232.戦争の終結、アラゴナ王国の誕生
これまでに我軍は、バルデフロイス山中の戦いでポルイスト王国の主力を殲滅し、モンタフアルコ要塞でランド王国の援軍を撃破し、さらにカウトサラゴ市で東部貴族の連合軍を降伏させた。もうポルイスト王国には我々の軍と戦う戦力はないはずである。
我軍は無人の荒野を行くべしで、堂々と街道を王都に向けて進軍した。途中の貴族は行く先々で降伏を申し出てきた。このようにしていくつかの町や都市を抜けたところで、ポルイスト王国の王宮からの使者が現れた。
これに対して、俺の要求を伝えた。
1.今回の破門騒動の発端である教会本部の司祭と司祭長へのポルイスト王国の国王の任命を取り消すこと。また、北大陸の教会本部はランド王国の本部でなくサウスナンテンブルグの教会本部であることを認めること。
2.マエズラ王国軍・ウスブニューデン侯爵軍・辺境伯軍がこれまで攻略した土地及びそこに居住する住民については、新たな独立国として承認すること。なお、具体的な独立国の領地の範囲はサウスブニューデン侯爵と関係ある貴族が協議して決める。
3.今回の侵攻に対して、ポルイスト王国が被った損害については、ポルイスト王国はマエズラ王国、ウスブニューデン侯爵家、辺境伯軍家に一切請求しない。
そして、
「王宮からの返事が遅れると俺の占領地域が増えるぞ」
と脅した。
王宮からの回答はすぐに来た。
そして、条約の締結のために前回同様ポルイスト王国の第2王子が来た。カウトサラゴ市と王都の中間ぐらいの村で条約の締結が行われた。
今回の戦争で、ポルイスト王国のかなりの領地が俺の領地になった。そしてここを俺はアラゴナ王国と名付けることにした。
条約締結後すぐに、ポルイスト王国は声明を発表し、その中で
1.ポルイスト王国の国王の名において行ったランド王国の教会本部の司祭と司祭長へ任命を取り消した。そして、北大陸の教会本部はランド王国の本部でなくサウスナンテンブルグの教会本部であると宣言した。
2.マエズラ王国軍・ウスブニューデン侯爵軍・辺境伯軍がこれまで攻略した土地及びそこに居住する住民については、新たな独立国、アラゴナ王国として承認した。またその領域の範囲については関係貴族で協議すると宣言した。
3.今回の戦争における損害については請求権を放棄すると宣言した。
これによりハルトとの条約は履行された。
その後、俺はアラゴナ王国の成立を宣言した。王都は俺の他の領地との繋がりを考慮して領地の北西の港を有するエレアンテリア市とした。ここからだと、俺のかつての辺境伯領への街道が整備してある。領軍や官吏につてはこの地方を治めていた領主に仕えていた下級官吏と下級兵士を雇用した。上級官吏や上級兵士は雇用しなかった。
あと、新たに領地になった領地については長男リヒトを呼び寄せて任せることにした。ここまで広がると、俺だけでは手に余る。それにもうポルイスト王国には俺に対抗する力はないはずである。
しばらくして、体制が整うと、マエズラ王国の遠征軍は帰還の途についた。いまのところ新たな参戦者もいないようだし、ランド王国も追加で軍を出す余力はないようである。特に海軍が壊滅している状況では軍を送れないようである。
戦いの余勢をかってランド王国に攻め込むことも考えたが、そうすると新たな参戦者が現れると判断した俺は経済的にランド王国を締め上げることにした。引き続き液体肥料の出荷は止めているし、食料を売るような商人とは取引しないと明言してある。
その後、ランド王国と休戦協定を結んだ。そして捕虜の引き渡しの交渉が始まった。おれは貴族についてはかなり高額な身代金を請求した。経済的に疲弊したランド王国では一括の交渉は無理と判断した俺は個別に各貴族と交渉した。
その結果、上級貴族は交渉に応じたが、下級貴族は金がないようで交渉に応じなかった。そのため、上級貴族は金と引き換えにランド王国へ返した。しかし下級貴族や平民の兵士はそのまま奴隷とした。そして、それらの奴隷はそのままアラゴナ王国の兵士とした。
王国歴353年12月、アラゴナ王国誕生、ハルト43歳、北大陸南部に再び平和が訪れた。




