第46話 福音教、帰る。
そうこうしていると何人かの足音がちょうど上で止まる。
「人に反応する魔道具では無いのか?」
「わからんな。注意せよってあるから何かしらの邪悪な者か封印かと言う考察が昔からされてきた様だが、」
と知らない人の声がする。
少し高いミアちゃんの声が聞こえる
「そのコンパスはここを指してるんじゃ無いかな?ほらっ!ちょっと借りれる?」
「ちょっと!コラ、何で子供がこんな所に、いやまずそれを返しなさい!」
少し地面を掘られる音と共にミアちゃんが手筈通り余っていたヒールのスキルオーブをあたかも今見つけたかの如く掘り出した。
そして
「ほら!わぁーキレイね!」
と同時に
「あー!魔道具が溶けてくー!!」
ちょっと棒読みだよミアちゃん!
「あっ!あーーー!!!」
「何と言う事だ!!!」
「こっ!これは!!黄色のスキルオーブ!?」
トンガリ集団が騒ぐ中、溶けた魔道具よりもスキルオーブの方が注目を受けていた。
「こ、これは私たちが見つけた物でよろしいか?」
ラジルお嬢様は自作自演のミアちゃんに気づいたのか、エンドゥさんからの入れ知恵があったのか少し間をおいて。
「そうですね。この建物も街道に沿って何個か都合よくあったので勝手に野営地にしておりますが、このオーブを隠す為にあったのかもしれません。私たちでは見つけられませんでしたし、どうぞ。」
「そうかもしれんな。」適当な話を納得してくれるトンガリ帽子達。探し物を見つけたら消えると思っているのか溶けたコンパスの事なんか気にしてる奴はもういなかった。
そしてゾロゾロと帰って行った様で地上のミアちゃんから声がする。
「ピスタくーん!もういいよー、ぁ、とける!」
ミアちゃんの溶かした場所はちょうど頭の上でドロドロになった顔で地面から這い出て来たからか全員に笑われた。
地上に出て溶けたコンパスの跡形を見るとその中に小さな金属っぽいカードが入っていた。
「何だこれ?」
「おっ、それはプレートだな。詳しい奴いるか?」ブブト様がそう言うと
魔法使いのおじちゃんは
「おそらくミスリル製の、いや!これはっ!オリハルコン!?」
珍しく驚いたのかブブト様達もびっくりしていた。
エンドゥさんが
「魔道具はどんな効果を持たせるかと言う内容文をミスリル以上の金属に刻んで魔力を込めた物ですが、オリハルコンとは驚きましたね。」
ラジルお嬢様は
「一般的にはミスリルね。これも中々高価で失敗すると大赤字だからこの国ではあまり普及していないんだけど、一部の宝石やアマダンタイトを差し置いて最高の金属オリハルコンを魔道具に使ってるなんて。すごいわね。」
「同じ効果なら値段の安いミスリルの方が良くないですか?」
とミアちゃんそれに対して魔法使いのおじちゃんは
「それはね、つぎ込む魔力が少なくて、かつ長持ちするからだよ。」
と教えてくれた。
なるほど金属の価値が低いほど魔道具作成時に大きな魔力が必要で壊れやすく
金属の価値が高いほど小さな魔力で壊れにくい物が作れるのか。勉強になるね。




