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【改稿版】最強最悪の魔女に転生してしまったので巻きで呪いを回収いたします  作者: マダム良子
第二部 賢者と砦のドノヴァッテン魔法王国編

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秘術師





雨風は強くなっていた。

塔の向こうの空から遠雷がとどろく。


魔女たちは西の塔前に到着した。

この西の塔は“星見塔”、と呼ばれている。

ちなみにラースが囚われている研究棟は

西の塔の隣、なのだが

隣接しているものの

物理的距離はおよそ十キロ先にある。


それはつまり広大な試される大地こと、

北海道にありがちな

お隣さんに回覧板回すのに車移動の

イメージに近い。

遠くから見ると近くに見えるけど、実は遠い。


ここで西の塔について説明をしよう。


西の塔は他の塔と趣が違う。

()()()というだけあって

その名のとおり、星を見るだけではなく

天体、天文学を中心とした研究が行われる塔である。

魔女たちがいる西塔前には

大きな望遠鏡らしきモニュメントが配置され

その周りには真鍮の星が取り囲んでいた。


今は横から吹き込む雨風に当てられて

真鍮の星は闇に紛れていた。



「ちょっと集中します。」

魔女は静かに目を閉じた。

両手を合わせ前に突き出し

何かに突っ込むようにしたり

暖簾のれんをくぐるみたいな動きをして

ものをどかしたり避けたり

両手をクロールみたいに動かしている。

「?(何やってんだ、こいつ・・・)」

御多分に洩れずオーゲルは思う。

ジョセフィーヌに寄っかかった。

ボヨン。・・・ボヨン・・・

癖になるボヨン。

ジョセフィーヌもまた

魔女の動きに合わせて触覚をゆらゆら動かしている。


オーゲルはジョセフィーヌを見上げ

ゆらゆら動く触覚に話しかけた。

「なあ、誰に喚ばれてここにきたんだ?

 ーん?」

ボヨ〜ン。オーゲルは体をジョセフィーヌに預け

そのボヨンを楽しんでいる。羨ましー、くない。

ジョセフィーヌは応えるようにして

触覚を大きく揺らした。

「ハハ、答えてくれるか。

 だが、お前のいうことがわからんのだ。

 すまんな。

 お前とも話ができるようであれば

 良かったのだがなぁ・・・」

言いながら、優しく体を撫でた。

「わかりましたよ!オーゲルさん!

 ー ここです! ここにいます!」

魔女は宙を握りしめている。

「ここ?星見塔か?!」

オーゲルは身を起こして魔女を見る。


「違います!!

 星見塔のすんご〜い遠くにある研究棟です!!」

「そうか、無事か?!」

「はい!!無事です。

 っていうか・・・」

魔女の手は宙を握りしめたまま、首を捻った。

オーゲルは魔女の手も気になったが

首を捻る魔女に近づき、魔女を覗き込んだ。

「(こいつ、瞳の色が変わった・・・)」

素知らぬふりで魔女に聞いた。

「何だ。何か問題があるのか?」

魔女は首を捻ったまま、オーゲルを見上げる。

「はい、え、でも問題なのか、なあ〜」

「何が問題なんだ」


魔女は宙を握りしめた手を

オーゲルに突き出す。


「あの〜私、今、

 アルファイさんの“核”握りしめてるんですよ。

 これって〜、あの、大丈夫なんですかね?」

「?」

何のことだか見えないし、わからない。

「あの、こうしてると〜

 アルファイさんが痛い!とか

 動けない!みたいなこととかって〜

 ないですかね?握りしめてるんですけど

 ちょっと力抜いた方がいいでしょうか?」

突き出された拳をじっと見る。

「・・・俺にそれを聞くのかよ・・・」


脳筋英雄、オーゲル。

魔女の言ってることはなんとなく分かるけど

この男に、どうこうできる能力は、ない。







同時刻 ー

アルファイはしゃがんだままだ。


「(完全に油断しきっていた。

  鎌ってちゃんがいなければ

  あの術に持っていかれてた・・・)」

しゃがんでいるのは

心臓が痛い、訳でもないし

動けない訳でもない。

ましてやどっかの誰かが

ボタン押し込みすぎて、

しゃがみ歩きしかできない訳でもない。


「(急に落ちる感覚だった。

  ・・・秘術師(マグス)の術でも

  消去の呪術だ。

  こんな術を使うのは ー・・・)」

アルファイはその人物を思い浮かべながらも

ここがどこだか確認していた。

「(雨が降っている。

  彼らは私を感知しにくいはずだ)」

気配を感じようとしていた。

自分の“核”があまりにも頼りない。

”核”が完全であれば()()を感じることができる。


「(いなくなったと思っているなら好都合・・・)」


秘術師(マグス)の使う呪力は魔法とは違う。

アルファイがかかった罠は“消去”と言って

魔法でいうところの“転移”を意味する。

罠にかかった瞬間、鎌ってちゃんは

アルファイに降る呪力をはねのけた。

本当に幸運なことに、

星見塔横の研究棟に飛ばされた。



ここは星見塔横、研究棟前出入口だ。

アルファイの前には通称“魔力なし”が使う

転送装置が設置されている。

いつからかドノヴァッテン魔法王国では

魔力がない者らを蔑称し、そう呼ぶようになった。

アルファイはその呼び名が嫌いだったが

自分に向けて言う分には問題なかった。


「(()()()()()というのは

  おかしい。魔力なし()に利用価値はないはずだ。

  本当は魔女を狙っていたはずだ。

  魔女をオラフィスのところへ

  連れて行きたかっただろう・・・)」

アルファイはかつて盲信的なまでに

オラフィスの言うことを

鵜呑みにしてた自分を思い起こす。


「(ー それしかないと思った。)」

若気の至りだよ、勇者。


「(今は違う。

  自分のしでかしたことの尻拭いくらい

  自分でする。)」

いいって、そんなに背負い込むなよ〜。

飴ちゃんお食べよ〜。

十七歳だもんな〜。


背中の鎌ってちゃんが震えた気がした。

「(こんな状態であることを

  幸運と思える日が来るとは ー。

  だがこれならば

  ラースの元へすぐにでも行ける・・・)」

しゃがんだアルファイは立ち上がった。

「(あ・・・)」

だが、すぐしゃがんだ。

「・・・!」

すかさず立ちあがろうと中腰になったが

「!!っ」

またしゃがんだ。ー。


何してんだよ、勇者。

バグ起きた?

ボタン押し込みすぎによる誤動作ではない。


「(塔に 入れない・・・)」

な、なんだってー!


アルファイは思い出したのだ。 

最初に気付くべき問題だった。

「(魔力がない・・・)」

そうなのだ。塔に入るためには

魔力をもって扉を開くか、

そうでなければ“魔法学徒の紋章” がいる。

アルファイは

秋にこの魔法学校に入学予定だったので

今は身分を表すものは紋章はおろか、

“核”だって無いに等しい。

扉など微動だにしないだろう。ー


そして第二の問題が

彼を中腰からしゃがませる。


「(第一物質プリマ・マテリアルがない。

  魔女が持っているはずだ・・・)」


これでは、この塔内に潜り込めても

ラースのところまでは辿り着けない。

「(というか・・・

  第一物質プリマ・マテリアルの使用用途が

  よくわからない・・・)」

おぉい!!知らねーのかよ!!

誰か〜、説明して〜。


「(どうにかして塔にさえ入れれば・・・)」

詰んだわけじゃない。

「(どうやって入ろう・・・)」 

見上げる塔はその先を暗闇に飲み込まれ

降り注ぐ雨に、急に自分が無力であることが

心細く感じられた。

「(くそ、こんなところで止まるわけには)」


だが勇者 アムラン、死ぬほどの思いで

走ったからか、はたまたオーゲルのおかげか

「(大丈夫だ、あんなことがあっても

  私はここにいる、ー 大丈夫だ)」

イケるって!という発想を真似する。

そうだね、幸運の女神さまもきっと

そろそろご機嫌直してくれるはずだよ!


「!!あれはーっ」

秘術師マグスの集団の姿を見る。

集団は一斉に輪になり両手を上下に振り始めた。

「(“流れ風”に乗るつもりか・・・)」

秘術師マグスは魔法使いとは違う。

あくまでも自然の力を利用した呪術を元にしている。

“流れ風”とは、秘術師マグスらの移動手段である。

他の魔法使いと違って、“核”だけで移動することはない。


彼ら秘術師(マグス)

塔と塔の行き来は必ずと言っていいほど生身で移動する。

この辺りにまた、魔法使いたちとは

一線を画する部分を秘めているとも言えるだろう。


「!」

そして、幸運の女神は

ご機嫌を直しただけじゃなく

アルファイにウィンクまでしてくれた。


集団から遅れを取った者がいた。

この雨風で、視界が悪いからだろう。

先頭が使う“流れ風”に乗り切れなかった者が、いた。


「(?あいつは・・・)」

小書庫で魔女にラースに対する熱い思いを語ったときの

「(“魔法技術大会”で

  ラースに一発で吹っ飛ばされた・・・)」

魔女は最後まで名前を言えなかった。

ヤッパリとかツッパリとか

言ってたけど無視してた。

噂をすれば影、というが

ラースの武勇伝ついでの本人のご登場に

心の中で名を正しく訂正し直した。


「(アグリッパだ。)」 

見間違えるはずはない。

あの印象的なヘアスタイル。

マッシュルームがそのまんま頭になった

独特の髪型は雨に濡れても形が変わらない。


「(?何してるんだ・・・

  あいつ、“流れ風”に乗らないのか?)」

男の姿は雨に紛れているが、その動作に見覚えがあった。

“流れ風”に乗るにはコツがいる。

それは大縄跳びに入る瞬間のようなもので

タイミングよく風に乗ることが

必須のようなものだ。

「(ー 鈍臭い。乗り遅れてる・・・)」

アルファイはここで

もう一人の鈍臭い人間を思い出したが

ここではすぐに消し去った。

その男は鈍臭いというより

技術はあるが体術のセンスが著しくなかった。

はっきり言えば、運動音痴だ。


その点、鈍臭い魔女アッチ

鈍臭いが運動音痴の類ではないようだ。

すぐにその思いを消し去っておいた。


「(アグリッパはアカデメイアの学徒だ。

  きっと紋章を持っている)」

ひとつ、考えが浮かぶ。

「(どうにかして紋章を手に入れられないか・・・)」

すでにアルファイはその男に目をつけた。

しゃがんだまま息を殺して、忍び寄る。







「(落ち着け・・・大丈夫だ。)」

アルファイはその男の後ろ、

(その距離約2メートル弱)にいる。

しゃがんだままの移動は苦にもならない。


男は乗り切れなかった風に尻餅をついて

しばらく呆然と冷たい雨に身も心も打ち付けられていた。

自分だけ置いて行かれたことに衝撃を受けたのか

それとも風に乗り切れない自分に心を痛めたか ー


どっちでも今のアルファイには格好の餌食では、ある。

塔壁を横に這いながら

風が重くなっていることを感じた。

いよいよ強い雨になるだろう。

時折、稲光が雨と一緒に地面に映し出された。


塔前のかがり火は雨に打たれても

その火の勢いを落とすことはない。


アルファイは心を無にした。

「 ー 」


襟元に雨のしずくが流れ落ちても

顔を伝う雨も

目に入りそうになる水滴も

気にはならなかった。


「あ〜あ」

残念そうな声が聞こえた。

秘術師マグスの男は

諦めて立ち上がり、塔の中へ戻ろうと

踵を返す。

雨音に紛れて、アルファイは立ち上がった。

同時に

「っー」

語尾が自分でも聞き取れないほどかすれていた。

緊張のあまり、声が出なかった。

「え?!」

秘術師マグスの男は

雨音に紛れた声にぎくり、と足を止めた。

その声、聞き間違いだと思ったのか

あたりを二度、三度気忙しく見回して

気のせいだったことに安心したように

息を吐き切った時


「?!っっ」

アルファイの影は

雨の中に佇むかがり火にみるみるうちに伸びて

秘術師マグスの男に背中から

首に腕を回し、覆い被さった。


この毛ほどの瞬間を

アルファイは見計らっていた。


「ん゛〜〜〜っっ!!!」

男はもがいた。

全身の力を四方へ逃すようにばたつかせ

背中から首を締め上げる腕から逃れようとした。


だが、アルファイは自分の体に男を密着させ

肘を支点により、力を込めた。

自分が秘術師マグスの男の後ろであることを

利と感じながらも

「(頼むっー、早くーっ)」

稲光が二人の影を落とさぬよう、目を閉じて祈った。


「〜〜〜っー、・・・」

男の体からみるみる力がぬけて

足元が揺らぎ、気を失った。

その十数秒は

アルファイにとっては何十分にも感じたことだろう。


勇者(アルファイ)

スリーパーホールドにより

一本勝。(首の絞め技だよ、危ないよ)


首の頚動脈を絞めるプロレス技である。

脳への血液が遮断され脳は低酸素状態となり

『スリーパーホールド』の名のごとく

眠る(スリープ)ように意識を失うものだ。


「(うまくいったか、ーっ)」

なぜアルファイがこの男に

スリーパーホールドをかけたか。

それは、魔女宅で

ギーズルを落とすアイスクラピウスを見ていたからだ。

笑顔でギーズルに締め技をかけるアイスクラピウスは

見ていたアルファイに言った。


 『力は入れればいいってもんじゃない。

  特にお前は片腕だろう?

  片腕だと難しいけど、ほら、ここ。

  前腕と上腕の中間点である肘が

  相手の顔の前に来るように ー 

  それで、君の場合は腕を自分の胸側に引くといい。

  そうすると、頚動脈が締まるんだ。

  うまくやれば気を失う。 

  ー ね?簡単だろ。』


ギーズルは綺麗に意識を無くした。

「(まさかこんなところで

  使うことになるとは・・・)」

とりあえず教えてくれたことは

ちゃんと覚えておこうと思っていた。


だらりと倒れ落ちた秘術師マグスアグリッパを

アルファイは片腕のみで

ズルズルと引きずりながら塔の裏側まで運ぶ。

運びながら祈った。


「(コイツが起きてきませんように)

 ーっふぅっはあっはあっ」

全身で息を吐きながら、

秘術師マグスアグリッパを見下ろす。

自分から落ちる雨粒を受けながら

彼は微かに息を吐いている。無意識にホッとした。

もう一方で感謝もしていた。


「(殺すことがなくて よかった)

 ・・・失礼する。」

意識のない体を漁ると、

すぐに“魔法学徒の紋章”を見つけた。

アルファイはそれをすぐに自分の腰袋に入れた。

もうそれ以上、持ち物を探る必要はなかったが ー


とりあえず、見た。

「(魔女のせいだ。)」

言い訳していた。

「?」

見れば、小さな鍵を見つけた。

『アルファイさん!!

 いいですか?

 使えるものは拾っとく。

 食べれるものも拾っとく。

 とりあえず、なんでも拾っとく!

 これは鉄則です!!』

こんなことを言っていたし

翔煙隊の装備の時も触媒を見せながら

しつこく言ってたから

アルファイは、申し訳ないと思いつつ

どこの鍵かはわからなかったが、

とりあえず、それも腰袋に入れた。

もう片方のポケットから出てきたもの。

「(きゅうり・・・?)」

何であるのかわからなかったが、

かじりかけのきゅうりを見つけた。

アルファイは見ないことにしてそっと戻しておいた。

「(魔女なら持って行くだろうが

  ・・・食べかけだろ。)」


立ち去ろうと立ち上がった時に

ふと、アグリッパが不憫に思われた。

「(彼にとってこの件は

  理不尽極まりない不運だ・・・)」

だから、“魔法学徒の紋章”の代わりに

緑の飴玉を入れておいた。

「(罪滅ぼしにもならないが

  ・・・体力の回復ぐらいにはなる)」


アルファイは雨の降りしきる空を

あえて見上げ、西の星見塔へ入った。





秘術師マグスー、それは

隠秘を所有する、秘伝を持つ者だ。

秘術師は”白”の魔法を使役する魔術師でもある。

自然の脅威より

自然そのものに活動的な力を信仰している。


呪術的な知恵の時代から

はじまったと言っていいだろう。


そのありふれたものに、驚くほどの神秘を見出したのも

また、秘術師マグスだったが

錬金術や予言にも精通していた。

芽吹く自然の光の後ろにある影に

誰もが怖れ

不安を露見させるようになった頃には

その役割は、大きく変わったと言わざるを得ない。

彼らは主に、呪術を使う。

呪術には、魔法と呼ばれる魔術は、含まれない。

その力は異教的でもあり

占いに特化したものも含まれた。


呪文、善霊や悪霊を呼び出す方法や

罪深い研究を

生み出したのは彼らだ。


金属や宝石と匂いの知識は

空から堕ちてきた天の使いが

教えてくれた、と秘術師(マグス)らは言った。


神はひとりではないのだ。

その力は 宇宙そらのどこかしこに 顕在している。


それが例え、

破滅をもたらすような存在であっても。


『 (いち)は全なり

  それによって全であり

  それにたいして全であり ー』


彼らは科学的な魔術とそのほかの技術を与えたが

人間を神と対抗できるまでにした禁断の知識として

秘術師らのそれらは、

()()()()()()()()()()と言われた。


『我々は 宇宙のように不死ではないが

 理性的である。知性と想像力と魂を

 もってすれば ー

 世界を根底から覆し、変形させることもできる』

アルファイの頭の中に響くのは

秘術師(マグス)の長である

オラフィスのこの言葉だった。



「はぁっはぁっっーっはあっはっはっはっ」



アルファイは階段を駆け降りる。

ずっと走り続けているが

少しも辛いとは思わなかった。

むしろ、ここに来るまでに

思う以上に体力がついたように感じた。

疲れても走り続けられるし、

金色の飴玉舐めたらもっといける。

幸運はまだ続いているようだ。


地理状況は把握している。

問題は ー。

やはり第一物質プリマ・マテリアルを持っていないことだ。


「(ラース!まってろっ今、私がっ)」


居ても立ってもいられなかった。

いずれか秘術師マグスらにはバレる。

バレたら腕一本なくなるレベルじゃないことは

容易にわかっていた。

そうなる前に、どうにかしてラースの元へ急ぎたかった。



どれほど階段を降りたのかわからない。



魔力があった時には感じなかったこの体の軋みも

肺が潰れそうなほどの息苦しさも

アルファイには新鮮で、焦燥感よりも

沸々と湧いてくるこの使命感の方が強く

彼の足を止めることはなかった。


やだ、勇者アムランったら、かっこいー。


だって、目が死んでない。

彼の目には希望が生まれ、

暑苦しいほどの熱がこもっている。


アルファイは何かの気配を感じた。

それは背中から鎌ってちゃんが発したものだ。


「(?どうした鎌ってちゃん)」

『 お前を探す 力が近い 』

「(?魔女か?

  さっき触られた感じがしたが ー)」

『 ー 違う、これは ー 』


階段はまだ続いている。

暗がりの階段に

蝋燭の揺れる炎が影をつくった。


「?!っ」


階段の踊り場の小さな窓から

雷の音と同時に、青白い光が雨と一緒に入ってきた。








オーゲル情報:ジョセフィーヌの腹が

       今まで触った中で一番

       気持ちええ。


アルファイ情報:盗んでない。

        あとで絶対返す。

        謝罪もする。


ラース情報:忘れられてる気がしてきた。













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