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第二話:ノルマティア族

ソツア村の入場門には、数万〜数千を超える軍隊が押し寄せて来た。

その軍隊の特徴は、赤い軍服を来ていて、金色の中世の鎧と天使の羽を連想させるシンボルの旗を持っている。

そこでソツア村の門番が遠くの音声拡張機を使ってこう聞く。

「そこの者達、何者だ」

すると怪しげに笑いながらこう答える

「これは、これは、失礼。私、『ノルマティア族』の長の『ティピカル』と申します」

門番は怪しさを感じながらも、よく耳を傾けて聞いた。

「ノルマティア族? 聞いたことがあるが、『平均化を美』と謳っている民族と聞いたが・・・・・・」

「その通りです! ですから、我々の民族とソツア族の皆様と目的が合うのではないかと・・・・・・」

門番は感じていた怪しさが薄れ、ノルマティア族の侵入を許可した。

このことがのちに大惨事になるとは知らずに・・・・・・

「そうでしたか! これは失礼。ではまずは入ってください・・・・・・」


ノルマティア族がソツア村に入ると、そこは蒸気機関の機械サムの音声機能が起動した。

「ハジメマシテ、ソツア村ニヨウコソ」

ノルマティア族はこの蒸気に包まれ機械化された街を眺めながら、前へ進んで行く。

「ほう、これがソツア村か・・・・・・流石ソツア族と言うべきか」

すると、すぐにソツア村の村長がティピカルを出迎えた。

ティピカルはソツア村の村長にギュッと握手し、抱こうとする。

しかし、村長はその握手はしたものの、ハグをしようとした瞬間手を払い除け、怒りを現した。

「な、何をする!」

その行動にティピカルはそのことに不信感を持ち顔をしかめた。

「す、すまない。我々の国では抱くことがあいさつとしているんだ。突然こんなことをして申し訳ない・・・・・・」

村長は不信感を感じながらもこう伝えた。

「次は気をつけたまえ」


――数分後


ノルマティア族の軍勢はソツア族の文化に浸りながら、色々と観察した。

すると突然、ティピカルはあるネックレスを村長にあげると言い出した。

「これはなんだ?」

村長は指に一瞬針で刺されたような痛みが走った。

それに村長は痛がったが何も疑う気もなく、それを首にかけた。

「これはノルマティア族の職人が10年かけた代物です」

「おお! これは嬉しい。我々、ソツア族の職人も数十年とかけた代物がたくさん作っている。ぜひあなたにも持っていってもらいたい。」

村長とティピカルは最後にハグをした。

だが、その次の瞬間村長は震え出し、もがき苦しみ始める。

「・・・・・・き、貴様! 何をした!」

「ちょっと小細工を・・・・・・ね」

村長はもがきながらも怒りを露わにする。

「我々の仲間になるんじゃ?」

「『仲間』? 誰が『仲間』になるって言った? 我々の崇高な平均化の民族と一緒にするな。」

ティピカルは村長の胸ぐらを掴んでこう言った。

「私はな、村長。この汚れた闇魔法を使う民族を根絶やしにするためにここに来たんだよ。それに『心がない民族』は殺してもお前らはなんも思わないだろう。これは正義なのだよ」

「・・・・・・なん、だと・・・・・・!?」

ノルマティア族の軍勢は一斉にソツア村の村人を槍や剣、攻撃的な白魔法を使って殺し始めた。

「若い奴と女子供は奴隷にしろ! 老人と身体の不自由な奴は殺せ!」

「・・・・・・お前ら・・・・・・許さないぞ!」

村長は吐血し、息絶える。


***


一方、カゲは村の様子を見て、村の家々が燃やされていることや村人が逃げまとっている様子を見て異変に気づく。

「村の様子が何かおかしい! 君は待ってろ!俺は先に行って見てくる!」

ヘカテーは手を握って止めようとする。

「待って! 私も行く!」

「ダメだ! 今行かないとおじさんも危ない!」

カゲは手を離す。


***


カゲは村の中心部へ行くと、そこでは血の海と化していた。

「クソ! みんなめちゃくちゃだ!」

ヘカテーの家に行くとそこにはおじさんが殺されており、完成した刀のような武器がただ置かれていた。

「なんで・・・・・・」

しかし、一旦カゲは冷静になり、使えるかもしれないと思い、カゲはその武器を手に入れた。

カゲは家から出ると、ノルマティア族の軍人が押し寄せて来た。

「来い! お前も奴隷の仲間入りにしてやる!」

そう言った瞬間カゲはその武器で斬りつけた。

「ぐわあああああ!」

断末魔を発しながら、その軍人は倒れる。

「あ、あああああ!」

カゲは自分のしたことに衝撃が隠せなかった。

「俺も人殺しだ・・・・・・」

カゲは血塗られた手を見ながら、覚悟を決める。

「でも、このままだともっとまずいことになる!」

カゲはヘカテーの家から出て行き、他の襲われている人を助けに行く。

「だ、誰か助けて!」

遠くの方から女性の声が聞こえる。

カゲはその声の方へと行くと、そこにはティピカルがいた。

カゲは覚悟を決め、大声でこう叫ぶ。

「お前が長か! なぜ殺した! 教えろ!クソったれ!」

すると、ティピカルはこう叫んだ。

「そんなでかい声を出すんじゃねぇ劣等民族!!」

ティピカルは急に冷静になって反論した。

「女子供は生かしてやっているんだからいいだろ? 普通だったら殺すか、犯していたぜ」

「ふざけるな・・・・・・!」

ティピカルは笑いながらこう答える。

「やはり、噂通りの劣等民族だな。話すことも苦手、聞くのも苦手・・・・・・」

カゲは抑えきれぬ大きな怒りを露わにする

「何がいいたい・・・・・・!」

「お前も死ぬってことだよ」

ティピカルは手から光に近い色の魔法陣を出し、矢のようなものを発射した。

すると突然、誰かが身を庇った。

「・・・・・・カハッ!」

その人は血を吐いて倒れた。

そう、ヘカテーだったのだ。

「ヘ、ヘカテー!」

「ハハハ・・・・・・!実に馬鹿だな。話し合いが苦手なのに心はあるんだな。壊し甲斐がある!」


――数年前


赤ちゃん用のベッドに座ったカゲの姿が映し出される。

そこにはカゲの母親らしき人物が映し出された。

「この子、抱っこするよりもベッドで寝ている方が泣き止まずに寝ている・・・・・・変わった子ね」

そしてもう一人、父親らしき人物もいる。

「そうだな。でも、この子は将来闇魔術の天才になるだろう。ソツア村では闇魔術は善として使われて来たが、他の種族から差別されて使い手がいなくなってしまった・・・・・・この子ならきっと『善の闇』を使いこなせる・・・・・・」


――そして今に至る


「ヘ、ヘカテー!!!!!」

咄嗟に、カゲは彼女を抱き抱える。

「ヘカテー! しっかりしろ! 死ぬな!」

「カ、カゲ・・・・・・もう私ダメみたい・・・・・・」

カゲは口の中に涙の味が広がる

「私ね・・・・・・昔はソツア族だったことが嫌だったんだけど、今はソツア族であることに誇りを持っているの・・・・・・みんなのおかげで自分がいてよかったって思えた・・・・・・」

「俺もだ・・・・・・ヘカテー・・・・・・」

カゲは涙をながら、ヘカテーにキスをする。

その瞬間、ヘカテーは静かに息を引き取った。

「気持ちの悪いメロドラマを見せやがって・・・・・・恋人ごっこなら他でやりやがれカスが」

ティピカルはそう一蹴させようとすると、その瞬間カゲは紫色のオーラに包まれた。

「・・・・・・何だ、これは!?」

カゲは頭の中が一瞬混乱しそうになったが、過去の記憶を思い出し、心で納得することができた。

「お前はお前を絶対に許さない・・・・・・地獄も煉獄にも行かせずにお前という価値そのものを消し去ってやる・・・・・・!」

しかし、ティピカルは笑いながらこう言う。

「フンッ! たった一人と非力な民族で何ができるというのだ!」

カゲは覚悟を決め、こう答えた。

「そうだな。だが、お前を無に返すにはここで討たねばならぬ!」

ティピカルは怒りながら、軍隊にこう伝える。

「お前ら! このおかしな男を殺せ!」


つづく

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