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転生者とバグでない異世界人の物語  作者: @000-ooo


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26/122

26.王都への道

 春から秋は、領地で、領地経営を行い、冬が近づくと、貴族は王都に行って社交にいそしむのが、アムスム王国の貴族の一般的な姿である。

 公爵家の王都行の旅の護衛を公爵様から誘われた。それを冒険者ギルドへの依頼をという形で受けた。

 3か月ぐらい領都を離れるということで、まず、裏庭のテンサイを採取して砂糖を生産した。それからヤマユリ商会の商品を大量に生産してそれをマジックバッグに入れてマリアンヌさんに預けた。そして2階には上がれないようにして、店のカギを渡した。


 護衛のカール様にお願いして、俺とレンは先行して魔獣狩りをしたいと言ったが、そしたらユリアーネ様が馬車の中で暇だと言い出したので却下となった。

 ユリアーネ様はリバーシをすると息まいている。しかし、こう揺れると、とてもじゃないがリバーシなんてできない。

 ユリアーネ様が

「何とかしろ」

というので、

「馬車を改造してもいいか」

と聞いたら

「メイドと執事が乗っている馬車を改造して、うまくいったらこの馬車も改造していい」

と言われた。

 そこで、休憩時にメイドと執事の乗る馬車を以前作った振動の少ない車輪に取り換えた。メイドと執事に乗ってもらうと乗り心地は良好とのこと。

 次の休憩時に公爵様の乗る馬車も改造した。なお、王都へ行くときの荷物は以前公爵様に進呈したマジックバッグ極大に収納して来た。


 揺れの少なくなった馬車の中で、ユリアーネ様とレンがリバーシをしている。レンのぼろ勝ち、ユリアーネ様は勝負事は弱いようである。

 俺は公爵様から借りた魔導書を読んでいる。新しい魔道具ができないかと思っている。

 ユリアーネ様が

「リバーシ飽きた。ハルト、面白いことない?」

と言い出した。

「勉強でもします」

と俺が言うと、

「それは絶対いや」

と言って、公爵様に睨まれていた。

「俺とレンなら魔物狩りでもできるのだけれど、ユリアーネ様にはちょっときついかな」

と俺が言うと、

「魔物狩り、やってみたい」

と言い出した。

 いいのかなと思って公爵様を見ると

「弱い魔物なら経験するのもいいだろう」

と言い出した。

「公爵様の気が変わらないうちに」

と思い、俺とレンは

「魔物を捕まえてきます」

と言って馬車を飛び出した。


 街道から森まで走って行って、森に隠れると索敵を行い、魔物の場所まで転移した。

 まず、ゴブリン3体、しかし、どうやって、これを生きて馬車まで連れていくか。とりあえず、土魔法で縄を作って手足を縛って、口に土の塊を入れてしゃべれなくした。そして収納空間ボックスから出した荷馬車に乗せた。

 次にオーク3体、これも同様にした。

 次に、と思い索敵すると、こんな森の浅いところにはいないはずのオーガ2体、

「まあ、いいか」

と思い、2体とも同様に手足を縛って、これは馬車に乗らないので、引きずっていくことにした。なお、オーガには暴れられても困るので睡眠魔法をかけた。


 街道に戻って公爵様のところへ引き返した。時間にして20分ぐらいかな。馬車に戻るとみんなにあきれられた。特にオーガ2体なんて襲われたら、今の護衛では対処できないとのこと。

「すぐに殺してくれ」

と言うので、レンに

「やって」

と言ったら、オーガの体から土の杭が出てきた。一瞬である。俺以外はあっけにとられていた。

俺が、

「それではユリアーネ様よろしくお願いします」

と言ったらユリアーネ様の顔が引きつっている。結局、カール様に手を添えてもらってゴブリン1体にとどめを刺した。後は護衛の騎士たちがとどめを刺した。


 その後、

「オーガがどこにいた?」

と言われたので、

「まさか転移でここから1kmも先に行った」

とも言えず、

「普通にオークの近くにいた」

と言った。

 そしたら公爵様とカール様が真剣な顔で話を始めた。

「面倒ごとに巻き込まれたくない」

と思い、話の内容は聞かなかった。


 まっすぐ伸びた街道が延々と続いている。街道の近くは草原が広がっている。草原はあまり広くなく、すぐに森が迫ってきている。その森の向こうには名前の知らない山々がそびえている。

 そこから吹き降ろしてくる風は、冬の始まりを感じさせてくれる。ハルト6歳。季節は初冬、暗雲の匂いがする王都への道。


 先ほどのオーガのこともあり、俺とレンは先行して魔物を狩ってもよいことになった。

 俺は索敵を用いて街道から両側約1kmの範囲にいる魔物はすべて狩っていった。また、貴重な薬草も適宜取っていった。

 そうしていたら、街道から100mほど離れた森の中に30人ほどの集団を見つけた。いきなり、人を襲うわけにもいかないので、馬車のところまで戻って、相談した。そしたら、向こうの様子を見ながら、進む、向こうが襲ってきたら迎え撃つ、との指示が出た。俺とレンがこの中の最大戦力なので、俺が先頭、レンは最後尾となった。


 公爵家一行が問題の集団のところまで行くといきなりファイアーボールが襲ってきた。俺はとっさに土魔法で障壁を張った。そして、銃弾を1度に1000発撃ちこんだ。

「全力で行く、公爵家の人間には傷一つ負わせない」

そう思った。

目の前の景色がまるで紙吹雪が舞うように粉々になっていく。

 そうしたら後ろから爆発音が聞こえてきた。レンが爆裂弾を用いたようだ。

 そのあと静かになった。俺は索敵を用いて状況の確認を行った。

 そうしたら、森の方にこちらから離れる人間がいたので、そいつの足を銃弾で撃ち抜いて動けなくした。


 辺りが静かになったら、カール様がこちらの状況を確認にきたが、俺は

「前方には多分10人ぐらいいたと思いますが、もう生きている人はいないと思います。それと森のところに1人いたので殺さずに足を撃ち抜きました」

と答えた。

 レンのところが気になったので後方に行った。そうしたら、地面に直径5mぐらいの穴があいていて、辺り一面にほんの少し前まで人間だったものであろう細切れの肉片が散らばっていた。

 レンが

「やり過ぎた、相手がもう少し強いかと思った。こんなに弱いのなら手加減するのだった」

と言っている。

 結局、今回公爵家の人間に被害はなし。ただし、ユリアーネ様は後方の惨状を見て吐いていた。

 襲撃者はたぶん30人ほど即死、捕虜が1人。その捕虜をこれから公爵家の騎士で尋問するそうだ。


 後で聞いた話では、結局襲撃者が誰かわからなかったとのこと。直接の襲撃者は闇ギルドの人間だろうが、雇い主は不明とのこと。

 先日俺が捕まえたオーガをけしかけその間に襲撃する予定が、先にオーガを殺されたので予定が狂ったが、お金を受け取っていたため、襲撃をやめるわけにもいかず、襲ってきたのだろうとのこと。

 大体、オーガなんて騎士団でも苦労するような魔獣を用意できる段階で背後に相当な人間がいるだろうけど、公爵様もカール様も何も言わないのでよくわからない。


 それからは何事もなく、2週間して、公爵家一行は王都に到着した。

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