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155.王宮での糾弾

 今俺とルーズペルピ子爵はフラ王国の王宮にいる。今回ポルイスト王国がルーズペルピ子爵領に侵攻したのに、なぜフラ王国の王宮が何の対策もしなかったのか、それになぜ、ルーズペルピ子爵家から救援要請を受けたサウスブニューテン伯爵家の領軍の通行許可を途中の貴族家が出さなかったのかを問いただすためである。


 ルーズペルピ子爵領からの帰りということで、550台の魔道馬車は王都トイユアルジャン郊外に待機させている。これは威嚇である。もし王宮がおかしな行動をとれば直ちに、550台の魔道馬車で王都を攻撃するようレンに言ってある。


 俺は対応しようとした官吏に

「国王と直接話をさせなければ、王都に俺の部隊を突入させる」

と脅した。


 そしたら国王が会ってくれることになった。そして今、謁見の間にいる。

「質問は2つ。1つは、なぜ、フラ王国はルーズペルピ子爵家の救援軍を出さなかったのか。

もう1つはなぜサウスブニューデン伯爵家の領軍の通行許可を途中の貴族が出さなかったのか。

これらについて適切な回答をいただきたい」


 これに対して国王は、

「ルーズペルピ子爵家へは救援軍を派遣すべく準備を進めていたが、何分急なことで準備が間に合わなかった。

また、途中の貴族家は通行許可を出したと聞いている」

と答えた。


 そこで俺は

「救援の担当は誰か。また準備はどこまで進んでいたのか。通行許可を出したと報告したのは誰か」

と問い合わせた。


 すると国王は

「救援軍の担当はリズロール将軍である。準備がどこまで進んでいたかは、彼から報告させる。また、『途中の貴族が通行許可を出した』と私に報告したのはバルドゥイーン外務卿である」

「ではその両名をここに呼んでもらいたい」


 しばらくして、リズロール将軍とバルドゥイーン外務卿が呼ばれた。


 俺はまず、リズロール将軍に

「救援準備はどこまで進んでいたのですか」

すると将軍は

「ルーズペルピ子爵領の近くのガロンルーズ侯爵家に依頼を出した。近々救援に向かうと聞いていた」

「フラ王国としては救援は出さなかったのですか」

「必要ないとガロンルーズ侯爵より聞いていたからである」

「その言葉を信用したのですか。独自に調査はしなかったのですか」

「するわけないであろう。仮にも侯爵家からの言葉である。疑っては相手に失礼である」


「そうですか、しかし私が、対戦した時は敵軍の規模は、サンルイモ要塞に1000人から2000人、ビュリベア砦に1000人、トリューソレ平原に15000人、領都周辺に5000人、さらにパニベルド要塞にも1000人から2000人、さらにはバルマトル市には2万人のポルイスト王国軍がいましたが、もっとも、バルマトル市の2万人にはトリューソレ平原の敗残兵が多数含まれていた可能性があるが、それでも1万人は新規の兵であった。これらを合計すると敵軍の規模は3万5000人から4万人である。これだけの規模の敵軍を相手にして救援が必要ないとは、情報取集能力に欠けているとしか言えませんな」


 そう言うと将軍は顔を真っ赤にして

「農民上がり風情がわしを侮辱するのか」

と息がった。

国王が「まあまあ」となだめて事なきを得た。


 俺は

「次に外務卿、あなたは『通行許可を出した』とはいつ誰から聞いたのですか」

これに対して、外務卿は

「6月3日に、ガロンルーズ侯爵より報告を受けて、6月4日に国王に報告した」

「へんですね、私がガロンルーズ侯爵より『通行許可は出せない』と言われたのは5月20日です」

「そんなはずはない、私はガロンルーズ侯爵より確かに『許可は出した』と報告を受けた」


 そこで俺は

「国王陛下、リズロール将軍とバルドゥイーン外務卿の言っていることが正しいとすれば、ガロンルーズ侯爵がうその報告をしたということになりますが、この場合こちらもかなりの被害を被っていることから、その補償を求めてもいいですか」


 すると、国王は

「ハルト伯爵で制裁を加えたいということか」

と聞かれたので

「そうです」

と答えた。


 そうしたら国王は

「よかろう。許可する」

と答えた。


 普通だったら、こんな許可は得られないであろうが、昨年までの疫病の蔓延とその後の混乱で、最近の王権はかなり低下しているようである。また、王都を包囲した俺の軍隊のことも影響しているのかもしれない。とにかく国王の言質は取った。


 後は不正の証拠を上げればガロンルーズ侯爵家をつぶせる。


 そこで俺はポルイスト王国から入手した秘密文書を提示した。


「ここにポルイスト王国から渡された、今回のルーズペルピ子爵家領の侵攻計画書です。

今からこの内容を読みますね。これにはポルイスト王国国王の署名と王国印もありますので、後でポルイスト王国に問い合わせて構いません」


 そう言って文書を読み始めた。これにはリズロール将軍とバルドゥイーン外務卿も真っ青になった。何か叫びそうになったので彼らの周りに防音結界を張った。


「ポルイスト王国はルーズペルピ子爵領と隣のレジボンヌ伯爵領に侵攻する。

ルーズペルピ子爵家領占領後は、レジボンヌ伯爵領に侵攻する。

レジボンヌ伯爵領の占領は東半分で留める。


この時点で、ガロンルーズ侯爵家が領軍を派遣する。レジボンヌ伯爵領の中央付近で、ガロンルーズ侯爵家の領軍と相対する。


そして休戦とする。


なお、この戦闘にルーズペルピ子爵家と同盟関係にあるサウスブニューデン伯爵家の介入を防ぐために、ガロンルーズ侯爵家はサウスブニューデン伯爵家の領軍の領地通過を許可しない。


また、リズロール将軍とバルドゥイーン外務卿は事の詳細がすぐに国王に報告されないよう最善の努力をする。


これは、ガロンルーズ侯爵も、リズロール将軍とバルドゥイーン外務卿も同意している。


これが今回ルーズペルピ子爵領に侵攻したことの詳細である」

とのことです。


すると国王は

「リズロール将軍とバルドゥイーン外務卿を捕縛して連れて行け」

と言った。


 2人が連れていかれると、

「すまなかった。ガロンルーズ侯爵家の処分はハルト伯爵に任せる。侯爵家はつぶしても構わない」

これで俺は錦の御旗を手に入れたのであった。

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