66.援軍準備
帰り際に俺は、ジグムントお義父様に
「今回の戦争にはレンも連れていきたいのでクララの護衛にリズを連れていきたい」
と伝え了承された。
俺はレンに監視装置を送って、状況を伝えるとともに、遠征の準備をするように伝えた。
その後、公爵邸に行って、リズを連れて、シャタイン伯爵邸に行った。ちょうど明日の会議に向けて、クリストフ当主様とハディー様が来ていたので、王命を見せて協力を依頼した。
明日の会議にはクリストフ当主様が出席し、ハディー様は俺とともに伯爵領に戻って兵の招集をすることになった。
そのまま俺とリズ、それにハディー様は魔道馬車で領地に帰ることになった。俺は多少負荷が掛かっても仕方ないとして時速100kmで走った。
夜になったがライトをつけてそのまま走った。そして夜のはじめ頃に伯爵領に着いた。そこでハディー様を下ろし
「明日の夕方迎えに来る。武器を持った兵士だけ来てもらえればいい。兵糧はこちらで用意する。移動はすべて魔道馬車でするので、テントや寝具は不要」
と伝えた。
領都ネイメーの子爵邸に戻るとレンが、
「準備は出来ている。明日の昼には兵がそろう。兵糧はマジックバッグに入れて準備してある」
と言った。
俺は執務室に入ると、レンとリズを呼んで、他の者は退席してもらった。そして、ユルノギ王国の地図を出して、索敵を使いながら帝国軍の位置を記入していった。途中、索敵の範囲外になると、転移魔法でユルノギ王国に転移して、そこで索敵をかけながら帝国軍の位置を記入した。そして状況の説明と今後の方針を伝えた。
「帝国軍1万がマー平原でアムスム王国に向けて進軍中。また3万がユルノギ王国王都に向けて進軍中、ユルノギ王国は王都で籠城の構えで、軍の集結を進めている。また、レ要塞にはユルノギ王国軍5千が籠城し、それを帝国軍1万が包囲している。
明日の朝、俺の収納空間ボックスに収納してある魔道馬車をすべて出す。このうち100台は今後のうちの領内で運用するために残す。
この運用は領地の防衛のために、ケントを残すので彼に任せる。
残りの500台に2000人の乗員が乗車したのち、シャタイン伯爵領に行って歩兵3000人を乗車させる。夜のほうが街道に人がいないので移動が楽なので、あえて夜に進軍する。
夕方シャタイン伯爵領を出て、途中仮眠して、朝からマー平原に進軍する帝国軍を叩く。夕方まで掃討戦を行う。ここの帝国軍は残すとうちの領地に来ないとも限らないので、すべてつぶす。
その後また夕方に出発して、途中仮眠して、朝から王都近郊に展開する帝国軍の背後を襲う。ここの帝国軍は約3万と数が多いので、殲滅は無理であるが、兵糧を焼いたり、混乱を与えたり、嫌がらせは出来ると思う。
また夕方に出て途中仮眠して、レ要塞を包囲する帝国軍を殲滅する。掃討戦は、ユルノギ軍に任せ、俺たちは帰還する。
レンは俺と一緒に戦闘に参加してほしい。リズはここでクララの護衛をしてほしい。もし俺とレンが戻らないときはクララを連れてテー公爵家に避難してほしい」
リズが
「500台の魔道馬車と3000人の兵で帝国軍1万人に勝てるの?」
「問題ない。余裕だ」
と俺は答えた。リズが
「私はケントさんの指示に従えばいいの?」
「ケントの指示に従う必要はない。お前は養子とはいえ公爵令嬢だ。ケントではお願いは出来ても指示は出せない。クララの護衛、それだけすればいい。
どこにスパイがいるとも限らないので、絶えず結界を張って片時もクララのそばから離れないでほしい」
「わかった」
レンが
「私はハルトのそばにいればいいのね。なんか昔、ハルトと一緒に公爵様の護衛で王都行った時みたい」
「そんな簡単なものじゃないぞ、前回は盗賊だったけど、今回は兵士だぞ」
「今回は手加減はいらないのよね。前回盗賊を一瞬でひき肉にしたら、後でユリアーネお義姉様にずいぶん言われたから」
「手加減はいらない」
と俺は答えた。
その後、子爵家の家令や騎士にユルノギ王国の救援に行くことを伝え、ケントに俺とレンが留守の間の領軍の指揮と領地の守りを任せた。なお、レンとリズに話したような詳細な方針は伝えなかった。




