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彼女をNTRされ絶望して全てを終わらせようとした屋上で幼馴染に拾われた  作者: 夜空 叶ト


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第10話 この問題が解決したら、デートしよ

「大衆が面白い嘘を好むのなら、こっちは面白い真実で対抗するのはどうかな?」


「面白い真実?」


「湊くん、そんなのがあるの?」


「あるかどうかはこれから探ってみないとわからないけどね。あの、佐山って人は何かある気がする」


 これは完全に僕の勘だけど。

 周囲の評価が異様に高いわりに、本人の性格は最悪。

 そんな人物が問題を起こさないのは少々違和感がある。

 上手く隠してるのか、それとも今回みたいに嘘の噂で払拭したのか。

 どちらにしても、許せない。


「佐山な~確かに良い奴って感じじゃないしな。バスケ部のエースって話だけど。それで他の高校のバスケ部のことを見下してたり。そう言う噂は聞くな」


「そうなんですか?」


「ああ。俺も又聞きしたくらいだから、確かなことは言えないんだけどな」


「なるほど」


 もう、なんでほのかが浮気したのかは気にならない。

 そこを気にしても仕方がないし。

 それに、冤罪まで着せられて裏切られた以上はこっちも容赦はしない方がいい。

 やるのなら徹底的に相手を追い詰めないと。


「でも、お姉ちゃんが学校に働きかけてくれてるからすぐに虐め関連の調査が始まると思いますよ」


「そうか……望月先生が動いてくれるんなら安心だな」


 小雪さんは学生から絶大な人気と支持を集めている。

 美人だから……と言うだけではない。

 教え方のうまさ。

 他にも、相談事を真摯に受け止めてくれる優しさ。

 そして、いざという時に味方になってくれる安心感。


「小雪さんには迷惑をかけっぱなしだな」


「そんなことないよ。お姉ちゃんは本当に湊くんに申し訳なさそうにしてたから」


「そっか、望月先生と湊は昔馴染みだったな」


「うん。少し年上のお姉ちゃんみたいな感じだよ」


 小雪さんには本当に昔からお世話になっている。

 仕事が忙しい両親に変わって、僕の面倒を見てくれていたのが小雪さんだった。


「俺もあんな年上にお姉ちゃんみたいな存在が欲しいぜ」


「なんだか邪なものを感じますね。ダメですよ。隆介君」


「まあまあ。そう言うわけで、来週からは僕もあの佐山って人とほのかについて探ろうと思う。これ以上他に被害者を出さないためにも」


 きっとあの佐山って人は今回の件が初めてってわけじゃないと思う。

 これ以上、僕と同じような被害者を増やさないためにも。


「わかった。湊くんがそうしたいのなら、私はそれを応援するよ」


「俺もだ。湊が味わった苦しみを倍返しにしてやろうぜ!」


 隆介は少し悪い笑みを浮かべながら、サムズアップしている。

 倍返しまではしなくてもいいけど。

 相応の報いは受けて欲しいなと思う。


 ◇


「隆介君、相変わらず元気だったね」


「だね。僕もこうして話すのは夏休みが始まる前だけど、全く変わってない。安心しちゃうくらいだ」


 逆に、隆介がしょんぼりしてたり元気がなかったら凄く心配になる。

 心配すぎて頭がどうにかなるかもしれない。


「湊くんは本当に隆介君のことを信頼してるんだね」


「そりゃね。小学生からの付き合いだし。いつも隆介に助けられてるからね」


 何度も何度も僕は隆介に助けられている。

 今回だって、隆介の力を借りることになりそうだし。

 また今度、今回の件が落ち着いたらお礼に何かをプレゼントするべきなのだろう。

 いや、一緒に温泉に行くのもありか。


「なんか、私にはわからない絆みたいなものが生まれててちょっとうらやましい」


「そんなことないさ。僕は日向のこともちゃんと信頼してるよ?」


「そ、そっか。それならいいんだけど」


 髪をくるくるいじりながら話す日向は凄く可愛くて抱きしめたくなる衝動に駆られる。

 いや、流石にダメだろ。僕たちは幼馴染とはいえ、付き合ってもない女子に抱き着くなんて。

 一歩間違えたら逮捕案件だ。


「うん、じゃあ、戻ろっか」


「だね」


 自分の家のはずなのに、今はそんな気分にはなれなかった。

 ここは僕の居場所ではない。

 何故かそう錯覚させられる。

 今の僕の居場所は小雪さんがいて、日向がいる。

 彼女たちの家なんだから。


「ねぇ湊くん」


「何?」


「学校の問題が色々片付いたらさ、今度デートに行かない?」


「別に出かけるくらいなら、明日にでも行くけど?」


「それじゃあ、意味が無いから。もっとちゃんと落ち着いた状況で話したいことがあるから」


 いつになく、真剣な日向の様子に少し気圧される。

 この話したい事と言うのが、彼女にとって真剣なものであることは容易に想像がついた。


「わかった。その時は二人でデートしようか」


「うん。約束だからね」


 こうして、また一つ問題を解決しないといけない理由が増えた。

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