246.東方の調査(盗賊の宝)
盗賊に占領された村を解放したので、今後のことを話し合うために、取りまとめ役を呼んできてもらった。現れたのは村長の娘であった。両親はこの村が盗賊に占領される際に殺されたとのことであった。
「俺はハレ、隣は俺の妻のレー。そして商人のサラム、この村を占領していた盗賊は捕まえた。また、街道で俺たちを襲ってきた盗賊は返り討ちにしてほとんど殺した。だから、この村はもう盗賊におびえる心配はない」
「この村を解放してくださり、ありがとうございます」
それから、この村が盗賊に占領されてからのことを聞いた。
盗賊は、この村を占領する際に男たちの多くを殺したようで、残ったのは女子供と老人だけとなったようである。女子供と老人は盗賊たちに言われるまま奴隷のように使われていたとのことである。また若い娘たちは盗賊の情婦にされたそうである。
村の食料の蓄えや金品の多くが奪われたそうである。
これを聞いて
「なあ、サラム、盗賊のお宝はこの村に置いて行くか」
「そうですな、私たちも金に困っているわけではありませんし」
「俺たちを襲ってきた盗賊を退治したので、その宝をもらいに来たのだが、村も困っているようなので、俺たちは盗賊の宝はいらない。村で有効活用してもらえればいい」
「いいのですか。盗賊の宝を村でもらっても」
「いい、村の復興に役立ててくれ」
「ありがとうございます。それでは盗賊の宝の代わりに私をハレ様の側室にしてもらえませんか」
するとレンが怒った顔をして
「それは絶対にダメ、そんなことは妻の前で言う言葉でない。お前が旦那様の側室になるというなら、お宝はすべてもらう」
「すいません。側室の話はなしで」
「それでいい」
ということで、盗賊のお宝は村に置いて行くことになった。なお、「俺は隷属魔法が使える」と言うと、拘束した盗賊は奴隷紋をつけて村でこき使うことになった。
これで一件落着、俺たちが村を出て行こうとすると、慌てて走ってくる女性がいた。誰だろうと思ってみていると
「私は盗賊に捕まっていた貴族の娘、王都まで行くのなら連れて行ってほしい」
「あなたは村の人ではないのですか」
「ない。礼はする。私はプスチュク・ワン、プスチュク公爵家の三女、王都に行けばわかる」
先ほどの村長の娘を見るが
「彼女は村の人間ではありません。あまり素性を話さなにので、誰かわからなかったのですが、この国は70年ほど前に東から来た遊牧民が建てた国なのです。言葉や容姿がその遊牧民に似ているので、たぶんその一族かなと思っていたのです」
「そうか、ちょっとまで、相談する」
そう言って、レンとサラムと小声で
「どうする、あまり、この国の上層部と付き合いたくないのだが」
「しかし、ここで、公爵令嬢を見捨てたとなると後で、私がこの国で商売するのが難しくなります」
「それと旦那様を誘惑しないことを条件にすべきです」
「わかった。それなら連れて行くことにする」
意見がまとまったので、その令嬢の方を向いて
「意見がまとまった。お前を連れて行く。ただし条件がある。1つは、俺たちのことを詮索しないこと。王都に着いて公爵邸まで連れて行ったらそこで別れる。後は俺たちの行動に関与しないこと。礼は不要」
「それから1番大事なことですが、旦那様を誘惑しないこと。若し、旦那様を誘惑したら、そこで置いて行きます」
「わかりました、貴方たちのことは詮索しません。それと、ハレ様を誘惑しません。でも助けてもらって礼をしないわけにはいきませんから、公爵邸に着いたら礼はさせてください」
「わかった礼は商人のサラムにしてくれ。俺とレーは要らない」
「わかりました」
ということで、ややっこしい令嬢が道中に加わった。




