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214.マリナンダ町での袋のネズミ作戦

 我軍はマリナンダ町まで撤退し、西へ行く街道と東へ行く街道の分岐点あたりで、2手に分かれて軍を配置している。追撃して来るポルイスト王国軍が、ここへ来るのは明日の昼頃と予想される。そこで、魔道馬車800台乗員6000人をサントゥルバオ市経由でビトリア市に向かわせ、追撃して来る敵軍の背後に回せることにした。


 また、マエズラ族のうち2000人を街道付近の森に潜ませ、森から敵の側面を攻撃してもらうことにした。その結果、西に向かう街道沿いに魔道馬車500台乗員2000人と軽騎兵5000人、東に向かう街道沿いに魔道馬車500台乗員2000人と軽騎兵5000人、そして、分岐点より南の街道沿いにマエズラ族2000人という配置となった。なお、昨日の戦闘では、すぐに撤退の指示を出したため、我軍の兵に損害はほとんどない。


これで、サントゥルバオ市経由で、敵軍の背後に回した、魔道馬車が敵の背後を突けば、袋のネズミ作戦の完了である。


 次の日の昼頃、ポルイスト王国軍が追撃してきた。騎士を先頭に歩兵が続いている。しかし細長い街道沿い、列になって進んでくる。なんかもう攻撃してくれといった状況である。敵の指揮官の能力が低いのか、それとも逆に何か隠し玉でもあるのか、かえって疑ってしまう。敵軍も昨日の戦闘ではほとんど損耗はないようで、先頭を行く騎士6000人、その後に歩兵15000人、ついで魔法士2000人、さらにその後に指揮官、その背後を固める騎士2000人と歩兵2000人である。


 とりあえず、敵の先頭は騎士ということで、魔法士でないので、問題なし。魔道馬車に攻撃を命じた。魔道馬車からの最初の一斉砲撃で、かなりの数の騎士が倒された。それでも、突撃してくる騎士もいるが、魔道馬車にぶち当たっても跳ね返されるだけ。


 そのうち、無駄と分かったようで、騎士は背後へ後退していった。しかしその後ろには歩兵がいる。なんか歩兵が味方の騎士の馬に跳ね飛ばされて、逃げまどっている。こんな状態では魔法士も前に出れないようで、魔法攻撃もほとんど来ない。


 そうしていると、サントゥルバオ市経由で、追撃して来る敵軍の背後に回させた魔道馬車の攻撃が始まったようである。なんか敵軍はもうめちゃくちゃのようである。しまいには両側の森へ逃げようとする兵まで現れる。そこにはマエズラ族を潜ませている。しかし、潜ませたマエズラ族は2000人、このころには歩兵のほとんどが逃げ出したようで2000人のマエズラ族では抑えきれなかった。仕方がないのでマエズラ族には向かってくる敵だけ対処して、逃げ出す兵は無視するように指示した。この結果、ほとんどの歩兵には逃げられたようである。


 背後に回した魔道馬車には乗員は最低限しか乗車していないので、逃げ出す敵兵に対処するのは無理である。結局、ここでも、ほとんどの兵には逃げられた。戦闘が昼頃から始まりちょうど夕刻となり暗くなり始めたのも悪かった、その後も、暗闇に紛れて逃げ出したようである。


 その後、我軍の軽騎兵が掃討戦を行ったようで、逃げるポルイスト王国軍を追って、弓矢や魔法攻撃を行って、かなりの敵軍を狩っていったようである。さすが、草原の民、逃げる兵には強いようである。うちの魔道馬車はこういう混戦には弱い。下手に動くと味方ごと踏みつぶしかねない。とりあえず、魔道馬車には馬車の中での待機を命じた。


 次の日になって、明るくなってきたので、状況の確認を行った。マエズラ族と東の族の軽騎兵には捕虜をとるという慣習はないようで、彼等に遭遇したポルイスト王国軍の騎士や歩兵は、ほとんどが死んでいた。一番気にしていた敵の指揮官と、魔法士がどうなったか知りたかったのだが、死者の中に敵の指揮官はいなかった。魔法士にもほとんど逃げられたようである。騎士は馬を置いて逃げた者は助かったようであるが、馬と一種だった者はほとんどが軽騎兵に殺されたようである。しかし、捕虜になった者もいたようである。なお、負傷して動けないものも治療して捕虜にした。


 ポルイスト王国軍の内訳は次のようである。

騎士 死亡3000人、逃亡3000人、捕虜2000人

歩兵 死亡3000人、逃亡9000人、捕虜5000人

魔法士 死亡300人、逃亡1200人、捕虜500人

指揮官 死亡 0人、逃亡 若干名、捕虜3名


なお、我軍には、損害はほとんどなかった。


 その後、今回の戦闘の後の処理をして、1週間後、再度我軍はビトリア市を包囲した。

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