161.北の都市同盟との協議2
再度細かい協議をする必要があるということで、使者を呼んだ。レンとアンナとリタにも同席してもらった。俺が、
「うちとしては協力したいのはやまやまだが、後で帝国ににらまれても困るので、これについては帝国から1筆もらってほしい。
また、我軍にどれぐらいの軍艦を派遣してほしいと考えているのか。うちはあくまで協力であってうちが主体的に動くわけではないのであろう。
また、その場合の費用負担はどのように考えているのか。
また、もし仮に、うちが協力して北の海の制海権を北の都市同盟が取り戻した時、うちに対してどのような見返りを考えているのか」
これに対して、北の都市同盟の使者は
「帝国からの書状については、今の皇帝は帝国内にいないので、北の海のことなので、この地域を管轄しているブルヘンハイム公爵の書状をもらう。彼は選帝侯の1人でもあり、前回の皇帝選挙にも立候補していた。
現在北の都市同盟には、戦えるような軍艦はほとんどない。したがって、ハルト侯爵の軍に頼ることになるが、北の都市同盟としても10隻ぐらいの戦艦は出せると思う。具体的な軍艦の数は帰って再度詰めたうえで報告する。
また、今回ハルト侯爵が軍を派遣するにあたって必要となる戦費については、今後北の都市同盟が制海権を取り戻した場合、北の海での交易で得られる利益から、今回ハルト侯爵がかかった費用の全額を支払う。ただし、詳細な資料を提出してもらう必要があるが。
また引き続き北の海にハルト侯爵が軍艦を駐留し北の海の制海権を維持してもらえるなら北の海での交易で得られる利益の10%を毎年支払う。また、北の海の最奥に植民都市を建設しハルト侯爵が直接北の海で交易を行うことを認める」
今回の使者はかなりの権限を持たされているようである。もっともこれくらいの見返りを用意しないと、うちの協力を得られないと考えていたのかもしれない。
最後に気になったことを聞いた。
「北の海の最奥に植民都市を建設することについて、そこに住んでいる住民はどうなるのだ」
これに対して使者は
「そこに住んでいる部族の長とは話をつけてある。その部族が周りの部族から攻められて我々に庇護を求めてきたので、我々は部隊を派遣して庇護してきた」
どこまで使者の言うことがほんとかわからないが、とりあえずその言葉どおり受け取ることにした。
「わかった。再度協議したいので、今日はこれまでとしたい。結果は後日伝える」と言って、使者には退席してもらった。
その後、再度、レンやアンナ、リタ、リヒト、それに海軍を所管するニコラウス従士にも集まってもらって、この件を協議した。その結果、北の都市同盟の使者が、最後に示した北の海の最奥に植民都市を建設し北の海での交易を行うことが出来るという条件は魅力的であるということで、艦隊を派遣することになった。
再度使者を呼んで、艦隊を派遣する旨を伝えた。また派遣する軍艦は40隻で、先日使者が示した条件を文書にして北の都市同盟に参加する有力都市の代表者との協定書を交わした後とすることを伝えた。当然その際ブルヘンハイム公爵の書状も持参するように伝えた。
艦隊の派遣は5月ごろ、北の海が落ち着いてきてからとなった。使者は感謝すると言って帰っていった。
その後、先ほどの使者からブルヘンハイム公爵の書状が届いた。
また、北海の都市同盟として派遣できる軍艦は10隻であるが、そのうち8隻はドレーン王国の東に位置するため、サウスブニューデン侯爵家の艦隊と事前に合流できるのは2隻であるとの連絡があった。
また、費用関係と植民都市の建設の契約書については、現在有力都市の署名を集めているので、しばらく待ってほしいとの連絡があった。
なんかサウスブニューデン侯爵家におんぶにだっこという感じだが、その代わりに見返りも大きいのでやむなしとすることにした。




