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224.バルコウブステ砦の攻防戦1

 バルコウブステ砦は広い。とにかく広い。なんせ、馬3万頭を中で放牧しているのである。馬1頭に100m2とすると300万m2、これだけで3km2である。中に尖塔と魔道馬車の駐車スペースを入れると4km2ぐらいある。1辺の長さが2kmの四角形である。広さだけなら、カウトサラゴ市と同じくらいである。


中にある建物は中央の尖塔だけで、あとは大草原である。尖塔の周りに魔道馬車が駐車している以外は何もない大草原である。そこを馬が駆け回っている。そんなことはたぶん、敵軍は知らない。周囲を囲んだ高い城壁で中は見えないのである。


そんな巨大砦に我軍が駐留しているとなると、敵軍にすれば脅威に映るのも必然である。偽情報でおびき出して、殲滅しようと考えるのも当然である。相手の立場になって考えてみるとすごく当然の帰結である。


ところが、彼らにすれば、魔道馬車と軽騎兵のスピードは誤算だったようである。俺の判断が早かったこともあり、包囲する前に逃げ出すことができた。


 午後の軍議では、今後の対応について協議した。とにかく敵軍に包囲されている状況では、ただ敵の攻撃に耐えるしかない。打って出る意見も出たが、周りを囲まれると不利であるということで、却下となった。むしろ敵を城内に引き入れて、周りを魔道馬車で囲んで殲滅する方が犠牲が少ないだろうということになった。


もし敵がカタパルトを用意して、攻撃してきたら、その攻撃された場所の内側に、張りぼての建物を作って、そこに敵を引入れて、敵が入ってきたら建物に火を放って燃やしたらという案も出された。


その後いろいろ議論した結果、敵がカタパルトを用意して攻撃してきたら、一斉にカタパルトを攻撃する。その間に、攻撃されている城壁の内側に巨大な落とし穴を掘って、カタパルトで攻撃され、城壁が崩れ、敵が侵入してきて、落とし穴に敵が落ちたら上から攻撃することになった。


とりあえず敵がカタパルトを準備するまでは暇となった。なお、敵が攻城塔を用意してきたときは全力で阻止することになった。


 それから3日ほどすると、敵は城壁から離れたところで、カタパルトの製作を開始した。事前に作ったカタパルトを分解して、いくつかのマジックバッグに収納して持ってきたようで、マジックバックから出して組み立てている。考えることは敵も同じだと思った。


 次の日にはカタパルトが3基出来上がっていた。そして、城壁に向かって動いてくる。俺はカタパルトの攻撃で崩れそうな城壁の内側に落とし穴を掘っていった。彫り方は簡単である、俺の収納空間ボックスに土を収納していくだけである。大変なのは掘った穴の上には板をかぶせる作業である。とにかく穴の大きさが半端ないのである。1辺が100mぐらいある大穴である。


その後、ダミーの張りぼての建物をいくつか、その穴の上に作った。そして穴の周りを張りぼての塀で囲って、中の大草原が見えないようにした。


 カタパルトの攻撃が3日ぐらいすると、城壁は壊れてきた。そして、4日目の朝から敵軍が突入してきた。歩兵が先頭のようである。これを魔道馬車の中から攻撃した。もう穴の上には乗れない。とにかく穴の上の板は薄いのである。騎馬でも乗ろうものなら、馬ごと穴の中に落ちていく。魔道馬車も穴の外からの攻撃である。爆裂弾の発射装置をつけると射程は500m、十分である。


午前中は歩兵の侵入だけであったので、魔道馬車で十分対応できた。敵魔法士はどうしているのだろう。よくわからない。まあ、魔法攻撃があっても500mも魔法を飛ばせる魔法士は、たぶん敵軍にはいない。だから、貴重な魔法士は投入できないのだろと思う。


そうしていたら、午後からは、敵の重騎兵が突入してきた。そうしたら、穴の上にかぶせた板が割れて、騎士が穴の中に落ちていった。こんなに早く穴の存在がばれるとは思っていなった。敵の重騎士は重いようである。そうしたら、板の壊れたところに板で蓋をして前に進もうとしているようである。


そうして、少し進んで、また重騎士が穴に落ちた。そこで今日の攻撃は終わりのようである。


 次の日の朝から、また攻撃を再開した。今度はあらかじめ板を敷いてから重騎士が進むようである。しかし、そんな作業をしていると、狙ってくれと言っているようなものである。魔道馬車から作業員に向けて魔法攻撃を行うと作業員が次々と倒れていく。結局板を敷く作業は午前中だけで、午後はこの作業は中止になったようである。


 次の日はまた、歩兵が侵入してきた。それも大人数である。どうも数で押して、この穴の上を通過しようとしたみたいであるが、大量の歩兵が乗ると薄い板、板が割れて大人数の歩兵が全員穴の中に落ちた。結局この日の攻撃は午前中だけで、午後はなしになった。


 その後、敵軍はこの箇所からの攻撃はあきらめたようで、カタパルトを別の場所へ移動させていった。


 この城壁の壊れたところはどうするかなと思ったら、敵はこの箇所は通れないと判断したようで、警備の兵が少ないように思えた。もうこの箇所へは攻撃してこないようなので、俺は壊れた城壁を修復した。そして、穴についても俺の収納空間ボックスに収納してある土を元に戻して埋めた。

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