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ヤンデレのキミ  作者: かき氷・シラー
高校生編
33/66

私の過去

私、瀬尾花織は喜怒哀楽の乏しい子だった。

保育園、小学校と感情が上手く表せなかった。怪我をすれば痛い。テストで100点を取って嬉しい。でも私はそれを顔⋯表情に表すことが少なかった。


同い年の子からは不気味がられた。そのせいで虐めも受けた。「仮面女!」「無表情!」と私はいじめを受けて悲しいと思った。でも大泣きすることはなく言い返したりもしない。

そんな私が変わったのは中学に入ってから、中学も近くの中学に通っていたので保育園から一緒の子や小学校から一緒になった子もいる。

必然的に私はまた虐めの対象になった。

上履きは隠され、トイレ扉をずっと押さえつけられたり、ドアを開けて黒板消しが落ちてきたことある。


顔には辛い顔があまり出なかった。

でもそれは顔に出ないだけ、辛い気持ちは蓄積して行った。

そして私は嫌になった。生きてることが、なんでこんなに辛いんだって気持ちを顔に表すのが苦手なだけなのになんで私はこんなに虐められないといけないのかと、学校の屋上、普通は施錠されていて誰も入れない。でも近くにある窓は鍵がかけてあるが開けられる。


そこから私は屋上に出た。

そして屋上の縁に立つ。ここから飛び降りれば全てが終わる。こんな辛い世界から消えることが出来る。

でもそんな私を止める人がいた。


「おい、待て」


いきなり後ろから話しかけられびっくりして体が跳ねる。後ろを振り向けば1人の男子生徒がいた。

どうしてこんな所に?

そう思ったら男子生徒が直ぐにその答えをくれた。


「まったく、人がサボってたらいきなり自殺志願者が来るとか辞めてくれよ」


その男子生徒はサボっていたようだ。


「どうして自殺なんて考えたんだ?」


「えっと⋯⋯」


「人に話せば解決することもあるかもしれないだろ、俺はお前のことは知らない、家族や友達に話すのが辛いなら他人に話せばいいんじゃね?」


私はその言葉を聞いてポツポツと男子生徒に向けて今までのことを話した。


「なるほどな、だったら笑えばいい」


「え?」


「笑うんだよ、表情が顔に出ない?もっと楽しいと思うんだ、最初は作り笑顔でもいい、笑ってみろ、笑うと気持ちが明るくなる。嫌に気持ちが晴れてくるはずだ、ポジティブシンキングなんて言葉もあるだろ、とりあえず明るく笑うだけで表情なんてのは次第に現れるようになってるさ」


笑顔⋯⋯作り笑顔⋯⋯。


「それにな、1人が太陽のように明るく笑ってるだけで周りは気持ちよくなる、友達が増える、とりあえず笑ってみろよ」


私はそう言われたから笑顔を作ってみる。

最初は作り笑顔。

男子生徒からはもっとニコッとしろ。こうするんだなんて言われて実演なんかもしてもらった。

男子生徒と笑顔の練習をする。そんな行為が私は面白くて笑ってしまった。


「それでいいんだよ、その笑顔、忘れんなよ」


私は自分で自然と笑顔が出来ていたらしい。


「じゃあ授業終わるしそろそろ戻るわ、じゃ!」


男子生徒は窓を飛び越えて校舎内に戻ってった。

私はその日から変わった。笑顔の練習をした。気づけばいつの間にか笑顔を作ることが出来た。

友達が出来た。いまでは感情表現豊かになった。


未だにあの生徒の名前は知らない。でもこんな私になるきっかけをくれた命の恩人に感謝しかない。

この名もない男子生徒は颯馬ではありません。伏線でも何でもないので伝えときます。

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