236.東方の調査(マエズラ王国周辺の位置関係図の作成と今後の方針)
先日の商人の聞き取り結果からハルトは東方の簡単な配置図を作った。距離は全くのでたらめである。
マエズラ王国のあたりは配置的なものが書けるが、それ以外はあまりわからない。それに東へ行けば行くほど未知の世界で距離がいいかげんになる。前世の記憶からすると東方はもっと広いように思うが、空白の部分だけ書いても仕方がないと思い諦めた。
これをもとにレンとリタと今後の方針を協議したが、情報は共有した方がいいということで、一旦サウスナンテンブルグの侯爵邸に戻って家族で協議することにした。
侯爵邸で先ほどの図面を見せると、みんなは初めて見るこの世界の地図に興味津々である。
「これが、先日東方とマエズラ王国を行き来している商人から聞き取った結果と、これまで俺が訪れたことのある国の情報から得た結果をもとに描いたマエズラ王国から東方の図面だ。ただし、東方はもっと広い。商人の話だと行くだけで1年、往復だと3年かかると言っていた。これは歩いて行く場合と考えられる。なお、魔道馬車だと東の市からオプラスカ要塞まで4日で行ける」
「魔道馬車とはそんなに早いのですか」
「そうだ、馬よりも早い。運転手が交代すればずっと走り続けられる」
「このセープール王国から東側のセイトウ王国とカイギン王国は俺たちが行ったことのない未知の世界だ。それに、その北側の遊牧民が群雄割拠している地域は商人も知らない全くの未知の世界だ」
「世界はこんなにも広いのですね」
「そうだ、だからどんなことが起こるかわからない」
「まず、俺の考えを言う」
「まず転移で東の市まで行く。そこで東の族から護衛と道案内を5人ほど調達する。そして、魔道馬車でオプラスカ要塞まで行く。
そこからは俺とレンそして護衛と道案内は冒険者という装いで馬でセープール王国へ行く。たぶんそこで、しばらく滞在することになると思う。
セープール王国は北側は草原と山の国らしいが、南半分は砂漠とオアシスの国らしいので、その両方を調べてみる。どれくらいいるかは行ってみて考えるが、たぶん、セープール王国で3か月から半年ぐらいを考えている。
そして、その東のセイトウ王国、ここも3か月ぐらいを考えている。そして最後のカイギン王国だが、ここは半年ぐらいを考えている。
あと遊牧民が群雄割拠している地域だが、あまりにも危険なので今回は行かない。その周辺国からの情報収集で諦めることにする。これが今後の方針だが、なにか言うことはあるか」
「連絡はどうします」
「毎日、今日の出来事を書いた紙を転移魔法でリヒトに送る。それを見て、送られたところへ緊急時の要点を書いた紙を送り返してくれ」
「わかった」
方針と言ってもかなりアバウトな、とにかく行ってみて考えるという方針であるが、今は未知の世界に行くということで、これ以上の方針を決められないのである。
王国歴354年4月、東方のまだ見ぬ大地に思いをはせる、ハルト43歳、北大陸中央は静かな装いである。




