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第33話 ブブト様

「って感じで、海を渡ってきました。」

僕らは真剣に伝えた。するとセントの街の入り口に立つ衛兵さんは、

「あのさぁ。もうちったぁマシなウソを用意しろよ。」

だって。


でも悪い人じゃなかった。

「とりあえずルート商会の人間と一緒にいるから行っていいぜ、面倒起こさないように!食いもんなかったら俺んとこ来い、はい、次!」


手でシッシと追い払われて進んだ先待っていてくれたおじさんに

「なんとか入れました!ありがとう!」って伝えると

「こっちも打算的でごめんよ。」と謝られる。

それほどまでにクロコシャークの素材はありがたかったようだ。でも僕にはドロップポイント1だったしなぁ。


あ!ミアちゃんにはもっと多かったのかも!?しまった!

「まあええか。」と呟くと

「え?どこの言葉?」とミアちゃんが不思議がっていた。

そして馬車に乗りオススメの宿まで送ってもらう。


「じゃあ今日は2人で宿に泊まるんだね?」

「はいっ!こんなにもらっていいんですか?」

「相場の価格だよ。気にすることは無い。またいい物拾ったら、ルート商会に来てくれ、じゃあね!」


「「ありがと〜!」」

討伐して手にしたモノだからたまたま拾ったって訳じゃないんだけどね。


おじさんが離れるまで手を振っているといい匂いがしてきた、教えてもらった宿屋立派だなぁ。


「ミアちゃん!ご飯食べよう!」

「私もお腹すいた。」

木のドアを見上げると宿屋の看板

「小鳥の巣って読むのかな?いい名前だね。お邪魔しまーす。」

すると元気よく

「いらっさーせ!!好きなテーブルにどーぞ!」とおばさんの店員さんに言われた。

「あ、え?はい。」適当に座るとヒソヒソと声が聞こえてくる

「親はいないの?あの子達、だけ?」

「見てよ、服がボロボロ。」


「やばい!僕ら浮いてる感じじゃない?」

「どうすればいいのかわかんないんだけど。」

ミアちゃんも困った顔。


するとテンプレのような髭面でコワモテのおじちゃんと取り巻きどもが立ち上がりこちらに向かってくる。

摘み出されるのか!?お金を巻き上げられるのか!?


「おいっ!お前ら!」

後ろで取り巻きが薄汚い声でケラケラと笑って

「ブブト様!ビビらせちゃダメですぜ!」と言っている。


「お、お金ならあります!」と僕がブブト様と呼ばれた人物に返事をすると


「ん?おっ!そうか!じゃあ出してみろ!」

と言われた。マズイ、カツアゲだ。この自信、僕より強いのかもしれない。


もらった金貨3枚を全て取られたら悔しいので一枚だけコトリと机に置く。

「おいおい!!この坊ちゃんはこんな額のお金をお持ちと来た!!」

「ギャハハ!!スッゲーもってるな!!ブブト様コイツらにゃいらねーんじゃねーっすか?」


ミアちゃんが堪らず口ごたえする

「な、なによ!私たちのお金よ!なんか悪いの!!」


ブブト様と呼ばれた髭面のリーダーらしい奴がギロリとミアちゃんの方を見て

「ん?子供の癖にたくさん持ち過ぎなんだよ。」

と言いながらドンッ!っと机を叩いたかと思ったけどチャラっとコインが散乱した。


「その金貨は親御さんに貰ったのか?大事に取っておいて、今日はこれで飯でも食いな!」


「えっ?」

「どう言うこと?」


一瞬理解が追いつかなかったけど、僕らの見た目を案じてご馳走してくれたブブト様。


取り巻きが帰り際に

「いらないかもしれないけど、ブブト様はこの街1面倒見のいい冒険者だから今日は奢られちゃいなっ!」

と囁く。


「あ、なんか、ありがとうございます。」


そのあとめちゃくちゃ肉を食べた。




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