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239.東方の調査(波乱の人選)

 やっと、東方調査の人選が終わったようである。まず、商人であるが、名前はサラム。サラム商会の会長とのこと。生まれはイーストチャルクス市でそこには長男夫婦が店を構えているとのこと。


 俺が、イーストチャルクス国で作った風車と水車の組み合わせで水を高いところに送るシステムは、その後イーストチャルクス国でずいぶんと普及しているそうである。


 あと護衛10人、女性の護衛については、その容姿を見たレンが満足そうである。正直言ってレンと大差ない。東の族は遊牧民特有の彫の深い顔をしており、一般的に美男美女である。そのような中よくこれだけ容姿の悪い女性を見つけてきたと、今更ながら族長の力量に感心してしまう。


 そこまではよかったのだけど、カイギン王国に配置するスパイの姿を見た途端レンの目が吊り上がった。絶世の美女が2人、それにこれもイケメンな男が2人。レンが族長に詰め寄って

「どうして、こんな美女を2人も、もっと普通の女性はいなかったのですか。これではいつ旦那様が手を出すかわかったのものじゃありませんか」

「そう言われましても、遠い異国に駐在するとなる一族に忠誠を誓った貴族の中から選ばないと。若し、おかしな情報でも寄せられると大変なことになる。それにスパイは色仕掛けで情報を引き出すことも多いので、美人でないと情報が得られない」

「ほかの人ではダメなのですか」

「ほかの人を選んだとしても、レン様の希望に添える人間ではうまく情報を引き出せません」

「仕方ないのですか」

「はい、ハルト様に我慢していただくほかありません」

「そうですか、旦那様、いいですか、絶対に手を出したらいけませんよ」

「わかったよ、手は出さない」

「絶対ですよ」

「はい」


 するとその女性の1人が騒ぎ出した。

「そんなあー。『精根の王』に会えると思って楽しみにしてきたのに、何もしないなんて」

これにはレンが切れた。とたんに魔力を放出してその女性を気絶させた。

「族長悪いが、この女性は変更でお願いしたい」

「わかりました。そうします」


 次の日違う女性が連れてこられた。昨日の騒ぎを聞いていたようで、レンを見ると震えている。これなら問題ないようである。


 そのような波乱の人選であったが、なんとかメンバーが決まった。ちなみに絶世の美女2人の名前はアファフとアメル、後の名前はどうでもいいので気にしないことにした。


 手は出してはダメだが、見たり話をするのは問題ない。こんな絶世の美女2人と1年近くもご一緒すると思うと気持ちが浮かれて来る。なんといなくレンは怒っているようだが、これは大事なミッション無視することにした。


「それから、ハルト様はマエズラ王国の国王の親書を持参した特使とした方がいいでしょう」

「どうしてだ。お忍びではないのか」

「お忍びだと、もし途中の国で難癖をつけられた時に切り捨てられます。マエズラ王国は大国。その国王の親書を持参していれば、途中の国は手を出せません。たぶん国境の検問所で止められることはありません」

「そうなのか」

「はいマエズラ王国は東の族やイーストブルガシェル族、イーストチャルクス族、それにカンテリク族を従えており、ニープール王国とセープール王国の諍いも、たちどころに仲裁しております。このあたりでは歯向かう者はいません。その威光は東方にも響いております」

「そうなのか、実感がわかないが」

「はい、少なくともセイトウ王国までは届いております。これはセイトウ王国に配置したスパイからも報告を受けております」

「わかった。それで親書の内容はどうする」

「そうですね、東西の交易路の安定を図るために協調関係を維持したい。こんな所ですかな」

「そうだな、今回の東方調査もこの地域の安定のためだからない。内容的には問題ない」

「それでは、すぐに準備します」


 それから3日して、東方調査団は東の市を魔道馬車で出発した。


 王国歴354年4月、絶世の美女2人に浮かれる、ハルト43歳、魔道馬車の中はレンの魔力が充満し息苦しいばかりであった。

 いつも「転生者とバグでない異世界人の物語」をお読みいただいてありがとうございます。


 これまで毎日2話投稿していましたが、やっと、先行していた他のサイトと同じになったので、明日からは毎日1話12:00投稿となります。


 あと私の作品

「帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)」6/30完了予定

「牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)」

(短編)「北の関を死守せよ、野望は泡沫の夢と消えて」

もよろしくお願いします。


「帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)」が完了するので、次の作品を執筆中です。

 神戸の花時計にちなんだ作品を書こうと思ったのですが、間違っていると言われても困るので設定は異世界にしました。

「泡沫の恋の行方と花時計の思い」7/1より毎日1話7:00投稿開始予定

よろしくお願いします。

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