47.魔道馬車の今後の運用
その日は疲れたので話は後にしてもらって寝た。一緒に帰ってきた貴族の子弟は魔道馬車で送ってもらった。
次の日朝からジグムントお義父様からの質問を受けた。アベリアお義母様、妹のレア、リタ、お義弟のアール様や公爵家の執事や騎士団長も同席した。
馬なしで馬より長く走れる馬車という目的で作った。魔石さえ補充すれば王都から領都まで余裕で走れる。
最高時速は時速100km、通常は60kmぐらいで走れる。これは普通に馬が走るスピードである。ただ馬はそんなスピードで走ればすぐに疲れて走れなくなる。そのための魔道馬車である。
今回王都を朝早く出て途中1泊して次の日の昼に領都についた。途中すれ違う馬車や人に会うとスピードを緩めた。町や村でもスピードを緩めた。スピードを緩めなければ、多分、王都を出た日の夕方には領都に着いたと思う。
馬車の正面には高出力の照明パネルが設置されているので、慣れてくれば夜でも走れると思う。
魔物や盗賊はレンに馬車の上から魔法で撃退してもらい、スピードを緩めることなく走った。
馬車には20人が乗れる。中にはトイレと洗面台と調理台があるので、馬車の中でトイレもできるし、食事もできる。
車体には、防火、衝撃吸収、物理耐性、魔法防御、クリーン、自動補修の魔法陣を設置してあるので、オオカミやゴブリン、オークぐらいなら、襲われても馬車から出なければ問題ない。
オーガやビックボアぐらいになると、車体は多分、壊れないと思うが、ぶち当たられると、車体が横転すると思う。そうすると中の搭乗員が怪我をする。
現在魔道馬車は7台作った。運転できる騎士は俺以外に7人である。
俺が説明すると、
公爵様が
「乗り心地はどうか」
と聞かれた。
ユリアーネお義姉様が
「今までの王都と領都の旅に比べれば、ずいぶん快適だった。ただ、ときどき揺れるので、その時は座席をつかんだ。それでも以前ハルトが馬車の揺れを少なくする前の馬車に比べたらずっと揺れは少なかった。
それから馬車だと休憩時まで我慢しなければならないけど、車内でトイレができるし、馬車の中で食事もできる。
車外の風景もスクリーンに映し出されるのでとても快適だった。
それに夏なのに車内は暑くなく快適な温度だった。途中1泊した時は少し狭かったけど、座席を傾けると寝ることができた」
と答えた。
公爵様が
「この馬車はもっと作れるのか」
と聞かれたので、
「今俺が持っている素材だとあと作れても3台が限度、公爵領で素材集めをすれば、うーん、20台くらいは作れると思うたぶん1か月はかからないと思う。夏季休暇の間にはできる」
と答えた。
「今後この馬車をどうするのか」
と聞かれたので、
「これは運用を公爵家にまかせようと思う。これは戦闘に用いると非常に危険なので取り扱いに注意してほしい。魔力なしの歩兵や騎馬兵ぐらいだと、向かって来たら止められない。多少の窪地ぐらいなら車輪が10個もついているので走れる。ただし、落とし穴に落ちたら出られない。また、湿地だと車体がめり込んで走れない。
高出力の魔法攻撃だと破壊できるが、多分これを破壊できるのは、俺とレン、ううん、ジグムントお義父様、ユリアーネお義姉様、レア、騎士団長様、あと公爵領の騎士団に数人といったところだと思う。
だからこれは俺が公爵家に貸与という形にしたい。取りあえず30台作って公爵家に貸与する。
なお、馬車には運転できる人間を登録して、それ以外の人間が運転できないようにする。
俺とレンの分はその後作る。
貸与した魔道馬車の運用は公爵家で考えてほしい。
他の貴族が売ってほしいと言われても売れない。使うのであれば公爵家の騎士付きで貸与する。そう答えてほしい」
と答えた。
結局魔道馬車は公爵家に、1台につき月金貨5枚で貸し出すことになった。
貸与契約の相手はヤマユリ商会にしてもらった。ヤマユリ商会だと税金の難しい計算はリタがしてくれる。
公爵家は、この魔道馬車を領地の見回りや、王都や寄子の貴族との連絡用に用いるそうだ。領都の公爵邸に3台、王都の公爵邸にも2台配置するそうだ。また王家に5台、寄子の貴族にも5台貸し出すようだ。
その後俺は領内で魔道馬車の素材集めに奔走した。2週間ほどして素材が集まったので、魔道馬車の製作にかかった。1週間で50台作った。
公爵家には領都に帰るときに使った7台はすでに渡しているので、残りの23台を公爵家に納めた。25台は俺の収納空間ボックスに収納した。1台はレンに、1台はユリアーネお義姉様にマジックバッグ容量大に入れて渡した。
それからの残りの夏季休暇は、実家へ帰ったり、レンの実家へ行ったりした。
また昨年から、妹のレアに加えてリズも公爵邸に来ていたので、妹たちに魔法の指導をしたりして過ごした。
またレンとリズには監視装置を張り付け、問題が生じたときは俺に連絡が来るようにした。また防御の魔道具を持たせた。




