第44話 一件落着
パーティーの結果を見れば大成功だった。
僕と日向が運営に参加をしなくても、小雪さんが加わったことで円滑に運営をすることが出来ており、パーティーに参加してくれたみんなの顔も笑顔に満ちていた。
「大成功だな。おめでとう夜霧会長」
「神凪会長。ありがとうございます」
「やめてくれ。私はもう会長じゃない。普通に神凪でいいさ」
「そう……ですね。神凪先輩」
「それでいい。聞いた話によると大変だったそうじゃないか。大丈夫だったかい
?」
会場内で神凪先輩に話しかけられる。日向も会場内にはいるけど休憩中の小雪さんに車いすを押してもらっているので、今の僕は一人だった。
「大丈夫……とはお世辞にも言えませんね」
「だろうね。その両腕、痛むかい?」
「少しは。でも、日常生活に支障をきたすほどではないですし。ちゃんと動きますしね」
僕は神凪先輩に安心してもらえるように、腕をプラプラ振って見せる。ほんの少しだけ差し込むような痛みが走るけど、表情を取り繕う。
「名誉の負傷と言う奴だな。誇ると良いさ。君は幼馴染君にとっての英雄になれたのだから」
「僕のせいで今回の事件に巻き込んでしまったという面もありますから。素直に喜ぶ権利なんか僕にはないですよ」
「君は相変わらず物事を難しく考え過ぎる節があるな。もっと楽観的に生きると良い」
「難しいですね。今までこういう考え方で生きてきたので」
僕がもっと付き合う相手をしっかり選んでいたなら、日向に怖い思いをさせずに済んだのに。
いや、そうなってしまったら僕と日向が付き合うという未来もなかったのかもしれない。
「そうか。いや、そう言う返答も含めて君らしいと言えば君らしいな。時間を取らせてすまない。私はもう行くよ」
「そうですか。今日は来てくださってありがとうございました」
神凪先輩はニコニコしながら、水無月先輩を引き連れて会場を後にした。
なんだか、ここに来てようやく一息つけるようなそんな気がする。
「やっと、一休みできる」
「そうはいかないね。うちの妹が君をご指名だ。ここの運営は私たちに任せて今日はもう家に帰ると良い。正直疲れたろ?」
「そうですね。では、お言葉に甘えてそうさせてもらいます」
僕は小雪さんに一礼をして、今も忙しそうに作業をしている隆介と秋奈さんに声をかけてから、日向と一緒に家に帰る。
こうして、家に帰れてることが幸せだと噛みしめながら。
僕たちは家に帰るのだった。




