175.植民都市NO.21の建設
マエズラ王国で産業振興をしてやっと侯爵邸に帰ってきたら、また、マエズラ王国からの呼び出しである。なんでも植民都市NO.20にNO.20より南にある東の帝国の人間が来て、
「NO.20から東に行った川べりに植民都市を建設して、そこまで街道を整備してほしい」
というのである。
「この川を下っていくと海に出る。そこから船で南行くと東の帝国に行ける。東の帝国は人口も多く大きな商売が見込める。ヤマユリ商会で扱っている商品も大量に販売できる」
ということである。
この知らせを受けて、俺はすぐにNO.20に転移した。東の王国からの防衛に関係しているのでレンを連れて行った、また、商売のことなのでリタも連れていった。
行くともう商人は帰ったあとであったが、事務官が「商人から詳しい話を聞いている」というのでその事務官から話を聞いた。
その商人は、以前から、川ベりまで行ってそこに住むマエズラ族と商売をしていたが、最近はマエズラ族がこのNO.20に住むようになったので、ここまで来るようになったとのこと。そしてヤマユリ商会の商館の製品を見て「是非これらの商品を扱いたい」と思うようになったとのことである。しかし川べりからここまで来るのは大変なので、川べりまで街道を整備して、そこに植民都市を建設しヤマユリ商会の商館を置いてもらえれば、商売が楽になるし、持ち運びの手間も省けるので大量に購入できるということであった。
この話を聞いて、もしここに植民都市を建設すれば、この川で防衛線が張れる。そうすれば東の王国の侵攻に備えることが出来る。俺とレンは乗り気になった。また、リタさんもここから南に行ったところにある東の帝国と取引ができるというのは魅力的とのことである。それで、植民都市の建設と街道整備と商館の設置はすぐに決まった。
次の日から俺は街道整備を開始した。レンも手伝ってくれた。最近レンは機嫌がいい。出産枠が8人になってアニカが生まれたこともあるが、何よりマエズラ王国に来るとマエズラ族が『魔力弾の女神』と崇めてくれることが気にいっているようである。何はともあれ妻の機嫌がいいのはいいことだ。
街道整備はすぐにできた。今度は植民都市NO.21の建設である。ここはマエズラ族の将来の人口増加と、ここが将来的に交易の中心になるような気がして、かなり大きなものにすることにした。現在植民都市の想定人口は1万人であるが、ここは5万人することにした。
防衛上の拠点となることからまず川べりに城壁を作った。そして、他の植民都市と同様、その内側に緊急時に魔道馬車が周回できるような空間を設け、その内側に堀と城壁を作った。つまり城壁は2重である。そしてその西側に人口5万に規模を想定した道路の区割り作った。また、中央に広場を設け、そこまでを住民の居住地区と商業地区とした。そして、そこから西側は軍事地区として、さらに城壁を作った。そして軍事地区の中心に巨大な尖塔を作って、有事の際に司令部をおけるようにした。またその尖塔の上部には砲塔を設置した。
都市の形は四角形として、角には櫓を立てた。また、櫓の間にも小さな櫓を建てた。その櫓のところにはカタパルトが設置できるスペースを確保した。そして、その櫓を結ぶように城壁を配置した。城壁の上は人がすれ違える幅を確保した。そして周囲を囲う城壁が出来ると、今度はその周りに堀を掘っていった。その後、市内に建物を建てていった。
これで、要塞化した植民都市は出来たが、問題はここに駐留する兵士である。現在マエズラ王国にはサウスブニューデン侯爵家とメイネー伯爵家から3000人の兵士を派遣している。さらに現地のマエズラ族から12000人の兵士を雇用している。それをここだけで、サウスブニューデン侯爵家とメイネー伯爵家からさらに1000人は派遣する必要がある。この1000人について追加募集することにした。マエズラ族については12000人のうち2000人を回すことにした。
兵士については「2年で交代させる」と言ったところ、やっと集まった。そしてマエズラ族の2000人を配置換えして、やっと植民都市NO.21は防衛体制を整えることが出来た。
そして「新たな植民都市が出来た」と言ったら、このあたりに以前数んでいたマエズラ族が移住してきた。やはり住み慣れた場所はいいようである。
王国歴347年11月、新たな植民都市の建設に明け暮れるハルト37歳、植民都市NO.21は嵐の前の静けさである。




