第43話 3日目
3日目の移動も順調そのものだった。
天気は晴れて襲ってくる魔物はスパボアやスパスネークっていうAランクのブブト様達に瞬殺されるレベルのモンスターばっかり。
初日のスパベアが特別だったみたい。
護衛の癖にずっと馬車も悪いなぁと思いつつも全員乗っても追い風補正で楽々進める為、それ以外の選択肢は無く、お馬さんにもヒールをかましたので当初1週間を見ていた王都への旅も4日目の明日に着くメドが付いた。
チラチラと冒険者達の姿が見え出してきたぞ。
「もうすぐですね!」とラジルお嬢様が目を輝かせている。
少しだけ闇系の魔法が関与しているって話を聞いたラジルお嬢様は次の誕生日に闇魔法を取得して氷を作る研究をする目標ができたみたい。この国にはまだ無い技術みたいだ。
目標が出来た時点で成功って訳じゃ無いけど会った時よりやる気に満ち溢れたお嬢様の姿を見ると、【成功の宝具ファラ】ってのは【与奪の宝具ドーナルンパ】
よりも良い宝具だなぁと感じた。使い方次第かもね。
執事のエンドゥさんは食事作りを手伝っている時に少し触れた際、スキル【飛ぶ斬撃】や【影うち】ってのを持っていた為かなり警戒していたが、僕らに敵対する事なくここまで来れた。
腹を割って話すと若かれし冒険者時代ダンジョンに潜りゲットしたスキルオーブで身につけたらしいけど。
是非【飛ぶ斬撃】の持つ魔物と戦ってみたいね。
おそらく最後の野営の夜。
お馴染みの囲炉裏を囲んでブブト様は
「お前達のやりたい事は一体なんなんだ?冒険者なら間違いなくトップレベルだしさ、生活も金が稼げりゃ大体なんとかなる。」
ときいてきた。
ミアちゃんは
「私はスキルをたくさん磨いて、いつかアルフ神聖国の同じ様な境遇の人たちを解放したいかなぁ。お父さんとお母さんのお墓も建ててあげたい。」
と真面目に答えた。
「そうだね、お墓を作って無事だって事を父さんと母さん、あと兄ちゃんに報告できたら良いね。ドゴルやクレリーもいつか生きて再会できたら嬉しいな。」
「そうか、故郷の救済、か。なかなか一筋縄では行かない目標だがお前達なら出来る気がするなぁ。」
「えへへ、そうかなぁ。」
と照れるミアちゃん。
「ですが、平和的にはなかなか。」とラジルお嬢様の言葉に俯く僕ら。
「あの、よろしいでしょうか?」と魔法使いのおじちゃんが髭を触りながら呟く。
「どうしたんだ?珍しい。」ブブト様も魔法使いのおじちゃんが話すのが意外だったのか質問した。
「いえ、正直言いますと魔法だけとってもピスタ様とミア様のポテンシャルは私をはるかに凌駕しています。なのでこのまま力だけをつけて武力で解決と言う流れが正直心配なのですが・・・。それについて私から一つご提案が。」
「どんなご提案なのです?」ラジルお嬢様も興味津々だ。
「交渉です。戦争を終わらせることの出来るカードを手に入れて話し合いで解決できる様、強大な力を持つ善良な彼らを悪に染まらないよう導くことが私達、大人の責務かと。」
エンドゥも感嘆し言葉を発する
「流石Aランクパーティですね。して、そのカードとはやはり。」
「はい。まだ【見つかっていない宝具の確保】です。」




