第57話 火付け役
僕らは程なくしてギルドのカウンターに来ていた。
オムグのギルドは受付が5個もある大きなギルドで、冒険者達がごった返している。
僕らはコソコソとすいている受付に並び、半日で終わる様な簡単な依頼を受けようとしたんだけど。
「おーっと、おチビちゃん達、来る場所を間違えたんじゃねーか!」
と案の定見かけだけで厄介な冒険者に絡まれた。
真ん中が禿げてサイドの髪がもわっと膨らんだおっさんだった。
今回はブブト様の様に良い人では無さそうだ。既に僕の足を軽く踏んできてる。臭そうな靴だから早くどかしてほしい。
「あの、僕らでもできる仕事を探してて、」
した手に出てやり過ごそう。
「へー、一丁前にクエストを受けんのか?俺たちの稼ぎが減るから考えてほしーもんだぜ。」
「兄貴!だったらあれなんてどうですか?」わかりやすい腰巾着が近くのクエストボードから1枚の紙をペリッと剥がして持ってきた。
「おっ!良いんじゃねーか。お前らにはこれをやろう!」
「え?まだ僕ら文字を全部読めないんですけど。」
「じゃあ先に受け付けさせてやるよ!受付嬢によんでもらいな!」
いや元々僕らの方が元々先なんですけど。
後ろから「うひひひ」とか聞こえてくるけどとりあえずギルドのお姉さんに聞いて無理ならやめよう。
「すいませんなんか禿げてるオッサン冒険者にこれ勧められたんですけど、どんな内容か細かく教えてもらえますか?」
オドオドした受付のお姉さんは
「えっ、えっとー、え?!これってDランク依頼ですので、駆け出しのEランクはちょっと、、、受けれないわけじゃ無いですが、かなり難しいかと、今人気なんですが失敗する冒険者が多くて。」
「あ、大丈夫です僕らDランクなので。」そっとカードを出す。
「そうなんですか!?そんなに若いのに!?あ、確かに。でもなかなか難しいですよ、ハーピーのもも肉の確保。」
「あーーー。。。わかりました。やります。えっと納品数の指定は?」
「ええー。この人全然忠告聞いてくれないんですけど。」と隣の職員に愚痴をこぼす。
「大丈夫です。何だったら火付け役ですので。」
「は?いえ、失礼。わかりましたどうぞ受けて下さい。私は注意しましたからね。この依頼用紙だと残り3日ですが、納品数は最低3つです。
依頼失敗の場合ペナルティもあり得ますので迷惑のかからないうちにご報告下さいね!」
半ば諦め気味の受付職員は紙にハンコを押して僕らの名前を確認し依頼用紙の控えを渡してきた。
笑われながらギルドを出る。ミアちゃんは早くも涎を拭いているぞ、イライラしてる暇は無いね!じゃあ早速行くか!
「スタミナがカスッカスで全然無いピスタ君は平原までどうやって行くの?」
言い方に悪意は無いか?
「ブブト様達と行った【コケッコの最後】。
街の地図が欲しいなぁって言ってたら、街周辺の地図には変わらないんだけど肉を落とすモンスター分布図を店長さんからもらったんだよ!」
僕は地図を広げ出す。
「何その【コケッコの最後】って。」
ミアちゃんは顔を顰めて僕に質問をしてきた。
「ハーピーの唐揚げ食べたお店だよ!!え?!待ってミアちゃん店名知らずに食べ散らかしてたの?!」




