第25話 順調な選挙活動
「そんなの勝手に決めちゃっていいの!?」
「会長以外の役員は会長に選任権があるからね。僕が会長になったら日向と隆介は絶対に役員にするよ」
「私、ちゃんと巻き込まれるんだ」
「嫌って事なら無理には勧誘しないけど。僕は日向が隣にいてくれたら嬉しいかな」
これ以上、僕みたいな虐めの被害者を生まないためにも。
会長として何かをするんなら、僕は隣に日向がいて欲しいと思う。
日向がいれば、どんなしんどい事とか辛いことを乗り切れるような気がする。
「そんな言い方されたら、断れないじゃん。わかった。湊くんが会長になったら、私が副会長になってあげる」
「ありがとう。そう言ってもらえて凄くやる気が出てきたよ」
「頑張って。凄く応援してるからね」
こうして、僕の選挙活動が始まった。
正直、右も左もわからないけど。
そこら辺は神凪会長や水無月先輩に助けてもらいながら進めていくことにしよう。
かといって、二人に任せっきりじゃなくて。
ちゃんと自分でも積極的に動いて行かないといけない。
◇
「か、神凪会長マジ凄いですね」
「そんなことないさ。みんな君に多少な引け目を感じているんだろう」
「だからってこんなに簡単に票を集めれるんですか?」
今日は選挙の中間発表日。
僕もそれなりに頑張ってきたと思うんだけど、それ以上に神凪会長の人望が凄すぎる。
僕の信用だとか、信頼だとかは全くなかったけど。
「君の努力もみんなに認められてるのさ。最近はちゃんと真摯に選挙活動に取り組んでいるらしいじゃないか」
「まあ、せっかく神凪会長にも力を貸してもらっているので。自分だけ何もしないだなんてことできないですよ」
「君は相変わらず律儀だね。そういう所は好感が持てる」
「それはありがとうございます。会長のおかげで中間発表一位を取ることができたわけですけど」
「これからは普通にやって行けばいいよ。そもそも今回の選挙はほとんどお飾りみたいなものだからね。他の選挙者も勝てるとは思っていないさ」
「それを僕に言うのはどうなんですかね……」
まあ、確かにそんな予感はしてたけど。
それはそうとして、僕はこれからどう動くべきか。
「すまない。だけど、君は多分生徒会長になって何かやりたいことがあるんだろう?」
「……なんでわかるんですか?」
「最近の君は昔と違って少し怖い。だから何かの目的が出来たんじゃないかと思ってね。違ったかい?」
「違わなくはないですけど。そう言うのわかる物なんですか?」
僕はそこまで表に出してた覚えはないんだけどな。
やっぱり神凪会長は底が知れなくて怖い。
全てを見透かされているような気分になる。
「わかるさ。それなりに長い付き合いだ」
「怖いです。でも、悪い事をしようとしているわけじゃないんですよ」
「知っているさ。君はそう言う人間じゃない」
「全てを知っているようなものいいですね」
でも、僕はやると決めてしまった。
だからこそ、もう止まるつもりはない。
「何をしようとしているかはわからないけど。頑張ると良い。私は応援しているよ」
会長にそんなことを言われながら、僕はこれからの選挙活動も頑張るのだった。




