第39話 お風呂が沸きました
いかんいかん!
ドロップ回収は後だ、斥候の人の傷は治ったかな?
ブブト様と同着で回復魔法を使っている仲間の元へ。
「大丈夫ですか!?」僕らは馬車の近くに横たわる斥候のお兄ちゃんを見て絶句する。
「キュア!キュア!!!ダメ!指が取れかかってる!」
なんでキュア!?ヒールは?!
「俺のカバンにハイポーションがある!それで!」
「ブブト様!ダメです!初撃を許した俺が悪いんです!お、俺なんかにハイポーションなんて、」
え?回復役がヒールまで使えない?
ここでお姉さんヒールは?みたいな質問は流石の僕もしないぜ!僕がやっときます。
「ヒール!」
「あ、あれ?くっついた。痛みもない。」
「は?」「え?」
ミアちゃん以外全員理解出来ていない。どうしよう。こーゆー時はミアちゃんだ。チラリと見るとミアちゃんは
「良かったー!あ、ドロップ回収行ってきまーす!」って逃げやがった。
僕は何事も無かったかのように野営の準備をする。
「なんとかなりましたね!よしっ!そろそろ暗いから安全地帯作りますねー!アースウォール!4方向!!」
「へへっ!土の要塞の出来上がりだぜっ!」
外でミアちゃんが叫んでいるのが聞こえる。
「ピスタ君ードアつくってよー!入れなーい!」
「あ、忘れてた。」
ブブト様がようやく正気に戻り目を丸くして僕に聞いてきた。
「・・・お前ら一体何者なんだ?」
ややあって今、僕は激しい尋問を受けていた。
「なんなんだあの魔法は!!」とブブト様、追撃でラジルお嬢様が
「どうすればこんなに冷たい水になるのですか!?」
エンドゥも
「お嬢様!もしかして海の件は!」
ブブト様チームの人らも
「ヒール?!ヒールを唱えてなかった?!」
「指って繋がったんじゃなくて、生えてきてたわ。ほら古い方落ちてた。ほらほら。」
そしてもう1人。
「スキルオーブだったよ!!いい?!私もらっていい!?なんで無視するの?!もらうよ?沈黙はokって事で貰うよ!?」
気が狂った奴らの質問なんか置いておいて、僕は風呂を作る事にしたんだ。
この万能の土属性があれば最高の風呂に入れる。大きさはそうだな女性3 男性5人だから5〜6人は余裕で入れる広さが望ましいね。
このお風呂作成中、僕にはほぼ全員が質問を投げかけてくるけどお風呂に入れた時のみんなの笑顔が見たいから今は無視だ。
アースウォールの硬度は練り込む魔力にもよるけど、もはや石並の硬度だった。
しかも表面はイメージ次第でゴツゴツにしたりツルッツルに仕上げられる。
湯船はツルツルだね。そこにウルファイアで熱を加えてアチアチにする!最後に「スパウォーター!」
湯気をあげて湯船に注がれた水が温水になるのを見守る中、全員が目を丸くしながら僕を見てくれてる。
そろそろ完成するししゃべってあげようかな。シンプルに腰に手を当てて湯船の水面を眺めつつ、
「ティティティン ティティティン ティティ ティンティン♪
ティティティー ティティ ティンティンティン ティリィリー♪
お風呂が沸きました♪」
ここでみんなの方に振り向く!決まった!!
前世の記憶でお風呂が沸いた時に流れるメロディのトレビの泉を完全再現!
あー早くもっとマシな前世の記憶を取り戻したいぜ!
「どや。」
ミアちゃんに頭を叩かれました。
「大丈夫です。たまにピスタ君は頭が逝っちゃう事あるので安心してください。」
唖然とするみんなに僕方向にだけチクチク尖った説明を加えてくれるミアちゃん。
「この事を内緒にしてもらえた方だけ、お風呂に入れます。女性からだよね?」
「も、もちろんだよ。でも僕はまだ10歳だからミアちゃん達と」
「しね。」「すいません後でいいです。」




