第69話 キジ
「グラス王はMAXレベルの鑑定のスキルを持ってたんですね。」
「それはできるだけ内密にね。」とラジルさんは返事した。
鑑定のスキルもいつかは取りたいなぁ。でもレベルがあるスキルはコストがかかるんだよなぁ。
「グラス陛下の後任のサンドラ様は、スラムからあまりにも景色の違う王宮に入った為、なかなか時間がかかったそうですが、3年間、
グラス陛下と共に政務にあたりようやく自発的に独り立ちを口にしたそうで、やっと肩の荷が降りたのでしょうね。
同じスキルを持つ物同士で仲は良かったそうなので心配はしていませんでしたが。」
と帰りの馬車を操るエンドゥさんが後ろの僕らに向かってそう話す。
ラジルさんが真面目な顔になる
「グラス様はまもなく私の屋敷に荷物を運んで引越しするらしいわ。」
「えっ!ラジルさんとグラス王はそういう関係??」
「いいえ、グラス王はもともと私の家に住み込みで働いていたの。」
「マジか!だから何となく距離が近かったんだね!」
「住み込みする前はあんまり話したがらないけど、酷い両親でね。毎日辛く当たっていたみたいなの。でもある日、父親と母親に鑑定で見た時、同じ状態異常がかかってる事に気づいて、程なくして2人とも殺されたか死んだらしいって。」
「どんな状態異常なの??」とミアちゃん。
「魂の束縛って書いてあったそうよ。聞いた事ないし子供の時の話だから本当かどうかわからないけど。」
思わずミアちゃんと顔を見合わせてしまった。
「それ、僕ら罹ってる人を見たことあります。」
「私のおとうさんも。」
「えっ!!ほんとに!?」ラジルさんが元々大きい目をさらに大きく広げ僕らを見やる。
僕らは首を縦に振り、
「アルフ神聖国に行った事があるのかな?聞いた話が正しければあの国のトップ教皇イルミナが魂の束縛をかけてるんだ。魔法か魔道具かはわからないけど。」
「すごい情報ね、グラス王に聞いてみましょう。それよりも、福音教会の最高司祭フレイが探りを入れて来たって事はグラス王が何かするって勘付いたのかもしれないわ。
運良くセントの街を目指すらしいから早く準備しておかないと。」
「ブブト様達無事だと良いけど。」と洩らすミアちゃん。
「そうね、私のせいで危険に見舞われるのは申し訳ないわ。あ、ギルドから伝書キジが飛んでるから身を隠してセントから離れてって伝えとく?」
「伝書キジ??ハトじゃなくて?」
「そんなサービスあるの?」
「元々キジが起源で地上を選んで進化したのがカケッココケッコで進化をせずに空を選んだのがキジらしいわよ。」
確かにカケッココケッコってニワトリには見えないんだよなぁ。ニワトリっているのかな?
「屋敷に帰る前にギルドに行きますか?」エンドゥさんの声が聞こえる。
「ええ、そうして。」
ギルドで手紙を書いて伝書キジに託したラジルさんは少し不安が和らいだ様な顔つきになり、
「まずグラス王と合流しましょう。」と話していたが、僕はギルドについてから依頼ボードを眺めていて面白そうな依頼を見つけた。
【スパトレント討伐】
ハーピィ平原を避ける為に作られた街道で目撃されてギルドからの討伐依頼になったらしい。ギルド依頼は結構良い金額を出す事で有名だったはず。
でも気になったのはそこじゃない。
【注意!火気厳禁、擬態が得意。】
「おーこれは面白そう!ミアちゃんどう思う?」
するとミアちゃんは鼻をスンスンして依頼用紙を見ながら匂いを嗅ぎ出した。
「お金の匂いがするね。」
違うよスキルゲットのチャンスだよ!




