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第53話 祖霊の宝具プレータ

王様は僕らを見ながら

「荒唐無稽に聞こえて不思議と全てに辻褄が合う話だ。」

先ほど笑っていた人は

「まさか陛下!この小さな子供達がその【アブソーブ】と言う魔法を使えるとでも?!」


なんか側近のおじさん全然信用して無いなぁ。横を見るとミアちゃんも膨れ顔だ。


王様は

「ウソか誠か、ここで証明してもらおう。海を凍らせてきたんだよね?ラジルに出した冷たいお水を出せるかな?」

と聞いて来たからミアちゃんが

「私が出すわ。」と言ってバックからコップ二つを出してウォーターと唱えて僕に手渡してきた。

それを持ってアブソーブを唱える

ミアちゃんがボソッと


「どうせなら王様用に冷たい水と、笑った人用にカチコチの氷を作ってあげて。」と言ってきたので魔力の込め具合を調整して


「アブソーブ!どうぞ。」

手渡したコップを見つめてから家臣の持つ解毒ポーションを確認したのか一口飲む王様。

「うむ確かに冷たいな、これは、大臣が失礼した。どうした?飲んでみよ、喉に心地いいぞ。」

隣の飲めないコップを見て驚きのあまり固まった大臣が。

「いや、あの、・・・申し訳ない。」


「ハハハハ!!となるとやはり、君達は神聖国の強化魔導兵か?」

口元は笑っているが目線はキッとこちらを向いてそう質問してきた。もうそこまでの考えに至ってらっしゃるのね。


「いえ、同じ質問を何回か聞かれたんですが、

そもそも僕らは本物の強化魔導兵を見たことがないので、これからそう育てられる予定だったのかもしれませんが僕らの中ではその質問は『いいえ』としか。」


「そうか、判断しかねるな、、、君たちの実力はラジルからの話でお墨付きだが、私としても敵対するには惜しい人材だと感じたよ。


この国を安息の地としたいのであれば、是非我々に力を貸してほしい。

と言っても他の2国と違って戦争は苦手な方でね、多国間の戦争に出ろってわけじゃない。

ダンジョンを攻略してその先のナーガ大森林まで道案内を頼みたいんだ。」


なかなか食えない人だなぁ。上手いこと利用される流れになってきた、にしても

「ナーガ大森林?」なんだそれ?


「北西にそびえる凍え山の洞窟ダンジョン。

その先にあるとされている大森林です。切り立った山々に囲まれて内部を知る者はいないのですが一本大きな木がそびえ立つ姿が見えるので、森林地帯と噂されております。さらに向こう側は【富の宝具ラクシュミー】を有するもう一つの国、ガルマン帝国領ですね。」とラジルお嬢様の説明が入る。


「国王陛下、それはなんでも無謀ではないでしょうか?この年齢の子らに無理をさせるのも気が引けますし、陛下が足を運ぶとなればそれこそ戦争の火種になり得るのでは。」と大臣が王様を心配する。


「福音教の目は盗むよ。大臣の心配はあれだろ?ナーガ大森林に眠るは【祖霊の宝具プレータ】。」


ナーガ大森林には宝具があるのか。


「ええ、陛下が新たな宝具を欲するのなら他国が牽制を仕掛けてくるのは必須ですぞ!」


「そう、だから変装してダンジョン攻略する冒険者に紛れるのさ!それに自分自身の成功はそこにあるってファラに示されただけで宝具プレータとは断言できない。まぁほぼほぼ宝具関連だろうけどね。」

可愛くウインクする陛下はやはり一癖も二癖もある大臣も手を焼く人の様だ。


「王様が自分自身に成功の宝具ファラを使った結果、自分の成功はその、ナーガ大森林って所にあると?」


「そういうことだね。」


「ミアちゃん、これってなんかヤバいことに巻き込まれてない?」


「私もそー思う。」


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