第72話 モモタロウと言いたいのに
盛大にむせてしまった。ポップが食べないので珍しいフルーツのバナナを勢いよく食べながら話してたら
「そりゃ、い(ヌ サル キジとくれば)、ゴホッゴホッ!も ゴホッ、たろう(桃太郎)だよ!」
桃太郎と言いたかったのに水、水!
それを聞き間違えてかラジルさんが
「イモタロウ?」と聞いてくる。まだ咳き込んでる僕を置いてミアちゃんが
「何だかピスタ君が知ってる絵本の物語でモモ?イモ?から産まれた子が、犬とサルとキジを連れてオーガ退治に行く話をされたんだけど、犬とサルとキジって倒してもドロップしないの??魔物じゃないって事?」
「ドロップしないのは魔物じゃ無いわよ。ぺットにするにはその3匹がメジャーよね。だから子供用の服とか着ぐるみはその3匹が多いかしら。私の着ぐるみパジャマまだ残ってたのね。」
「ももたろうだよ!」
水を飲んで会話に復帰出来たぞ!
「この着ぐるみで凍え山ダンジョンまで行きまーす!」
「ナイスアイデア!よっ!イモタロウ!!」
「や、だからモモだって!」
「陛下、本当にこの2人で大丈夫なの?」
部屋に入ってきたグラス王は苦笑いしながら
「結構不安。」って言ってた。
「王様は犬とサルどっちが良い?と、その前にこのスキルオーブ、取ってきたんだ。ミアちゃんと僕で結構頑張って3つ確保したから1つあげるよ!」
「スキルオーブをかい?!王様はもうやめてくれ、グラスと。で、そのオーブの中身は何のスキルなんだ?」
「それはね、イダテン!明日には凍え山に着く予定だよ!」
王様のびっくりした顔がわすれられないぜ!
「凄いなこの子達は。」
翌日、僕らは風になっていた。
「グラスー!犬は二足歩行で走らないよ!」
と早速呼び捨てでキジの姿のミアちゃんに注意される。
「それを言ったらサルもだろ?」
僕がイダテンの出来る世界初のサルです。
そこそこシュールな動物軍団は色んな人に見られながら地図通りに進み、強敵や盗賊もスルーして凍え山の麓の小さな町までやってきた。
町の名前はルイス。
冒険者のCランクカードを見せると顔パスだったね。
王都ではグラスのテコ入れと実績で昇格依頼をせずにCランクまで上げてもらえた。
グラスは犬のまま僕らは早めに擬態解除して服をラジルさんからもらった丈夫なリュックに入れる。
ルイスの町はダンジョン攻略の冒険者に人気で、ダンジョンこそがいわゆる地場産業だった。
「グラス、冒険者ギルドの登録はしてるの?」
王様からのお願いで僕らは呼び捨てにさせてもらっている。
「ああ君らと同じCランクで無理言って作ってもらったんだ。」
「あんまり喋ると偽装解除されるよ。
凍え山ダンジョンをそのまま突っ切ってナーガ大森林いくなら依頼は受けない方がいいかな?」
「そうだね、見るだけにしよう、どんな魔物がいるかは出来るだけ知りたいし。」
そこで後ろから声をかけられた。
その子は必死の形相で懇願してくる。
「お願いします!私とパーティを組んでください!」




