第28話 日向の絶対的な味方と動き出す悪意
「最近私の変な噂が流れてるらしいんだよね」
「変な噂? 具体的にはどんな?」
「私が浮気してるだとか、遊び回ってるだとか。そんな根も葉もない噂だよ。もちろん浮気なんかしてないからね!」
「それはわかってるよ。そんな時間もないだろうし。日向はそんな不誠実なことをするような子じゃないってわかってるから」
日向は僕の膝の上で寝転がりながら、ポツリポツリと呟く。
多分、噂が流れている事に対して不安に思っているんじゃなくて僕が噂を聞いて勘違いすることを怖がってた感じなのかな?
「あ、ありがと」
顔を赤くして、日向は僕の目を見つめてくる。晴天の空のような澄んだ青色の瞳が向けられる。
やっぱり可愛いな。でも、こんなにも可愛い彼女を不安にさせるような噂を流した人間は許せない。
しかも、嘘の噂で貶めようとするのなんて。
「なんでそんな噂を流されてるのか、心当たりとかあったりする?」
「全然ないんだよね。何か悪い事をした覚えもないし。本当に謎」
「逆恨みとか、そう言う感じかもね。気にしても仕方ないし、小雪さんに相談して一旦放置するしかないか。歯がゆいな」
僕にもっと力があれば、こんな問題すぐに解決できるのに。
今の僕じゃ、何にもできない。何かを成すためにも早く生徒会に入らないと。
「だね。でも、こうやって湊くんが絶対的な味方だってわかって私は凄く安心したよ」
「勿論だよ。僕はなにがあっても日向の味方だ。それだけはこれから先どんなことがあっても変わらない」
「えへへ。ありがと。そう言ってもらえて、本当に、安心した」
「眠いなら少し寝てもいいよ。今日は頑張ったしね」
うとうとと眠そうに瞼をぱちぱちしている日向の頭を撫でる。
すると、嬉しそうに頬を綻ばせて少し経った後に規則的な寝息が聞こえてきた。
その姿はあまりにも可愛くて、天使のように見えた。
「おやすみ。日向。噂の件は絶対に僕が何とかするから。安心してくれ」
サラサラの頭を撫でながら、僕はそう決意する。
【ほのか視点】
「湊、生徒会選挙なんかに出てたんだ。ふふ、流石私の彼氏。副会長は私かな~」
そうなるためにも、湊を洗脳して自分の良いように動かしているあの泥棒猫をなんとかして排除しないといけない。
「噂くらいじゃ、湊の洗脳を解かないんだね。そっちがそのつもりなら、こっちにだって考えがあるんだから」
掲示板を見ながら、私は一人呟く。そんな私の肩を掴んでくる人物がいた。
「誰?」
「誰でもいいでしょ~それよりも忠告だにゃ。これ以上望月日向に危害を加えるような真似はしない方がいい」
「なんでそんなこと言うの!? あの泥棒猫を地獄に落として湊を取り戻さないと!!」
「……はぁ。手遅れだねこりゃ。わかった、じゃあもう何も言わない。でも、後悔するよ」
私にそう言ってきた人物は、私が顔を見る前にどこかに行ってしまった。
一体何だったのか。
「まあ、いいや。もう、噂を流すなんて間接的な嫌がらせだけで済ますつもりはないから。絶対にユルサナイから」
どんな手を使おうかな~
私が直接手を下してもいいし、他の人間を使ってもいい。
とりあえず、あの女を絶望のどん底に叩き落としてから湊を奪い返す。そしたら、私たちは二人で生徒会を運営して幸せな学生生活を送るんだ。
「あはは。そのためにもあの害虫はしっかり駆除しなくちゃね」
【ほのか視点終了】




