第40話 強化魔導兵
「この、真ん中のイロリだっけ?これめっちゃ落ち着くな。」
ブブト様は土間の真ん中に作った即席の囲炉裏がお気に入りのようだ。
難しい事は思考放棄してお風呂の余韻を楽しんでいる。
優しくゆらめく炎にお馬さん達もリラックスできているように見えた。
「とりあえずスパベア2匹は想定外だったが、それを上回る想定外が起きた。皆わかるな?」
僕とミアちゃん以外が全員視線を見合わせ何かを納得している。僕もわかったよ首を2回縦に振る。
きっとあれだな功労者の僕が言うのも恥ずかしいけど誰も言わないなら言っとくか。
「野営でお風呂に入れた事ですね。一度やってみたかったから張り切って初日で披露してしまいました。」
「違うよピスタ君、きっとスキルオーブ【ハウル】が手に入った事だって!誰もいらないなら私がもらおうかな、ガオー!!なんちゃって!あははは!」
「あははは!」そっちかー!僕もミアちゃんに釣られて笑う。
ラジルお嬢様が口を開いた
「いえ、なんと言いますか、規格外のあなた達の事ですわ。」
うんうんと頭を縦に振るブブト様はとんでもない事を口にする
「これって口外したら俺たち殺されるのか?まさか2人が神聖国の強化魔導兵だったなんて。」
「えっ!そうなのですか?!」「えっ!そうなの!?」ラジルとミアちゃんの言葉が被った。
ラジルとエンドゥは僕らから距離を置くも
ミアちゃんが
「ってそんなわけないじゃないですかー、なんですか?強化魔導兵って。私たち半月前まで普通の農民でしたよ。」と安心させてくれた。
執事のエンドゥさんは
「立場を理解した上で質問させてもらえますか?
出来る限りで結構ですのであなた方が何者なのかを教えていただけないでしょうか?」と質問してきた。
「そう言われてもついこの間まで農家の子供で、アルフ神聖国の領土にある小さな村から逃げてきただけの10歳児なんだけど。」
ラジルお嬢様とエンドゥは顔を見合わせて
「どうやって逃げてこられたのですか?ガルマン帝国領を経由してこられたのですか?」
「あー海をなんと言うか、凍らせて渡ってきましたね。」
「そうそう。クロコシャーク怖かったね。」
首を振って目を丸くするブブト様。
「は?ダメだわ頭が追いつかん。じゃああれか?クロコシャーク倒したって噂もまじか?」
「うん。ピスタくんが。あ、今なら私も倒せるかも?!」
とミアちゃんもファイティングポーズをキメる。
「ダメだわこの子達、自身の危険さが理解出来てない。」
「ただ。お嬢様と宝具の正しさは証明されましたね。」とエンドゥさんが笑顔になる。
「?どう言う事ですか?」
ラジルお嬢様が
「私たちは魔法の研究をしている一応、貴族なのですが、ファラ、先ほど言っていました成功の宝具を持って私に与えられた天啓はセントの街に向かって魔法の調査をせよと言った内容だったのです。」
と話し、てエンドゥさんが
「情報収集すると何やら海が凍っている部分があったと言う噂を聞きつけたのです。
私たちが着いた頃にはもう溶けていたのか見つけられませんでした。そして期日を迎えて帰る所で今に至ります。
「なるほどな。ともかく研究で来たお二人には成功が待っているのかもしれないが、俺たち冒険者としては悩ましいな。
なんせ戦争から帰って冒険者になった顔見知りの奴らは口を揃えて神聖国の強化魔導兵に怯えてた。
俺も直接見た事はないが、泣きながら力尽きるまで魔法を放ってきたり傷だらけでも進軍してくる最悪な奴らで有名だ。」




