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【改稿版】最強最悪の魔女に転生してしまったので巻きで呪いを回収いたします  作者: マダム良子
第二部 賢者と砦のドノヴァッテン魔法王国編

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東の塔 ②







魔女が次の階へ行くまでの

少しの時間を、もらおうか。

ああ、大丈夫。

魔女なら忘れ物をして

「あ、ポケットにアイテム補充しとこ!

 あとなんか落ちてないかな〜」

ほらね、何か拾うつもりだよ。


さあ、うるさいのがいなくなったところで。

諸君、君らは“占い” を信じるか?


色々な占いがあるだろう?

血液型占い、手相占い、人相占い・・・

「空に靴投げて裏返ったら雨〜!!」

それも一種の(天気予報の)占いだろう。

あぁ、それなら空繋がりで星占いなんてどうかな。

「三日連続、占い最下位だったんですけど〜。」

それはお気の毒に、身の回りに注意だね。


真実味のあるもの、ないもの

当たるも外れるもあなた次第、と言うような

それ自体が占いになってる状態のものなど

様々だ。


だが、このドノヴァッテン魔法王国では

占星術師なる魔法使いらが存在する。


彼らは星をみる。


さぁでは、諸君に聞こう。

星占いとは何か。

諸君らの生まれた誕生日を表す星座の“何”を見て

ラッキーカラーだとか

相性だとか、はたまた未来などを見通すのだろう。


占星術師とは、()()であって

()()()()()()()()()


世界を覆う不思議な秩序と

自然と人間の関係を理解するために

人は天を見上げるようになった。


季節が変わるごとに天の様相は変化した。


天体の運行に関する知識は

望遠鏡などのない時代には

数学・物理にかなり精通していること

原理を研究するために必要な語学の知識を必要とした。


天文学的事実を発見したとき

占星術師は気付く。

「う〜ん・・・周期がある・・・」

人が生まれる時の天の様相が

その未来に刻印を押す瞬間を知る。


星が、力を及ぼした、と考えた。

さらには

ー 天体に存在する惑星を知る。

『ヤッベ、わかっちゃった・・・

 太陽と月以外にも、惑星あるっぽくね?』

惑星と恒星は、特定の領域をもち個々の軌道と進路を持つ。

ある領域では強力な影響を持ち

他の領域では無視できるほどだと考えた。


惑星の行程が、天をいく黄道十二宮を通る時

人間と国家、その営みの吉兆と凶兆を教える。


黄道十二宮とは: 太陽が一年かけて

通る通り道(黄道)を計算上、十二等分した領域のこと

(※黄道十二星座とは違うので注意)


偶然に、左右されるものなど 何ひとつとなかった。

すべては

秩序立った世界の中で 統制され導かれるのだ。


そして彼らは天体をあらわし

その計画した行動に取り掛かる時刻、報せを聞くそのときを

星々が及ぼすと思われる影響の全般的な効果を予見するのだ。


このドノヴァッテンでは

占星術師らが見立てた星をみる者を預言と言い

預言者の見立ては、秘術師(マグス)のもと手がかりを得る。

「わかんないんですけど〜」


・・・見上げてごらん。

()()()()()()を、ってことだよ。



 汝、目にせしものを 書きおろし

それらを 七の室に 送り届けよ。


そして 我は その手に

七つの封印を施された 書を 見たり。


ひとりの強き 天の使いが 声高らかに


『その書を 開き ときの封印を解くに

 ふさわしき者が 現る 』

と呼ばわっているのを 見たる。ー 


はるか昔の、予言である。







魔女に話を戻そうか。

あ、きたきた。

どうした、走ってこないのか?

・・・何してんだよ。


「(あ、いた!

  落ち着け、落ち着け〜私。)」


魔女は階段下からそ〜っと

三階への境界線をチラチラ覗いては

隠れる、を繰り返していた。

かくれんぼをしているわけではない。


実は、“思ってたんとちゃう” という

状況が起きていた。

「(近すぎなんだよな〜・・・

  ちょ、ちょっと離れてほしい)」

敵が階段の入り口付近から動かないのだ。


これでは三階に登った瞬間に、鉢合わせするに決まっている。

実際、魔女の目線のすぐ横には

紫のローブを身にまとった敵がいる。

幸いにも敵は、部屋の中央部を見ているから

魔女には気付いてないようだ。


「(微動だにしないってあたりが、

  ゲーム仕様なのかな・・・?)」

魔女はゲームでの敵を思い起こす。


「(敵の配置が、初見殺しなんですけど)」

初見殺しとは:ゲームの罠や即死ギミックのこと


上階へのルートは

敵が少なくアイテムもそこそこ豊富なルートとなる。

ーと申し上げた、が

少ないだけで、“敵が弱い”、とは言っていない。


最初の敵は上がった足場のすぐそばにいる。

何をしているかは魔女も知らない。

だがいるのは

“占星術師”だ。

今日の運勢など占ってくれそうなものだが

プレイヤーを見つけると“星降る千の雨”という

魔法を仕掛けてくる。こちらもまた

魔法名とはかけ離れたエグいもので

その場から動けなくする弓矢を降らせるのだ。


動けなくなったら、死を覚悟せねばなるまい。


追撃で“彗星の尾”と言う

魔法の槍で刺してくる。

槍というには、ぶっといんだ、これが。

丸太的な太さの槍が四方八方飛んでくる。

ここまでくるともはや

占星術師ってなにしたいんだ、

と言いたくなる。

これを連射してくるものだから

通常はローリング回避しつつ

部屋の中を逃げまわる必要があるし

何より、逃げ回れるスタミナが必須だ。

「(だから初見殺しなんだよ・・・。

  普通は対策なんてわかんないよ。)」

魔女は初見だけじゃなく

しばらくここで足止めされた記憶がある。

「(逃げたところでさ〜・・・)」

運よく部屋を逃げ回っていたとしても

“傀儡の鎧” が動き出すのだ。

「(剣をブンブン振り回しながら

  追いかけられるという

  うれしくないボーナス付き・・・)」


それをうまく対処しながら、傀儡()の占星術師を倒す、のが

この階での攻略である。

ほんとなにがしたいんだ、占星術師。

「(まずは占星術師をバックスタブで

  致命を与えて、連続攻撃で怯ませるのが

  妥当だよな〜・・・)」

ー プレイヤーなら。


じゃあ魔女なら? ー

「(近すぎるけど、これで行くしかないな)」

対策はある。

ゲームでやったことがないだけだ。

「(ゲームの中じゃ、斬った方が早かったし

  私は今、魔女だから・・・)」

魔女はポケットの中のものを確かめた。

「(本当は南塔で手に入れるものだけど・・・)」

ローブのポケットをゴソゴソしつつも

魔女の目は動かない占星術師の足元を見ていた。

「(アルファイさんは大丈夫だって言ってたし・・・)」

流石に占星術師の全身を見ることはできなかった。

近すぎて、逆に占星術師の紫のローブの裾が

汚れているのを確認できたぐらいだ。


「(これで本当に大丈夫なのかな・・・

  不安だ・・・。)」

ローブから取り出して、胸元へ持ってきて

そーっと確認した。


それは タル・ロ。


魔女は“タル・ロ” を持っていた。

タル・ロ所持者であったアルファイから譲り受けた。

「勇者はおめえだ」

事件で持っていたカードは返すつもりでいたのに

“いらない” と一言。

存外快く貰えたのはラッキーだった。

カードの絵が変だからいらないんだ、

と思っていた魔女の心を

もしアルファイが知ったら

“やっぱり返せ”、と言われたに違いない。


小書庫にいる間にカードのことやら

やり方なんかも聞いた。


聞いたけど、全然わからなかった。

アルカナ、というものが大小あるらしい。

よせばいいのに

「“()()()()”とかが“()()()()()?」

とか、言ったから

部屋の空気は悪くなる一方だったし

説教こかれた。

だが、諦めない男アルファイは

アホ面の魔女を目の前にしても

くどくどその意味の解説をした。

「(変な絵だな〜・・・。

  逆さまに吊られてかわいそう。)」

絵だけ見てた。

だって絵がシュールすぎる。

絵を描いた人の才能が別のところで開花してる。

絵を見た人を笑わせにいっている。

「(みんな人相悪いんだよ・・・

  ニコリともしてないのがまた・・・)」

薄ら笑いの魔女を前に説明を続ける

アルファイのイライラは増したと想像に易い。

「(こいつ絶対聞いてない・・・)」

馬に念仏、ぶたに真珠、猫に小判。


そんな魔女が、アルファイに唯一質問をした。

「アルファイさん。

 占星術師は、このカードを使うんですか?」

アルファイは少しだけ考えて、答えた。

「占星術師は、星の動きを預言する。

 預言者は星に関わるすべて占いの全部を統括してる。

 積極的なつながりはないが

 占星術師は、タル・ロも知っているはずだ。」

「なるほどですね〜」

わかってない子に説明するって大変ね。

だが諦めない男、アルファイは言う。


『タル・ロは、“道”なのだ。

 道が複数あるように

 人の可能性を示唆するものだが

 その選択は、本人に委ねるものだ。』


魔女は、はじめて理解した。

占いというには寄り添いのない

だいぶ突き放されたような言葉が

逆に魔女にすんなり受け入れられた。

「(だから、ー、これは希望。)」

魔女は静かにタル・ロをシャッフルした。


なんか占いの精度を上げるためとか

色々事前に準備が必要だとか言われたが

何回言ってもアホ面の魔女にアルファイは言った。


「〜〜〜っっ!!

 もういい!

 お前は心を込めてカードをシャッフルしろ!!

 一枚だけカードを引く前に、

 精神を統一しろ!それだけでいい!!」

ー それだけは覚えていた。


シャッフルしたカードを手にして

魔女は呟いた。

『  ーーーーーー、ーーーー ーーーー  』


抜いたカードはわざと見なかった。

見ないまま。

そして手のひらに図柄を隠したまま置いた。

「(私が見たって意味ないから)」

手のひらを自分の顔の前に持ってきて

ふぅーっと息を吹きかけ、占星術師の目線の先に

わざと降るように落とした。


「ー?!」


はじめて、占星術師が動いた。

カードはヒラヒラと占星術師の前に落ちていく。

しゃがんだ占星術師を見た魔女は飛び出した。

「(作戦開始!!)」


占星術師の前に回り込む。

「っっ!」

占星術師を見た。ー 紫のローブ。

「え」



長身で髪は一つに括られていて

真っ青な腰までのローブを羽織り

下から覗く紫のローブの、ー 美しい女性。

「あ!迎えに来てくれた人だっっ!」

途中でいなくなったと思ったら

ここにいた。

「ー 魔女」

カードを持ち、立ち上がったその女性は

魔女を見て微笑んだ。


「ようこそ溶解室へいらっしゃいました。」

「?え、だって、ー あれ?」

魔女は思わず身構えた。

ゲームの中では、

占星術師は男女どちらかはわからなかった。

ローブのフードが目深にかぶられていたし

身長も高かった。ー 高かった?この女性も背が高い。

「(ん、てことは、

  ゲームでもこの人だったのかな?)」


その女性は微笑んだまま

カードをめくってじっと見た。

魔女は思わず止めようとした。

「あ、それ ー」


だが、女性はカードを見て言った。

「ー、大いなる天使は 秘密の叡智を司どる」

「?(なんて?)」

なんかかっこいいことを言ったようだが

魔女にはこれっぽっちも伝わってない。


「魔女、・・・今こそ」

その女性は魔女に片膝をつき、どこから出したのか

魔女へ向けて紅い薔薇を一本、差し向けた。

「え?な、何ですかこれ・・・」

ふとよぎったのは

エレーミナルス王の言葉だった。


『魔女殿、あなたを待っている者たちが

 ドノヴァッテン魔法王国にいます。

 この()()()()()を持ち

 どうか、お急ぎなさい。』

目の前に差し出されたのは、紅い薔薇。

「??」


「ー 魔女、このときを 私は待っていた。

 繰り返される時間を 繰り返される同じときだ。

 ようやく、ー 終えることが できる 」

恭しくも、魔女に頭を下げる。

「え、えっと・・・

 (これはこの薔薇を受け取る流れ・・・?

  そしてこれは ー)」

紅い薔薇を受け取りながらも 

またか、ーと思った。

「(アコーディオンしなきゃいけないのか。

  どうしよう、何て言うんだっけ・・・)」

アコーディオンじゃねえってばよ。

もういいか、アコーディオンで。

空気送り込んで弾き鳴らせよ。


紅い薔薇は魔女の手に渡る。

それがどういう意味かも知らずに。


そして、やっぱり良くない。

叙任アコレード

もう一回、言う。


叙任アコレードだぞ、魔女。


顔を上げた女性は、魔女を見て言った。


「 我が名は ティル・ナ・ノーグ

  ニアヴ。

  ー  解放しておくれ 」

「え?

 (なんかこの流れ、・・・ちがくね?)」


ニアヴと名乗った女性の括られた髪が

下から吹き上げた風に舞って、解け、金色が広がった。

魔法陣が展開された。

「長かった、魔女。

 ー ときここにきたるまで

 私はここに縛られていた。」

魔女を見上げ口元だけ笑う。

「?!」

その冷たい表情に、魔女は後退りしていた。


「さぁ、ろう。」

言いながら、ニアヴは青のマントを脱ぎ捨てた。

「(・・・やるって、何を、まさか・・・)」

何をするかは、薄々わかるが

その嫌な予感に

気付けば魔女の背は壁についていた。


「アンヴァル!!」

ニアヴが叫んだ。

魔女が背中をついた壁の右手には

展示品のように動かなかった傀儡の鎧。

「(やばいっ!わかってたのに!!

  油断したっ!ー、ど、どうする)」


鎧は動き出した。

剣を高々と天に向けるとニアヴの手から

星屑のような光が傀儡の鎧の剣を包んだ。


包まれた剣先から、

「(この距離じゃ避けられないっ!

  対策(タル・ロ)意味ないじゃん!!

  アルファイさんのバカっ嘘つき!!)」

傀儡の鎧は形を変えていく。


対策はこうだった。

その方法を知ったのは

ゲームファンによる攻略サイトだった。

『占星術師に、南塔で入手する

 ()()()()を投げると動かなくなる』

という、ものだった。

ただし、動かなくなるのはたかだか数秒で

結局倒すことには変わりがない内容に

検証することはなかった。


だが

「え」

魔女は口 あんぐり、だ。


()()()()()()()()()()()


“白馬” になった。

「う、うそ、馬じゃん・・・」

魔女はちょっと半笑いだ。

しかも真っ白な馬だ。


「う、ウマ?

(そしてここは塔の中)」


キラッキラの白馬アンヴァルはニアヴの側に寄り

ニアヴに鼻筋を撫でてもらっている。

ニアヴは紫のローブをひるがえし

白馬アンヴァルに跨った。


「さぁ魔女、ー 待ちくたびれた、今こそ ー」

そう言って


「!!!(うそ、ここで?!)」

魔女へ向けて “星降る千の雨”の詠唱を始めた。

「(え、え 待って、え)」

これはかなりの想定外の状況だ。


頭ではその魔法がどう言うものかよく知っている。

今すぐ詠唱を止めるための攻撃をするか

隠れるために逃げなければいけない、ーのに


体が動かない。ー


ニアヴが伸ばす手の先から

光る雲が部屋中の中に行き渡り

これから起きる悪夢なんて

少しも思えない。


魔女は 完全に 動かない。


ニアヴは魔女を見据えたまま、手を振り下ろした。

その表情は恐ろしいほど、人形のようだ。


「!!」

防御の姿勢すらその体は取っていない。

ただ、立ち尽くして

紅い薔薇を持ってニアヴを見ていた。


星の弓矢は、魔女に降り注がんと

瞬間 光の雲の中。

轟音と同時に空から星の弓矢が魔女を捉え

一斉に降り始めた。



「(もっもうダメだっっ)」

魔女はぎゅっと目を閉じた。

「(そういえば、魔女()が死んだら

  ・・・どうなるんだろ)」

そんなことを思ったら



はじかれる音に、目を開く。


『 馳せ参じ候、』

「!?」

誰かが魔女の頭上、その雨を 防いだ。

魔女はゆっくりその誰かを 見上げた。


降りしきる星の弓矢が 部屋の地面に叩きつける。

地面に落ちた星の弓矢は星屑の飛沫をあげている。


そんな幻想的で美しく残酷な中


魔女は、ー その誰かを見て

「えっと・・・だれ?」

(もう何度目かの)誰か知らなかった。


星の弓矢が綺麗で

あまりにもその状況が美しかったものだから

一回ぐらいは当たっても大丈夫やろ、

ぐらいな気持ちだった。

「(緑花芽草も飲んでるし

  ひと通り、バフ効果はあるから)」

何せ、二階に戻って

ポケットパンパンにしてきた。

プレイヤーの時も、1回は当たっても

致命傷じゃなかった。


そのあとはすぐに逃げるつもりでもいた。


だから

今こうして、知らない人が自分を守っているのが

それ以上に 意味不明なのだ。

「ど、どなたでしょう、か・・・」

『ー...契りの使いだ』

「!えっ!オンラインから来た?!

 うそ〜!はじめて助っ人来た〜!!」

『?何だそれは』

「え、助っ人でしょ?」

『違う、契りだ。』

「っていうか、どなたですか?」

男は、軽々と防御用の魔法を展開し

魔女に向いた。

『魔法隊長 ヘムズワス、

 魔女の契りにより

 ここに馳せ参じ候。』

「?魔法隊長?ー?」


魔女が首を傾げるのも確認しないまま

魔法隊長ヘムズワスは、次の魔法詠唱を始める。

「え、なに、何してるんですか?」

「こちらも攻撃を行う。」


ニアヴは、構わずに“彗星の尾”の詠唱に入る。

「ちょ、ちょっと待ってください。

 あのっ!」

「汝を おさめん

 ()()()()()()()()()()()()() 

 動きだs」「動かなくっっていい!!!!」

バシっっ!!

「!!っ」

魔女はヘムズワスの手をはたく。

「?!何をする!」

ヘムズワスは魔法詠唱を妨害されて

少々ご立腹のようだ。


「待ってって言ったんです!ちょっとストップ!」

「そのような悠長なことを

 言っている余裕はない!!

 ーっ」

ニアヴの詠唱が終わる、とー、

丸太、違う、魔法の槍が飛んできた。


ドォォォォッッッッッ!!!



衝突の凄まじい巻き返しの爆風と

閃光が部屋を走った。

「!!!」

部屋中の埃がその爆風で巻き上げられる中

ニアヴは白馬アンヴァルに乗ったまま

その中心をうかがうように見ていた。

「(やったか・・・?)」


光が埃の中で消え

風が止む頃、

その中心には 魔女が立つ。


魔女は紅い薔薇を持ったまま、片方の手で

その彗星の尾を受け止め、握り潰していた。

バシュンッッッ!!


「っふぅ、危なかった〜」


手をプラプラさせながら

ニアヴを見てヘラっと笑った。


魔女の後ろで、ヘムズワスはポカンとしていた。


ニアヴはもう一度、彗星の尾の詠唱に入ろうとした。

「あの〜」

魔女は、ニアヴに近付いていた。

「?!」

魔女は白馬アンヴァルの鼻筋を撫でる。

「戦うの、やめませんか?

 ね?君もそう思うでしょ?」

「っな」

「へへ、知ってる牛もね、ここ撫でられるの

 好きなんですよ〜。

 スージーっていうんですけど〜」

白馬アンヴァルは嫌がることなく

魔女に撫でられていた。

魔女は撫でながら、ニアヴを見上げて


言った。


「ニアヴさん、

 タル・ロは 何て言っていましたか?」

それまで人形のように動かなかった表情が

魔女の一言で、うろたえる。

「!」


白馬アンヴァルを持つ手綱が震えた。






アルファイ情報:魔女にタル・ロは無理。

        カードに描かれてる剣の

        本数すら数え間違える。

        6か7ぐらいだと!?


ラース情報:決めた。


オーゲル情報:北の像がヘムズワスって

       ウケる。

       あいつ、生きてるよ。












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