8 潜入、三井家
-10月16日世田谷区09:38-
犬の死骸を見て綾香はデジカメを取り出し写真を撮る。これだけでは何の記事にもならないが今後の調べでこれが何か役に立つかもしれない。
そして問題はどうやってあの刑事たちを撒くか。綾香は考えていた。すると、どんどんと近くの民家の扉をたたく音がし、大きい声で
「吉野さーん、いらっしゃいませんか?」
大軒だ。所在確認をしているのだろう。チャンスかもしれない。尚もそう思ったのだろう。家の門から道路を見渡す。くいくいっと尚は手招きし、できるだけ足音を立てないように恵里の家に向かうため角に入った。
その数秒後ドタドタと大軒が道に出てきた。大軒の部下たちが驚いて大軒について出た。
「どうかしたんですか大軒さん」
「いや、今なんか足音がしたような気がしたんだが。何か聞こえたか?」
大軒は部下に尋ねるが、部下たちは首を振った。うーん、少しうなった後再び民家の所在確認を行い始めた。
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尚と綾香は恵里の家についた。途中2度ほど警察がいたがうまく切り抜けられた。尚は少し緊張して門戸を開け、中に入る。ドアを音がしないように引く。開いた!鍵がしてあると思ったのに。
尚と綾香は家を捜索し始めたが、これといった手掛かりはない。中が荒らされた様子もないし、計画された失踪事件を示すようなものもなかった。
尚は恵里の部屋に入った。尚と一緒に写った写真が机に立てかけられていた。最近いったディズニーランドの写真だ。尚はそれを見て心が少し痛んだが、机の引き出しを開け始めた。もし私が恵里の立場なら、たとえ親友だとしても机に引き出しを開けられるのには抵抗がある。めぼしいものは何もなかったが一冊のキャンパスノートが目に入った。
日記のようだ。パラパラとめくったがノートも半分ほどしか埋まっていない。最初のページは9月4日、かなり最近書き始めたようだ。
ほかの部屋をガサガサと漁る音がする。綾香が別の部屋を家探ししているようだ。10分ぐらいたったところで外がやや騒がしくなってきた。警察がこのあたりを捜査し始めたのだろう。
尚は恵里の日記を、綾香はどうやら成果なしの様子でかばんは薄いままだった。そして警察が恵里の家に来るまでに何とか排水路の入り口まで行き、集合場所の公園に向かった。
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-10月16日世田谷区11:15-
綾香はほとほと疲れていた。あんな臭い排水路を通り、警察に見つかるかハラハラしながら取材を行ったのに証拠が得られなかった。確かに警察があの一帯を封鎖したり、住民の所在確認をしているあたりあの地区での第2の住民集団失踪事件があったのは間違いないだろう。
クソ、あと証拠があれば。綾香は自分がかなり臭いということも忘れ証拠が得られなかったことにギリギリと歯ぎしりをした。
一方尚は、恵里が書いていた日記を見ていた。9月4日、書き始めの1Pから違和感のある日記だからだ。
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9月4日晴れ
今日から日記を書こうと思います。普段は日記なんか書くキャラじゃないんだけど。どうして日記を書こうと思い出したかというと、実のところ私にもよく分かりません。でも最近なんだか以上に眠くなることがあるの。
毎日しっかり寝ているのに。朝の一発目から居眠りをしたり。それに最近光がとてもまぶしく感じる。いつからだろう。2日前くらいからかな。きのせいかもしれないけど。
うーん、なんか今これを書いておかないとやばいって感じがするんだよね。よくわかんないけど。
てことで今日はここまでお休みっち―(笑)




