの?」とミアちゃんも質問。
「初めは弱い。
現在内部は3層まで発見されていてゆっくり斜めに降りていく洞窟だそうだ。
入り口から第1層、ヌーラなんかに比べたらまぁ弱い敵だがギルドランクC程度は要求される。
多人数でパーティを組めばランクDがいても対応可能なエリア。
第2層は安全エリア、なぜあるかは不明だが、敵が沸かない場所がある。
ラジル邸の庭くらいの広さだが、先人達が物資を搬入したお陰で寝泊まりできると聞いている。
現在発見できている最深部は
第3層 鉱物エリア、ゴーレムが鎮座していて環境だけ確認されたまだまだ未踏破のエリアだ。」
「そもそもほんとに凍え山ダンジョンはナーガ大森林に繋がっているの?」
「おそらくとしか言えないが。福音教会の経典で洞窟を抜け大森林に到達した記載があったんだけどそれが凍え山ダンジョンか、ガルマン帝国側の洞窟かどちらかと言われている。」
「あった!えー!それっておとぎ話じゃなかったんだ!!」ミアちゃん大興奮である。
「冒険者の目的は?ほら、だって危ない思いして勝てない敵を見てさよなら。じゃないよね?」ミアちゃんも隣でうんうんと頭を縦に振る。さすが対価がないと動かない派代表。
「その経典に鉱石エリアでミスリル鉱石が手に入る記載があったんだよ。いまでも少なからずミスリルを採取できている。」
「ふーん。」
なるほどと思っているとヒマワリさんが
「全然話がわからないのですが福音教の経典ならうちにあるのでよく読んでましたよ。ミスリルを拾ってゴーレムを倒して、確か出口に近づくとオーガがいたんですよね?」
「そうだ。頭にツノが生えた亜人。」
「マジか。」
「あー、そんな話あったね!!ん?ピスタ君、オーガみたことあるの?」
「いや、無い。無いけど知ってる。これじゃまさにイモタロウじゃん!!」




