第一話:ソツア族
ここはソツア村。
蒸気機関によって自動化された機械によって街は構成されている小さな村である。
そこでは、蒸気機関で作られた機械『サム』を使って皆が黙々と労働している。
ソツア民族は身長が160cm代と小さく、力も貧弱だ。だからこそ、機械によって大きなものを自動化する技術に長けたのだとも言える。
その大きな都市の中で小さなトタン屋根でできた小屋の外のロッキングチェアでくつろいでいるのが今回の主人公『カゲ』18歳。
彼の身長は165cmでソツア族としては珍しい筋肉質な体型で、黒のライダースジャケットを着ている。
するとどこかから女性らしき声が聞こえる。
「カゲ!ここのところ治して欲しいんだけど!」
すると、大きな声で彼は返す。
「ああ!今行くよ!」
彼ははしごを上り、屋根にある機械のサムを見に行く。
「よかった!来てくれて!ここの部品がなんか浮いちゃっているんだよね」
彼女の名前はヘカテー。
身長は159cmで茶色いつなぎを着た女性で、垂れ目でおっとりとした性格で、カゲの幼馴染であり、理解者である。
「ヘカテー、そこはこうして・・・・・・」
カゲは細かいところまで気づき、何とか機械の不具合を治すことに成功する。
「カゲ、ありがとう!昔から、こういう細かなところを見つけるのが上手いよね」
カゲは嬉しそうに返す。
「ありがとう。でもソツア族だからっていうのもあるかもね」
すると突然ヘカテーは何か提案をする。
「そうだ。今からおじさんに会わせてあげるよ」
カゲは理由が聞きたく聞いてみた。
「どうして?」
「マークおじさん、カゲ以上にすごい機械に詳しいから」
「そうなんだ。どこにいるか教えて」
(ヘカテーの家に着く)
カゲはヘカテーのうちに上り、挨拶をする。
「お邪魔しまーす・・・・・・」
ヘカテーは家の地下を案内して、おじさんに会わせてくれた。
カゲはマークにゆっくりと名前を尋ねる。
「あなたがマークさんですか?」
マークは蒸気機関でできた刀のような機械を素早くかつ精密に動かしながら答えた。
「そうだ。俺に何かようか?」
「おじさんったら昔から話下手なんだからー・・・・・・」
カゲはその機械に無我夢中になって目が離せなくなっていた。
「マークさん、この作業は今日何時間ぐらいやっているの?」
「さあね、12時間はずっと座っているかな?」
カゲはその集中力に驚く。
「12時間!?」
ソツア族の特性として高い集中力が挙げられる。
すると刀のような機械が完成したらしく、その機械をカゲに渡してきた。
「持っていけ」
「こんな高価なものもらってもいいんですか?」
そうするとマークは笑ってこう返す。
「『お前だからこそ使いこなせる』」
マークは意味深な発言を告げてから、家の外へ出て行った。
「俺たちもそろそろ出るか」
ヘカテーも便乗して返す。
「ええ」
(夜のソツア村)
突然、カゲはヘカテーに提案をした。
「ヘカテー、見せたいものがある。あの山に一緒に来てくれないか?」
ヘカテーは疑問を持ちながらもカゲと一緒について行った。
「え、ええ」
(山頂)
「ヘカテー、俺が手を繋ぐからまだ下を見ていて」
「う、うん」
カゲは手を離し、ヘカテーにこう伝える。
「ヘカテー、上を見上げて」
すると、空には幾何学模様の星々が散りばめられていた。
「すごい!なにこれ綺麗・・・・・・!」
カゲは嬉しそうに笑う。
「そうだろ?ヘカテー、これは代々ソツア族が受け継いできた美の元ともなっているんだ」
そして、彼は続けて手を握ってこう伝えた。
「ヘカテー、この空と同じように幸せを繰り返し、何度も君に届ける」
ヘカテーは嬉しさで涙を流す。
「カゲ・・・・・・それって」
「ああ、君のことが好きだ」
***
(ソツア村の入場門)
そこは安全を守るために自動化された仕組みになっていた。
すると突然、街の緊急通報装置が街全体に発令された。
数km先には、数万~数千を超えるの軍隊が押し寄せて来ていた。
それの事実はまだ二人は気づいていない。




