238.東方の調査(東の市の王宮)
族長との話会の後、俺とレンは王宮に入った。レンはこれまで毛嫌いしていたので、初めての王宮である。
まず、側室たちを集めた。側室の内訳は東の族の有力部族から10人、イーストブルガシェル国から5人、イーストチャルクス国から5人、カンテリク国から5人である。
名前は、大すぎてもうほとんど覚えていない。いつもはリストを作ってそれを見ている。生まれた子供は25人、さらに彼女たちのお腹の中にも子供がいる。まさにハーレム状態である。
レンがこの多くの側室と子供たちを見ていやそうな顔している。うー。わかるその気持ち、でもこれにより、マエズラ王国の東方の安全が図られているのである。これも国王の大事な務めである。
「旦那様は、この大勢の側室と子供の名前をすべて覚えているのですか」
「覚えていない。いつもリストを見て話をしている」
「それで彼女たちが納得しているのですか」
「納得しているようだ。遊牧民では多くの側室を取るのは普通らしい」
「そうですか。それでいいならいいですけど。後、子供たちに鑑定はかけたのですか」
「かけた」
「結果は」
「すべて、空間魔法が使えた」
「でしょうね。私たち、サウスブニューデン侯爵家の妻たちの子供もすべて空間魔法が使えますものね」
「予想はしていたが、本当に子供たちがすべて空間魔法が使えるとわかった時は驚いた」
「それで、そのことを彼女たちには伝えたのですか」
「言ってない。言えばさらに側室が増える」
「でしょうね。ああー。もう頭の痛い問題ね。この上側室が増えるのだから」
「すまない」
「少しは反省しているのですか」
「レンにはすまないと思っている」
「本当に。なんか怪しい」
「おい全員そろったぞ」
側室と子供たちが全員そろったので、俺は側室と子供たちを相手に
「今日集まってもらったのは、ほかでもない。俺の隣にいるのは俺の正妻レンだ。俺はマエズラ王国の国王、そしてその正妻なのでマエズラ王国の王妃となる。
いつもは、サウスブニューデン侯爵領にいるが、今回用でこちらに来たので、お前たちに紹介することにした。
レンも魔術の使い手である。これまで幾多の戦場をくぐり抜けてきたので強い。マエズラ族からは『魔力弾の女神』と崇められている。過去に東の族と戦争では一発の魔法で部隊を壊滅させたこともある。
レンは俺の正妻、そしてお前たちは側室。これからもレンの言うことは聞くように」
「私はレン、ハルト国王の正妻です。今後ともよろしく」
と言ってレンは魔力を込めた。すると具合の悪くなる側室が続出した。子供たちは泣き出した。
「やめろ、それ以上すると、お腹の子供に影響が出る」
「そうですか、これくらいで気持ち悪くなるようだったら、草原の遊牧民も知れていますね」
無茶苦茶機嫌が悪い。俺は倒れそうになる側室に回復魔法かけながらレンをなだめた。
やはり、ここにレンを連れてくるのはよくないようである。俺は宮殿の一番豪奢な部屋にレンを案内して、そこで一緒に過ごすことにした。そして、世話するメイドは一番容姿の悪い者を当てるように族長に言った。
側室と顔合わせをすれば、レンの機嫌が悪くなることは分かっているはずなのに、顔合わせ時だけ席を外すなんて族長も確信犯である。
やってきたメイドの容姿を見てレンの機嫌が少し良くなった。
「あなたたちはここのメイド」
「はい」
「そう、いつもは何をしているの」
「いつもは奥方様方の相手をしております。国王陛下は、いつもは転移魔法で直接奥方様の部屋に行くので、私たちはいつ来たのかよく知りません。それに帰る時も一瞬で帰るのでいつ帰ったのかよくわかりません」
「そうなの、それで、国王陛下はメイドや女性の官吏に声をかけたりはしていないの」
「していません」
「そう、それはよかったわ」
俺の前で俺の浮気調査をするのはやめてくれ。レンの機嫌は直っていないようである。
東の族の族長の準備が出来るまでの1週間は針の筵であった。
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これまで毎日2話投稿していましたが、やっと、先行していた他のサイトと同じになったので、明日からは毎日1話12:00投稿となります。
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「帝国皇女の憂鬱(前世の夫の生まれ変わりを捕まえろ)」
「牛乳とチーズは違う味がする(顔だけ男の気ままな旅)」
(短編)「北の関を死守せよ、野望は泡沫の夢と消えて」
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