第73話 ヒマワリ
「お願いします!私とパーティを組んでください!」
急に声をかけられた、振り返るとピンク色の珍しい髪の女の子が僕らの方を涙目で見ている。
「え?僕らの事??」
「はい!さっきナーガ大森林に行くって聞こえて、」
あまり大きな声で言わないで欲しい。周りの冒険者達に笑われる声がする。
ある冒険者は
「おいおい、まだ王国軍がヌーラの討伐を開始してねーし、凍え山ダンジョン踏破が出来てねーからナーガ大森林なんてのは夢のまた夢だぜ!」と忠告をしてくれた。
ごもっともです。ヌーラってなに?
「あたなは??」とミアちゃんが質問すると
「私はヒマワリ。」
「ヒマワリさん。えとね、私たち危ない仕事をしてるの。危ない奴らと。」
周りの冒険者の視線が僕に集まる。焦って横にいる犬の姿の四つん這いのグラス王を見るとプイッとそっぽをむかれた。
「え、っと、ヒマワリさん?そんな危険な場所に行くって言ったらお父さんとお母さんがが心配してるんじゃ無いかな?」
「親は食堂を経営してて、その親に頼まれたの。うちの家宝を私に託されたんですけど、ナーガ大森林に行って笛を吹かないといけないの!」
「待って待って!話が見えない。笛ならどこでも吹けるよ!なんでナーガ大森林なの?」
「えっと、食堂を開く時に昔の王様から与えられた魔導具があるの。食べ物にしか使えないんだけど、
それを使っていい代わりに王様の言う事を聞く約束をしてて
一つはヌーラが攻めてきた時に前線を支える補給役を買って出る事。
もう一つが犬とサルとキジが協力してくれる中でナーガ大森林で笛を吹く事なの。
それでね、
さっきお客さんがすごい速さで走るその3匹を見かけたって噂してて。」
何ちゅー変な話をしてるんだよ!
お前か?グラス!お前の宝具の助言か?!
また犬を見ると両手を広げて さぁ? のポーズ。
犬はそんなポーズぜってーしねーからな!!
「事情は薄っすらわかった。」
「私も薄っすら。」
「でも僕らは犬しかいないんだよねー。って事で、頑張ってください。バイバーイ。」
すぐにギルドを出て裏道に入る。
「!あんな女の子を危険に晒してナーガ大森林笛を吹く?!何であんな変な助言したんだよ!!」
もはや元王様だからってグラスを敬う気すら起こらなかったが、グラスはフードを脱いで人間に戻り。頭に手を当て悩む様に考えながら
「その助言は私ではない。先代の王の誰かだ。」
と冷静に答えた。
「ごめん私もちょっとグラスさんのしっぽを踵で踏みそうだった。」とミアちゃん。擬態解除されるだけだよ。
「ピスタ、ミア、あの子を連れて行かないか?」
「えぇー。・・・一応理由を聞こうかな。」
「ファラを信じるならば笛こそが成功の鍵になる。それを持つ人物じゃないか?」
「なるほどね。ふーん。
で、グラス、あんたの成功ってなんだ?」




