表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者とバグでない異世界人の物語  作者: @000-ooo


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/114

62.飢饉の予感

 王国歴324年10月、ハルト15歳。ネイメー子爵領は食料の増産計画も軌道に乗り、順調である。


 ネイメー子爵領とシャタイン伯爵領で用いられている肥料のことが広まるにつれて、これを販売するヤマユリ商会にシャタイン伯爵家の寄子の貴族家からも注文が来るようになった。

 それで、俺は工場の増設を行った。しかし、カリ鉱石の入荷量が順調に伸びないので、それ以外の貴族家からの注文は断らざるを得なかった。

 テー公爵家やユリアーネお義姉様が嫁に行ったトゥール公爵家からも

「何とかならないか」

と言われたが、

「原料を売ってもらっているシャタイン伯爵家の注文を断るわけにもいかないので、これ以上の注文は受けられない」

と答えた。

 そしたら、苦情がシャタイン伯爵家に行ったようで、カリ鉱石の入荷量が増えた。それで、増産した肥料を他の貴族へも販売するようになった。


 ネイメー子爵領やシャタイン伯爵領では農産物の収量が増えているのに、農産物価格が下がらないのが不思議だったのだが、どうも、近年、農産物の収穫量が落ちているようである。

 農産物の不作がアムスム王国だけなのか、隣のベー王国やユルノギ王国でもそうなのか、早急に調べる必要がある。


 そこで、王都の子爵邸にいる従士に、王都の商人に当たって他国の農産物価格の推移を調べるように指示を出した。そしたら、ベー王国やユルノギ王国でも農産物の収穫量が落ちているそうだ。

 アムスム王国では、シャタイン伯爵領やネイメー子爵領が豊作のため、価格は変わっていないが、ベー王国やユルノギ王国では国全体が不作のため、穀物価格が2割ほど上がっているそうである。

 アムスム王国に買い付けに来ている商人もいるそうだ。


 確か俺の前世の記憶では

「14世紀のヨーロッパでは寒冷化で農業の不振が続き、飢饉が発生し、食料の奪い合いから戦争も起こった。また疫病も発生して人口が減った」

と記憶している。


 戦争と疫病この2つの対策を取らないといけない。戦争について、俺のできることは、魔道馬車を増産してアムスム王国の戦力アップを図るしかない。


 疫病対策と言っても衛生面の整備ぐらいしか思いつかない。ワクチンとか抗生物質なんてできるわけがない。

 確かペストはネズミとノミで感染するはずだったと思う。それで、ネズミとノミを弾く魔道具を作ることにした。ついでにシラミとダニと蚊も蠅とアブとブトを弾くようにした。

 これで農民の家も住みやすくなる。ネズミ、ノミ、シラミ、ダニ、蚊、蠅、アブ、ブトを弾く魔法陣を刻んだ8種類の焼き鏝を作った。

 これを板にあてて8つの焼き印を入れる。そしてこれに魔石をつなげば、ネズミ、ノミ、シラミ、ダニ、蚊、蠅、アブ、ブトを弾く魔道具の完成である。

 焼き鏝だけ作れば後は工場で大量生産しよう。ちなみにこれも特許登録だけすることにした。これもヤマユリ商会で販売することにした。

 ネイメー子爵領だけは金額は領主持ちで全世帯に無料配布とした。なるべく安くしたかったが、魔石をつなぐとなると小銀貨5枚となってしまった。仕方ない、ヤマユリ商会に赤字を出させるわけにもいかない。1世帯に10個ずつ配るようにしたら、ネイメー子爵領で金貨1万枚の費用になった。

 魔石に魔力がなくなると効果がなくなるので交換用の魔石も配布した。そして空になった魔石は領主館まで送ってもらって、魔力を補充してまた送り返すようにした。この金額も領主もちとした。


 そして各村落に1つずつ病人の隔離用の施設を作ることにした。これは俺が、村々を回って、土魔法で作っていくことにした。


 衛生面というと上下水道の整備が思い浮かぶ。しかしこの時代、それは夢である。費用がかかり過ぎる。

 せめて各家に1か所トイレを作って、用を足す時は必ずトイレでするように領主命令とした。

 トイレは浄化槽付きにしたかったが、この時代では無理と考え、汲み取り式とした。

 ただせめてもの抵抗として、俺は領都については領主館や広場など人が集まるところには浄化槽付きの公衆トイレをいくつか作った。もちろんこの公衆トイレは水洗便所である。

 また汚物はトイレに流すようにして、道や水路へ捨てることを禁止した。また道端や公共の場所で用を足した場合は罰金を科すようにした。ただし、畑や森の中など近くにトイレのない場所については罰金を科さないこととした。


 また、領都に幾つか公衆浴場を作った。公衆浴場は今後大きな村には最低1つ作っていこうと思う。


 また、石鹸を作るときにできた消毒液は消臭液として販売していたが、なかなか売れなくて在庫が嵩む一方だったが、これを子爵家で買い上げて、領民に無料配布して台所やトイレを消毒するよう、領主命令とした。


 これで、衛生面が少し改善されるように思うが、前世のことを知っている俺としては物足らない、今後も思いついたら改善していこうと思う。


 来年は液体肥料がアムスム王国にだいぶ広く出回るので多分アムスム王国は豊作になると思う。しかし、ベー王国やユルノギ王国は不作が続くと予想される。

 その場合、アムスム王国の豊作分でベー王国とユルノギ王国の不作分はカバーできるだろうが、そこまでである。

 それ以上の国が不作の場合、食料を求めて戦争になる恐れがある。また、ベー王国とユルノギ王国で困窮した人間に疫病が発生する恐れがある。

 これについては冬に王都に行った時にジグムントお義父様に相談することにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ