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167.マエズラ王国誕生(俺が王様)

 サウスナンテンブルグ市に戻った俺は、思い出したようにまた、施設整備の続きをすることにした。現実逃避していても仕方がないと悟ったためと、もう北の寒いところは嫌ということで、南の温かいところへ行きたかったためである。それで、ポルイスト王国の辺境伯領のバルマトル市とこの地域一帯から始めることにした。


 そしてここへ来た時にパニベルド要塞をそれっきりにしていたのを思い出した。それでまずそこから修理していった。現地に行くとひどい有様だった、建物や壁は吹っ飛び瓦礫が散乱している。あれから3年たっているので、さすがに死体とかはなかったが、雑草が繁茂し、思わず前世の有名な俳句が浮かんでくる。今は冬だがと思わずもじってしまいそうになったが、死者への冒涜だと思い、口に出すのはやめた。


 とりあえず、瓦礫を一旦俺の収納空間ボックスに収納し、建物を建てて、周りを城壁で囲って、そして街道から砦に向かう山道を魔道馬車が上がれるように整備していった。魔道馬車が登れるとなると勾配は最低10%以下できれば7%ぐらいは欲しい。するとかなり遠くから登山道を整備する必要があり、結局、道はつづら折りにすることで我慢した。


 ルーズペルピ伯爵に

「パニベルド要塞は修復した。ついでに街道から砦に上がる道も整備した」

と伝えると

「感謝する。ハルト様が『修復する』と言われたのでそのままにしていた」

とのことであった。

「窮地を救ったのだから、それくらい自分ですれば」

と思ったが、「修復する」と言ったのは俺だし言わないことにした。


 せっかくここに来たということで、次は、ゴリアンブラハ市に向かった、確かここはレンが城門を壊したはず。

ゴリアンブラハ市に行くと城門は壊れたままだった。なんかとってつけたような扉がつけてある。それで扉を修理して、さらに市内に入って、公衆便所付きの公衆浴場をいくつか整備していった。隔離施設は、市外に作ることにした。これもいくつか整備していった。そうやってその地方の市や町や村の施設整備をしていたら温かくなってきたので一旦サウスナンテンブルグ市に戻った。


 5月は十女アデナ、四男ポール、十一女イルメラ、十二女オリーヌのスキル授けの儀式である。事前に鑑定したところ全員空間魔法を持っていたので、これは隠蔽した。あとはこれまでの子供たちと同様スキル授けの儀式の後、空間魔法の教授をしたが、俺は忙しかったのでリヒトに任せた。


 その様なことをしていたら、また植民都市から問題が生じているというので、マエズラ市に転移した。そしたら人口が増えている。なんでも周りの種族が移住してきたとのこと。この地方の人間はサウナの魅力に抗いきれないとのこと。ここはまだ余裕がある状態だったので良しとした。


 次にトウボルハ市に行って唖然とした。もう市内が満員である。ここも周りの種族が移住してきたとのことであった。冬の寒さに耐えきれずに、サウナの温かさにひかれて移住してきたとのこと。結局彼らの元居たここから南へかなり行ったところにも植民都市を作って、そこに彼らを居住させることにした。植民都市はトウボルハ市と同じ大きさにした。アルクスネイク地方ということなのでアルクスネイク市と名付けた。


 こう幾つも植民都市を作っていって問題がないのかな。何となく不安になってくる。今のところそこの住民が自ら「俺の庇護下になる」と言ってきているわけだし、俺は住民を殺したり財貨を奪ったりしていないからいいのかなと思うが、時々不安になってくる。


 そのことをここの住民に聞いたのだが、「サウナを与えるくれる人は最高」と訳の分からないことを言っている。北の地だけあり人口が気薄なこともあり、人口的にはたぶんアムスム王国の男爵領よりも少ないと思うが、面積でいえば男爵領よりずっと広い。鉱山でもあろうものなら大問題である。


 確かこのあたりにはアリルヌリア王国があったはずなので、そこへ使者を送ることにした。使者を送って協議したところ、今のところアリルヌリア王国の領域は犯していないということであった。俺が領地にしたところの住民はアリルヌリア王国からすると蛮族ということで、たびたびアリルヌリア王国の領域に侵入し食料を奪っていたとのことなので、アリルヌリア王国の領域を犯さず、彼らを支配してくれるなら俺を北の地の王と認めるとのことであった。


 協議がまとまったということで、俺はアリルヌリア王国の王都に行った。国王に会って、条約を締結した。その際アリルヌリア王国の領域でないところはすべて俺の領地になった。どうも俺にこの地域の人間の監視をさせたいようである。仕方がないので、それを受け入れた。滞りなく条約の調印式は終わった。俺は俺の王国を最初の植民都市の名にちなんでマエズラ王国とした。そしてマエズラ市を王都とした。俺は王様になったのである。もっとも男爵領より小さい国の王様であるが。


 マエズラ市に戻って、ここを王都としたので、マエズラ市の拡張を図ることにした。南の城壁を南に作り直して市の面積を5倍くらいにした。そして出来た土地に住民用の建物を建てていった。これで1万人ぐらいの人が居住できる。


 そして、マエズラ王国の調査をすることにした、そしたらこの地域にはあと7万人ぐらいの住民が住んでいることが分かった。面倒なので種族名はマエズラ族でおなじにした。


 それで植民都市をあと17作った。それを南北方向に1列に作った。既存のマエズラ市とトウボルハ市の間に3つ、トウボルハ市とアルクスネイク市の間にも3つ作った。これで一連の都市が30kmぐらいの間隔で配置されることになり、これをつなぐ街道を整備することにより南北の交通路が整備される。


 1つの都市の人口は約5000人、これぐらいだと周りの畑まで耕作に行けると思った。ただし、将来の人口増加を見越して都市の大きさはマエズラ市と同じ1万規模を想定した。そしてここに付近の住民をすべて住まわせることにした。


 とにかくここの住民は飢えると周りの国に略奪に行くのである。そうすると下手するとせっかく作った俺の国が攻められる。とにかく厄介な住民を抱えたのである。


 そんなことをしていたらまた寒くなってきたので、ポルイスト王国の辺境伯領の施設整備の続きをすることにした。

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