第48話 使い捨ての
ラジルお嬢様視点のお話です。
執事のエンドゥからの報告を受け私はかなり焦っている。
この2人の冒険者はかなり異常だった。
ファラの導きをモノにすることが出来ず失意の中セントの街を出発したその日、不運にも2匹のスパベア達と遭遇した時の話。
2体で現れるスパベアの個体は珍しく、ナワバリがあると言われているのがその理由だったが、
1パーティで1体倒せるスパベアを2体対応できるのか、斥候の彼が身を挺して私達馬車への進路を防いでくれている。
短刀と鋭い爪が交差し、スパベアが雄叫びを上げたとき、斥候の彼も更に血が流れ出た。
目を覆いたくなる状況でこの依頼を割安で依頼した事に後悔する。
Eランクの昇格前の冒険者を2人付随する約束だった為、敵によっては護るべき対象が増えて危険度が増す。
そういう事は頭に入れていたはずなのに。
私は先ほど驚かされた冷たい水の入ったコップを放り投げた。
「ポーション、エンドゥ!ポーションの準備を!!」
「お嬢様、今は中で!」
そこでスパベアを初めて見たのか、昇格目的で来た少年が戦闘中のブブトさんと不思議な会話をする。
「スパベアってウルベアより弱いんじゃ無いんですか?」
呆気に取られた。何も知らない。このままじゃこの子達はすぐに死ぬんじゃ?
そう思った矢先
2人があり得ない魔法を放った。
「「ウルウォーター!」」
スパベアめがけて2方向に伸びた水弾は一方で頭を吹き飛ばし、一方で腹部に大きな抉りを与えて倒れた。
「えっ?う、ウソ。」
エンドゥを見ると顎が外れた様に口を開けていた。
「ウル系の魔法は、早くて何歳ですっけ?」
「あ、、ええ、ノーマル魔法lv10でスパ系取得まで55ポイント、更にウル系取得まで55ポイントの110ポイントつまり、それだけに限ってポイントを振れば最短で25歳ですな。」
「2人とも10歳って言ってなかった?」
「ええ、どう見ても10歳。これはまさか。」
そう、私たちの国ではアルフ神聖国の有する戦争用の歩兵は侮蔑を込めてこう呼ばれていた。
「この子達があの【強化魔導兵】だなんて。」




