46.魔道馬車の開発
学年末試験が行われた。ユリアーネお姉様は相変わらず1番だった。俺は前回と同様5番だった。レンは6番とのこと。
貴族の常識やダンスまで加味されると俺とレンはこれより上に行けない。期末試験の後は夏季休暇になった。
ユリアーネお姉様と俺とレンは領都に戻ることにした。寄子の貴族の子女たちも一緒である。護衛も入れると相当な数になる。
馬車を何台も連ねて大名行列のように2週間かけて移動するというのは、正直言って無駄である。ということで、前世の大型バスのような馬なしで動く大型の馬車を製作することにした。
ユリアーネお姉様にお願いして、一緒に帰る貴族の子弟には魔道馬車を準備するので、5日出発を遅らせてもらった。
馬車の場合、騎乗した護衛がつくが時速60kmで連続して走るとなると、護衛がついてこられない。途中魔獣や盗賊の襲撃を考慮するとバスでは無理である。
そこで装甲車のような護衛も搭乗し、ある程度戦闘能力のある馬車を作る必要がある。幅2.3m、高さ2.1m、全長11m、車輪数10、馬車の屋根の上から弓矢や魔法で攻撃できるように天井にはハッチを設置、車輪には振動の少ない車輪を用いる。
車体の窓はなくし、前方と周りの状況確認は監視カメラの映像を車内のスクリーンに投影することで確認することにした。
便乗者を含めた乗員数は20人、車内にはトイレと洗面台と調理台を設置する。
夜間でも走れるように正面には高出力の照明パネルを設置する。
取りあえずこのような仕様にして作ってみることにした。
前世の装甲車をイメージして車体を土魔法で作った。エンジン部分は回転の魔法陣で回転力を得ることにしたが、出力が足らなかったのでこれを8個重ねることにより高出力が得られた。
車体には、防火、衝撃吸収、物理耐性、魔法防御、クリーン、自動補修の魔法陣を設置した。
公爵邸の敷地内で走行試験をしてみたところうまくいきそうである。それで、この魔道馬車を収納空間ボックスに入れて、王都の郊外の街道に転移した。そこで走行試験をしてみた。
時速60kmは出せそうであるが、盗賊に追われたときに時速100kmは欲しいと思って、重ねる魔法陣を10にした。
魔道馬車は7台作った。公爵邸の騎士に運転方法を説明して敷地内で練習した。
魔道馬車は目立つと思うが、王都を出るまでは騎乗した騎士に先導してもらえれば何とかなるだろう。
出発は朝一番、人がいない方が走りやすい。また、途中の貴族家にはあらかじめ馬なしで動く馬車が通ると伝えてもらった。
公爵領の領都へ一緒に帰る寄子の貴族の子弟は従者を入れて60人だった、それに公爵家の人間が護衛を入れて15人合わせて75人、魔道馬車は4台にした。3台は俺の収納空間ボックスに入れた。
先頭の馬車は俺が運転した。馬がなくても動く馬車ということで初めて乗った寄子の貴族の子弟たちは興味津々である。
早朝ということで人は少ないがかなり目立っているように思う。王都の城壁を出て先導の騎士が離れると、俺はスピードを上げた時速60kmこのまま走れば夕方には領都に着くだろう。
安全のため、絶えず索敵をかけながら走っている。途中人や馬車を追い越したり、すれ違ったりする時はスピードを緩めないといけない。
ううん、領都到着は夜になるかな。また、町などを通過する時も徐行せざるを得なかったことから、途中で夜になった。
それで、途中の村で一泊することにした。安全のため、全員車中泊とした。
次の日の早朝に出発して昼に領都の公爵邸についた。
途中の魔物については、レンに屋根の上に出てもらって、走りながら倒した。疲れた。
それまで馬車で2週間かかったものが2日で帰れる。すごい進歩である。




